Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

「平清盛」第50話。

2012-12-23 23:52:17 | 大河ドラマ「平清盛」


みなさんこんばんは。クリスマス前の3連休、いかがおすごしでしょうか。

私は…私はうれし楽しい神戸&大阪旅行が突然の体調不良でおじゃんになってしまい、布団の中で七転八倒しておりました。
そう、まるで今週冒頭の清盛のように!まあ、私は清盛みたいに頭に水かけてもしゅーしゅー蒸発したりはしませんでしたが。

というわけで連休初日は高熱でうんうんうなされましたが、翌日の23日にはあらすっきり。布団の上に仁王立ちになって

「わが墓前にこの連休にクリスマスだなんだと浮かれはしゃいでおるリア充が首を供えよ!」

と、叫べるくらいに元気になっていました。めでたしめでたし。ちゃんちゃん。

…などという与太はさておき、今日は「平清盛」の最終回の日でした。詳しいあらすじはこちらでどうぞ。


最終回は、えーと、最終回と言っても清盛自体のドラマは先週でほぼ終わっちゃったので、今週は清盛の死後に平家が
滅亡するまで、にとどまらず義経&弁慶の最期、さらには頼朝が亡くなって室町幕府の世になり日本が宋と交易を
行うようになるまで、が非常に大雑把にダイナミックに描かれていました。正直、45分でよくここまで盛り込んだなぁ、と思います。
最終回でこんなにぎっちぎちに詰めるくらいなら、なぜドラマの前半でああも尺を無駄遣いしたのか…あ、いや、
過ぎたことを言っても仕方ないですね。はい。

冒頭、熱病にうなされている清盛が、生霊となって二見ヶ浦の西行の庵にひょっこりあらわれる場面、斬新ですねー。
“死ぬのは嫌だ”といいトシこいて駄々こねる清盛に、“義朝も信西もみんなそうだった。人は皆平等に死ぬのだ”と
諭す西行。
限りあるからこそ、命は輝くのだと。いつもは訳知り顔でドヤァな西行ですが、たまにはいいこと言います。

で、幽体離脱から戻ってきた清盛は、「わが墓前に頼朝が首を供えよ!」って叫んで絶命するわけですが、この最期の
場面、効果音といいケンイチさんのまったく受け身にならない倒れ方といい、見事な絶命シーンでした。

清盛が死んだ後、平家の館にやってきた西行が、清盛の遺言と称してイタコショーを行うわけですが、この展開、
お茶の間のみなさんはついていけたんでしょうか…個人的には「源氏物語」とかでよく悪霊が童女にとりついて
口寄せをさせるってのがあるから、この時代ならギリOKなのかなぁ、と思ったんですが。でもちょっとリアリティ
ないですよね。頼盛への遺言と時子への「そなたはわしの紫の上じゃった」にはぐっときましたが。くー。

清盛が亡くなってから平家滅亡までのくだりはあっという間で、一の谷の戦いどころか屋島の合戦もすっとばされ、
いきなり壇ノ浦で時子がジャポーン!ときましたから、うどん県民はもう涙目。つい最近まで夕方のローカルニュースで
清盛特集やってたっつーのに、ひどいわプロデューサー。それなら番外編で、義経&弁慶目線の「源平合戦三部作」
ドラマを作ってほしいですよ。義経のSPECだって、結局お披露目できないまま終わっちゃったわけだしぃ。

そんな愚痴はさておき、壇ノ浦の戦いでもはやこれまでと覚悟した時子が、安徳天皇を抱えて入水する場面は
泣かせポイントだとわかっていても、やっぱり涙がこぼれました。大人の権力闘争に利用されて短い生涯を終えた
安徳天皇が不憫でした。清盛は自分が目指した「武士の世」のために、なんと多くの犠牲を強いてきたことか。
彼が生きているときのみならず、死んでからもなお。

壇ノ浦の戦いで絶命した平家の有名人といえば、もう1人。平知盛ですねー。今回もかの有名なセリフ
「見るべきほどのことをば見つ」をつぶやいてから、海に身を投げてました。その昔、「義経」で阿部ちゃんが
同じセリフを言ってたのを思い出しましたが、阿部ちゃん知盛よりも今回の小柳知盛のほうが血まみれ泥まみれ
埃まみれで、「ザ・絶命!」って感じでした。画面が汚い汚いとさんざん言われた今年の大河ですが、こういう
悲壮感が漂うべき場面では、その汚さが有効だったと思います。(阿部ちゃん知盛はかっこよかったけどね)

源氏に捕まったわれらが盛国は、しょっぴかれて行った鎌倉で飲食を絶ち、餓死することで自らの命を絶ちました。
漁師の息子から清盛のツッコミ役という、平家にとってなくてはならない存在だった盛国。その盛国を弔うかのように、
「平家物語」を謡う琵琶法師。それはかつて禿の長として平家のために暗躍した羅刹だった…って、

お前、まだ生きとったんかい!!

