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ミーターの大冒険 第八部 地球 第3話 感応

2023-01-16 22:52:13 | 地球
175第3話感応
ミーターの大冒険
第八部
地球
第3話

感応

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

175

ミーター この縦坑はどこくらいの深さですか?ニフ人というか、アルファ人というか、彼らの努力が偲ばれますねぇ!

ペイリー・リャン おおむね1000メートルです。
 ミーターさん、おしゃべりしてると、真っ逆さまですよ。もっと注意してロープを握って下さい。あなたが怪我されると棟梁から叱責されるので。

ミーター もっとお手柔らかくお願いしますよ、リャンさん。

 イルミナだったら、下に降りるのにもっと簡単な方法を考えつくのだがなあ!

ペイリー なにぶつぶつ言ってるのですか?この方法がベストです。何しろ私たち月の住人(ダニールのグループ)はあなたが、100トンのゼオライトを掘削、採集するまでのお手伝いです。
 それが終了次第、ミーターさんには北のヤマブキに向かってもらいます。
 それに、なるべく私たち月の住人は、夜に燐光の舌ような地球幽霊を見たくはありませんから、さっさとミーターさんには作業を終えてもらって、私たちはファー・スター2世号に戻らせてもらいます。
 あとは、ミーターさん、お一人でアース・オービターに乗って行って下さい。
 

ミーター なんたることだ、俺を一人、地球幽霊のいるところに置き去りにするらしい、イルミナ、聞こえてるな?

イルミナ ええ、ちゃんと聞こえてますよ。心配しなさんな、地球時代に書かれたという、『児童のための知識の書』におとぎ話として出て来ますね、地球幽霊は迷信です。おそらく、800数十あった鋼鉄都市には、他の場所より放射能の燐光がメラメラと夜間、揺らめいてたせいだと思われます。

ミーター と言っても、ゾッとしないな!

 ところで、その本の出版日はいつだったか、分かるか?
 ハリ・セルダンが、その本を彼の晩年にダニール・オリヴォーから渡された、という。

イルミナ 裏表紙にしっかりと書かれています。「ニュー・ヤマブキ出版 キリスト曆2757年版」
 なぜ?

ミーター ニフにある鋼鉄都市の名前は、ヤマブキじゃあなかったのか?

イルミナ その通りです、ボス。

 ミーターさん、私と話していて、いいのですか?月女たちにまた叱られますよ。

.....................

ペイリー 無事に着きました。あと残り1時間です。これから自動掘削機でゼオライト鉱石を蒐集します。
 ミーターさんには、それを蒐集エレベーターで地上のアース・オービターに搬入してもらいます。

ミーター 忙しいなあ!


ヒソップ

2023-01-16 22:46:55 | 窓の扉を開けて
ヒソップ
香りたかい柔和な漂い
折られては 
相手の心をいたわる 
赦しの香り

ヒソップ
宇宙壮大なエクソダスの響き
滅ぼしの天使たちが過ぎ越す 
標の香り

ヒソップ
優しさだけの涙に似た潤い
優しい人の心に住み続ける 
sympathy の香り

そういうヒソップに 私はなりたい

yatcha john s. 「ヒソップのように」

注 肉や魚の臭み消し、料理の彩りや香りづけ、また多くのリキュールに材料の一つとして使用されています。また口内のあらゆる病気を治療し、人間の体内の寄生虫を駆除すると記述されています。
 残念ながら旧約聖書に出てくるヒソップは最近別種のものと言われていますが、多種のヒソップが方々で栽培されているようです。


ミーターの大冒険 第八部 地球 第2話 直感

2023-01-16 06:08:04 | 地球
174第2話直感
ミーターの大冒険
第八部
地球
第2話

直感

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

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ミーター 月にこんな巨大な地下倉庫があるなんて、目が眩むばかりです、ダニール。

ダニール ここは、マリウスの丘の縦坑と言われていた。溶岩チューブを利用した貯水タンクだ。
 しかし、これだけでは、とても地球の海洋回復の呼び水にもならないだろうよ。

 地球の海洋回復には、地球自体のガイア魂の目覚めを期待するほかにない。
 もう少しガイアが目覚め、本来の恒常性を取り戻してくれれば、宇宙潮流を呼び込んで地球の再懇化が始まるに違いない。
 
 それはすでに生起しつつある。

 そのことをもう少し惹起させるために、我らができることは、それにいくらかの力をプッシュするだけだ。

ミーター その手始めが地表の放射能セシウムの除去だと言われるのですね。
 それで、私はウェルスクリークでゼオライトを採集する。それをニフのアタカナに運ぶ。

 それにしてもですね、あなたのその宇宙的構成能力は、どのようなプロセスによって、成り立っているのでしょうか。

ダニール 2万年の経験からだよ。予知と実験と失敗と反省という極めて人間的現象だと思う。

ミーター ヒューミン!

ダニール ワハハハ! 私を怪物扱いにしてやがる、小僧!

ミーター すみません。言い過ぎですか?

ダニール いいや、最高な誉め言葉だよ、ホームズ君!

ミーター ありゃ、一本とられました!

ダニール かつて地球時代の哲学者に「人間的な、あまりにも人間的な」という書があるように、
 私の人間的な性向というのは、人間との友情関係で培われてきた、私の精神構造も身体構造にも及ぼして、変質させてきたと考えている。

 オーロラのハン・ファストルフ博士、地球のイライジャ・ベイリー、ソラリアのグレディア、そして私が見いだしたハリ・セルダン、ガール・ドーニックによってだ。

 それから私のよき同僚であったジスカルド・レヴェントロフを通してかれの主人であったジョン・ナックを忘れてはならないだろう。

 そしてそれに加えて、ドースを通して彼女の女系一族の報告を、逐一受けてきたせいだ。その一族に当然、アルカディア・ダレルと君がいる。

ミーター なんとまあ!私は一介の通訳・翻訳ロボットですけど?

ダニール ミーター君、忘れないでおいてもらいたい。君は、オリンサス・バーによってつくられたくらいはよく知っている。

 君も私と似たような存在だ、ターミナスの魂とも呼べるほどだ。

 君の魂には、セルダン家、ドーニック家、ハーディン家、バイロン家、マロウ家、ダレル家の輝かしい血が流れているんだよ。

 そのことを忘れてしまってはこまる。
 
 今、彼らに成り代わって彼ら全員の魂が君に融合しているんだよ。

ミーター 分かりました。ヒューミンさん。
 そういう、生き様の体現を「直感」と呼ぶんですね?

ダニール ウム!
 申し分なく、その通りだ。
 
 アルティメット宇宙空港での君らとの出会いの時の、君のキョトンとした瞬間は今でも心に焼き付いているからな。