Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

「平清盛」第48話。

2012-12-10 00:29:08 | 大河ドラマ「平清盛」


「平清盛」第48話を見ました。

来週の第49話は衆議院銀総選挙のため、NHK総合は19時10分からの放送だそうです。
私はこの日、朝から投票所の立会に行かなくてはならないので、見るのが少し遅くなります。
なので感想もいつもより遅い…というかいつも遅い。もっと早くUPできるようになりたいのぅ、と
思っているうちに残りあと2話。まあ、来世までにはもうちょっと早くなるでしょう。

選挙と言えば、今年の1月にこの「平清盛」が始まった頃は、まさか年末にこんなに政党が乱立する選挙が
行われるとは予期しませんでした。そして、ドラマ終盤の清盛のような政治家が現在の日本にもいるということも。
なので、今になってドラマのキャッチコピー「平成は、平安を見よ。」の意味がわかったような気になったり。
平安の世では、平家が滅亡し源氏が鎌倉に幕府を開いて王家の時代は終わるわけですが、平成の世はどうなることやら…。

前置きが長くなりましたが、今週の感想です。詳しいあらすじはこちらになります。

第48話のサブタイトルは「幻の都」。うっかり「幻の湖」(古い…)と空目しましたが、それはおいといて。
清盛の長年の夢だった福原遷都が、とうとう夢のままで終わってしまうという回でした。各地で反平家を唱える武士たちが
挙兵し、頼朝のもとに集まる中、貴族からも武士からも孤立していく平家。不安と焦り、先の見えない暗い空気に
押しつぶされそうな平家と、明日へ続く光に導かれるかのように突き進む源氏がとても対照的でした。
破滅へ向かって突き進んでいる平家と清盛は悲壮感がハンパなくて哀れに思えましたが、清盛が目指そうとしていた
「武士の世」を頼朝が別の形で引き継ごうとしてることに、救いを感じました。まあ、そんな頼朝も結局は(以下自粛)

今週の清盛は見ているこちらの胸の内までからっぽにしてしまいそうなほど、悲壮感1000%で痛々しかったです。
終わりが近いせいか御新規さんへのサービスなのか(今更遅いだろ)回想シーンが多かったですが、若かりし頃の清盛と
今の清盛のギャップがすごくて、時の流れを感じました。というか、1年ちょっとの撮影期間中に、同じ人物をここまで
演じ分けるのはすごいなぁと素直に感心します。

しかし、回想シーンを見ながら「あのころの清盛はピュアだった…」と嘆く一方で、鳥羽法皇にエア弓矢を射かける
場面の再登場は、あれを見た当時「なんじゃこりゃー!?」と、はてなマークで頭がいっぱいになったのを思い出して、
ちょっぴりクールダウンしちゃいまいました。そしてそれを弁慶が頼朝に当事者ぶって吹聴するというのもマイナス。
弁慶がドラマの要所要所で意味不明に顔を出してたのはこういうことなのかと納得しましたが、それにしたって弁慶は
いったい何歳なんでしょうね…清盛と同じくらいかそれ以上なのか。(それを言ってたら忠清は…)

今週の見どころのひとつは、重盛亡き後、平家の棟梁になった宗盛が、絶対君主・清盛に還都を進言する場面でした。
宗盛の話は「重盛と比べて自分はダメダメで…」と、いきなり自分語りから始まったので、おいおい何が言いたいんだと
思いましたが、最終的には棟梁らしいいい事を言ってました。これをもっと早くに言えればよかったのにねぇ。
ちょっと前に出てきた、忠正斬首の回想シーンの意味が今週でやっとわかったのにもすっきり。宗盛は自分の最期の時にも
忠正のことを思い出すんでしょうか。

ちなみに、宗盛が公卿たちに重盛がいたころはよかったとか還都しなくちゃアウトだとか散々言われてたときに、
時忠がむきになって反論していたのが印象的でした。時忠は、利欲のために清盛に追従してたのかと思ったけど、
実は清盛に憧れて、清盛の夢を実現させたいと思ってたのかなぁ、と。まあ結果は散々でしたけど。

福原遷都が夢と消えてしまった後の清盛はまさしく「真っ白に燃え尽きた」状態でした。福原遷都に清盛がどれだけ情熱を
注いできたかがわかります。しかし、京に戻ったら戻ったで重衡がまさかの東大寺全焼。この場面は摂関家の顔芸が強烈
でしたが、それを凌駕する勢いの重衡のドヤ顔に、平家の「詰んだ」感じがよくあらわれてました。重衡のドヤ顔に、
かつて神輿に矢を射かけて悪びれもしなかった己自身の姿を見たのでしょうか。のどの奥から声を絞り出して
「ようやった」
と息子を褒めた時の渋い顔には、清盛の複雑な心中が現れていました。

それにしても、今週は回想シーンが多かったです。五節の舞で清盛が昔をしのぶときの回想シーンはまあ普通の使い方
でしたが、清盛が放ったエア矢の回想シーンみたいな、「あの場面はこの場面と繋がってたんだよ~ん」な使い方は、
たまにならいいけどあんまりしょっちゅうやるのはどうかな、と思います。実際、最初にあのエア弓矢の場面を見たときは、
私も「?」と思って視聴続けることに疑問を持ったし。1年もかけてやるのだから、1年間見続けた人にごほうびを…という
のもわかるけど、1年見続けることを前提にトラップしかけすぎるのもどうかなあ、と思います。途中参加の人は、ここ
最近の伏線回収ラッシュはフラストレーションたまるでしょうし。

来週の第49話はひさしびりに後白河法皇が登場。清盛の老けメイクにはかなわないものの、こちらも少しは歳を取ろうと
努力した模様です。この国の未來を決めるかもしれない選挙の投票日に、平安時代にこの国の命運を握っていたじじい2人の
双六ゲームも最終局を迎えるということに、不思議な感じがします。この国の一部の人たちの双六ゲームは、もう終わりに
してほしいものですね。ほんとに。


コメントを投稿