と、あの世へいきかけた盛国さんがツッコミを入れるために思わず戻ってきそうな場面でした。いやマジで。
(しかしこの頃からもう『祇園精舎の鐘の声~』ってあったのか?)

平家が滅んだ後、イタコの西行さんは頼朝のもとを訪ね、清盛から頼朝への遺言(?)「まことの武士とは
いかなるものかを見せてみよ」を伝えます。西行さん、清盛が死んでからもう何年も経つのに、イタコが上手いですねぇ。
ホントは自分の思いつきでしゃべってんじゃないの?うりうり。(もしそうならドラマ台無し)

頼朝は「まことの武士」を見せるためなのかどうかは知らないけれど、奥州へ逃げようとした義経を追いつめ、
義経は自害。弁慶もかの有名な仁王立ちで主人の最期の場面を守りました。あーこのへんはダイジェストじゃなくて
ちゃんとしたドラマで見たかった。なんのための京本政樹ィ!

頼朝が義経を討った一因でもある後白河法皇は、平家滅亡後もしぶとく生き残ってましたが、頼朝が思ったより
つまんないやつだったので、さっさとあの世へ旅立ってしまわれました。ゴッシーもまた平家一門同様、波の下の
都へ行ったのかどうかはわかりません。もし行ってたら、さぞやメンドクサイだろうなぁ、盛国は。

ゴッシーが亡くなって後、数年後に自分も死んだとあっさりナレーションで語る頼朝。おいおい自分の事なのに
なにさらっと流してんだよと突っ込みを入れたくなりましたが、頼朝だから仕方ありません。政子ラブの彼にとって、
自分やその息子たちがどんな死に方をしたかを詳しく語るのは酷なんでしょう…うん。

そんな頼朝たち鎌倉武士の時代も終わって、室町時代に入ってやっと日本は宋と交易を行うようになる…のところで
なぜか小兎丸たちが登場。完全に出るタイミングを間違えてます。あれじゃ室町時代の人になっちゃう。最後の最後で、
痛恨のミス。

ラストシーンは、twitter上で「タイタニックやーん!」という声が多数上がってましたが、「波の下の都」に
平家の顔ぶれが勢ぞろいしていたのは嬉しかったです。とくに重盛。重盛が笑ってるのなんていつ以来だか。
(明子がいないのは…仕方ないのか)

第1話から第50話まで、リアルタイムじゃない回もありましたが、途中で脱落することなくなんとか完走することが
できました。物語前半でばらまかれた伏線が、話が進むにつれてどんどん回収されていくのは見ていて気持ちが
よかったですが、その気持ち良さが「ずっと通して見てる人」でないとわからないのが、テレビドラマとしては
よくなかったなぁと思います。ばらまいた伏線すべてが回収できたわけではないし。平清盛という日本史上最大級の
ヒールを主人公にした以上、「あともうちょっと、もうちょっと見てくれたら面白くなるから!」と、視聴者に忍耐を
強いるような真似はするべきじゃなかったです。尺の使い方間違えてて、もったいない扱いをされてた人もいっぱいいたし。

来年の「八重の桜」は、今週の予告を見て期待できるかもと思ったのですが、某事務所のゴリ押しキャストが不安なので、
果たして視聴し続けられるかどうか…まずは第1話を見てから、かな。


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もちきちさん、感謝☆ (cocchiy)
2013-01-07 14:13:06
こんにちは、cocchiy。
以前に一度コメントさせていただいた者ですが分かります?
年末に第42話から撮り溜めてあったのを年末年始の連休で
一気に見終えることができました(^_^)v
平安時代の知識がほとんどない私にとって、今回の大河ドラマだ“チャレンジ”でしたから、何だか嬉しいです。
そして、改めて、もちきちさんの解説により、ほーっ、なぁるほど~って気づくところ多々。
まだまだ未熟でございます(当然のことですが(^_^;))
ホント、もちきちさんはサイコーですヨ。うん、めちゃ面白かったです。
私も「ずっと通して見てる人」のはしくれですが、見る価値は大いにしてアリだったと思います!
視聴率はイマイチだったかもしれないけど、私みたいに録画して見てる人は多いと思いますしっ。
とくかく、もちきちさんのおかげで、きっちり最後まで見れたといっても過言ではございませぬ。
興奮冷め止む前にコメントさせていただきました(*^_^*)
ありがとうございました!
返信する
コメントありがとうございます♪ (もちきち)
2013-01-08 12:44:44
>cocchiyさん
こんにちは、お久しぶりです。
年末年始にまとめて見られたんですね。それはさぞや濃い年末年始だったことかと(^_^;)

>見る価値は大いにしてアリだったと思います!
ですよね~!画面が汚いとかいろいろ言われましたが、個人的には充分面白かったです。
放送が終わってからも、あの場面はああいう意味だったのかなぁ、と思い返してしみじみしております。

いろいろとお褒めの言葉をいただき、恐縮です。また遊びに来てくださいね。
返信する

コメントを投稿