「平清盛」第32話。

第32話のサブタイトルは「百日の太政大臣」。百日とは、どこかの国の総理大臣並みに短命ですが
いったいどういう意味なんでしょう。意味深なタイトルですなぁ…って思ってたら、そんな疑問が
吹っ飛ぶようなことが起きてしまいました。それは、まさか、まさかの

聖子ちゃん再登場！！

しかも、祇園女御（＝乙前）の娘とか孫の役じゃなくて、本人役で！
もう、いったい何歳なのよさー！！と、驚きのあまりピノコ口調になってしまうほどの衝撃でした。

あ、そんなわけで驚きすぎてドラマの詳細を書く気力がないので、詳しいあらすじは公式サイトのこちらでお願いします。
清盛の太政大臣ライフがなぜ百日で終わったのかも、最後のほうに書いてありますので。
（ああ私ってなんて親切）

今週もドラマは伊豆の頼朝さんと京の清盛ファミリーの2元中継でした。伊豆と京とで画面の色調が
違って見えるのが面白かったです。画面が汚い、汚いと文句を言われている今年の大河ですが、伊豆の頼朝は
普通の時代劇に近くて、画面が明るかったです。頼朝と八重姫のみずみずしさを表現したかったんでしょうか。

で、対する今日の都の場面は、昼間の画面は白っぽくて、夜の場面は闇が濃い。とくに聖子ちゃんが登場する
五節の会の場面は…あっ、もしかしてアレ？画面が暗く見えたのは、明るいといろいろと不都合なものが
見えちゃうから、わざと暗くしたの？いやーごめんごめん。おじさん空気読めなくってさー。

…って、そういうわけじゃないと思いたいですが、五節の会で後白河上皇と清盛が相対する場面は、薄暗い画面で
2人の表情が際立って見えて、上皇と清盛の間に流れるひりひりとした空気が伝わってくるようでした。おかげで
番組終了後はのどが渇いて冷蔵庫のスイカをがっついちまったぜ。ふっ。
しかし、お面かぶってこそっと後ろから忍び寄ったりして、上皇ったら相変わらず清盛大好きなんだなぁ～。
「お前なんかしょせんオレの掌の上で転がされてるだけなんだよ～ん♪」
なんて勝利宣言したら、清盛にさらっと
「それならそれであんたの掌の座り心地を堪能するわ～」
ってかわされたもんだから、ふてくされてぶんむくれちゃうし。なんかこう…ポンと肩を叩いて

お前、素直になれよ

って言いたくなりますね、上皇には！

上皇と清盛の政治ゲームは、とりあえず平氏が全体的に出世するというところで終わりましたが、
伊豆の頼朝くんは泣いたり～笑ったり～♪と忙しかったです。八重姫と会えなくなったり八重姫に子ができてたり
八重姫に子が生まれたり八重姫の父ちゃんに子供を…されたり。いやね、わかるんですよ、頼朝くんがどれだけ
つらいか。平治の乱で父も兄弟も殺され、ひとり孤独になった頼朝君にとって、八重姫との間に生まれた
千鶴丸がどれだけ大切な存在なのか。でもね、そこで千鶴丸は清盛に殺されたってのは話がワープしすぎなんじゃないかと。
平治の乱の後、頼朝は池禅尼のはからいで、伊豆に流されるにとどまった。本当なら、殺されるはずだったのに。
頼朝が伊豆に流されなかったら、千鶴丸は、祖父の手にかかって死ぬことはなかった。八重姫も、我が子を父親に
殺されることもなかった。極論ですが、千鶴丸が亡くなったのは頼朝の代わりだったのかも。清盛もそうですが、
頼朝も、武士の棟梁は皆、一族の死を背負って生きていかねばならないのでしょう。伊豆でニートライフを
送っていた頼朝君も、これをきっかけに何かがかわるのかもしれません…って言ってて何も変わらなかったら
それはそれですごいが。

でも、八重姫の父・伊藤祐親の気持ちもわかる！単身赴任から帰ってみれば、自分の娘が前科者で無職ニートの
男との間に子供作ってて「はい、孫です！」って差し出してくるんだもんなー。そりゃ表情も凍るわ。
しかし峰竜太が演技してるの超久しぶりに見ました。実生活で磨いているだけあって、強大な権力に怯える演技は
リアリティがありましたわ～。

というわけで、朝廷で権力の高みへと登って行く清盛と、不幸のどん底の頼朝君が対照的に描かれた第32話でした。
でもまあそんなことより圧倒的なのは盛国の安定感ですけどね。清盛と対立する藤原基房らに五節の舞姫を隠された
（それも試合の前に倉庫に閉じ込める的な超クラシックなやり方で）後も、宗盛の「助けて盛国～！」の一言で
問題解決しちゃうし。大納言、内大臣、太政大臣の違いを詳しくわかりやすく視聴者に説明しちゃうし。
もう、まさに一家に一台の必需品ですね。お腹に四次元ポケットがついてないのが不思議です。

来週の第33話のサブタイトルは「清盛、五十の宴」。清盛もついに五十歳…その割には老けメイクが甘いな、と
思いますがそれより何より清盛が五十歳の役なら聖子ちゃんは一体何歳なの？もしかしてお尻に尻尾生えてない？
キツネみたいなのが9本。生身の人間って設定よりそっちのほうが納得できるんですけど。