山口瞳は趣味が多い。思いつくままにあげてみると、絵画、将棋、野球、競馬。趣味から発して連載や単行本になったものも多い。絵画は「武蔵野写生帖」『新東京百景』、将棋は正続『血涙十番勝負』、野球は『草野球必勝法』、競馬は『日本競馬論序説』『草競馬流浪記』。これ以外に、趣味ではないが、落語、長唄、日本舞踊にも造詣が深い。また、鎌倉アカデミア時代に、吉野秀雄先生の薫陶で短歌をはじめている。
山口瞳の作品を読むときには、これらに対する知識があると便利である。これらのうち、私は競馬だけは全く興味がない。競馬に対する認識は、土日の喫茶店にいるおじさん、というものだ。馬券売り場近くの喫茶店では、赤鉛筆片手におじさんたちが一心に競馬新聞を検討している。その様子を見るたびに、その労力をもっと文化的なことに回すことはできないかと思ってしまう。
昔、女友達に競馬に誘われたことがあった。二人きり、というわけではなく、男女8人ほどで、芝生にビニールシートを敷いてお弁当を食べながら競馬を見よう、とのことだった。私は興味がないので断ってしまったが、ピクニック気分で競馬場に行くという感覚は新鮮だった。
競馬で身を持ち崩す人がいる。借金や会社の金を横領してまで競馬をする狂った人がいる。そういった人たちが新聞をにぎわす。そのため、競馬に偏見を持つ人も多い。競馬を愛する山口瞳は、競馬には良い面もあるということを訴えた。馬券売り場とパドックの往復をするので運動になる、小銭を扱うのでボケ防止になる、と言った。
山口瞳の作品を読むときには、これらに対する知識があると便利である。これらのうち、私は競馬だけは全く興味がない。競馬に対する認識は、土日の喫茶店にいるおじさん、というものだ。馬券売り場近くの喫茶店では、赤鉛筆片手におじさんたちが一心に競馬新聞を検討している。その様子を見るたびに、その労力をもっと文化的なことに回すことはできないかと思ってしまう。
昔、女友達に競馬に誘われたことがあった。二人きり、というわけではなく、男女8人ほどで、芝生にビニールシートを敷いてお弁当を食べながら競馬を見よう、とのことだった。私は興味がないので断ってしまったが、ピクニック気分で競馬場に行くという感覚は新鮮だった。
競馬で身を持ち崩す人がいる。借金や会社の金を横領してまで競馬をする狂った人がいる。そういった人たちが新聞をにぎわす。そのため、競馬に偏見を持つ人も多い。競馬を愛する山口瞳は、競馬には良い面もあるということを訴えた。馬券売り場とパドックの往復をするので運動になる、小銭を扱うのでボケ防止になる、と言った。