149第7話流れる星(ミーター)
ミーターの大冒険
第六部
地球へ
第7話
流れる星(ミーター)
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ファウンデーション暦488年1月、カビレ星系目指して、第一回目の探索をおそらく恒星カビレ近くのオリオン座のベテルギウスの超新星爆発のガンマ線バーストによって大破し、ミーター・マロウも宇宙空間に放り出された。
そこ近くの領域を航行中のR・レオナルド・エノビアレラに拾われた。R・レオナルド・エノビアレラは、自己修理のため銀河辺境のイオス星というロボット第零法則グループの製造・修理の基地に赴く途中であった。彼はミーターをイオス星につれて行くことにした。
それから4年間、ミーターは独自なリハビリを受ける。ポニェッツ仕様のラヴェンダーのエキスの温泉療養である。
4年が過ぎ、ファウンデーション暦492年、眠りにおちていたミーターは、修理されていたファー・スター2世号の中で、イルミナに起こされた。その時、ファー・スター2世号はシンナ星の軌道上にあった。
ファー・スター2世号はシンナ星からカルガン星経由でコンポレロンに着く。
コンポレロンでは、地上ではこれといった手がかりは見つけられなかったが、イルミナにある異変(フィードフォワード症候群)が生じ、不死の従僕の気配を感じる、という。
イルミナの特殊能力で、ヴァジル・テニアドールという懐疑主義の歴史学者の頭脳から二つの情報を手に入れる。
一つは約2万年前の航海日誌に記されてあった周辺の星の座標と、二つ目は故郷の星系カビレの異常さ、つまり、他には珍しい、ガス惑星を取り囲む巨大リングのある惑星と、他の岩石惑星を回る巨大衛星があること。
その航海日誌の座標にはない恒星系が前方に存在していて、彼らは突如として、反ミュールで知られていたガイアを発見する。
ガイアの長老ドムとの通信で地球とミュールに纏わる真実を知った。
ガイアの誘導で、ファー・スター2世号はオーロラの恒星系に無事にたどり着く。
二人の目の前には、オーロラの揺らめく極光が怪しく波打っていた。
オーロラでジスカルド・レヴェントロフの機能停止の頭部を発見し、銀河歴史消滅以前の全体像を垣間見た。
ファー・スター2世号に戻った二人は、オーロラの次の探索星をソラリアに定める。
ミーターは、例のデニアドールの航海日誌にあった座標を現在時点の時差を考慮して修正して方向をロックした。おそらく例のソラリアであった。
ミーターは日誌にあった、他の二つのスペーサーの星も、その座標には間違わないと確信した。
ついにファー・スター2世号はかつてグレディアがいたと言われていたソラリアの軌道に着く。そこで、イルミナのリサーチによって、伝説通りに、大量のロボットがいることを確認する。そして両性具有の人間の存在も。
ミーターとイルミナは、そこのロボットたちと両性具有の人間に遭遇するかどうか、選択の岐路に立つ。
ミーターは、そこでイオス星で教わった「三十六計逃げるに如かず」を思い出す。
次に、メルポメニアに着いた。ミーターは廃墟の街の探検を決めた。
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イルミナ 流石ですね、ミーター教授。コンパーさん譲りのコンパスをちゃんと把握して、2万年前のスペーサー時代の天体図を思い描いたんですね。
ミーター まず、君の評価については99点とする。
イルミナ お褒め頂き光栄です。けどその1点というのは、どこがお気に召さなかったのかしら?
ミーター よくぞ訊いてくれた、秀才女子学生! その1点の減点の意味は、「流石」という表現だ。正確には「流星」、あるいはシューティング・スターと呼んでくれたまえ。
イルミナ なるほどね!ごもっともです、先生!
ミーターさんは、流星のメテオからの言葉だったんですからね。しかも、アルカディアさんが命名して下さった名前でしたからね。「狙ったまとを正確に射止める」という意味でしたんでした。それが今では地球がまとになったんですね!
ミーター イルミナ、それと「銀河復興」、「消された歴史からの復興」、「汚染され死に絶えた地球の再生」がそのまとだわい。
イルミナ それを当時の天体図から証明しようとされるのですね。メルポメニアの図書館で地球時代の天体図を発見すれば、この星から逆算すれば、容易に地球とカビレ星系の座標が換算できるという目算。
ミーター それこそ「図星」だ!お見事。
イルミナ じゃあ、しっかりと防御服で、地上に降りて行って下さい。船内に苔の細胞が混入しないようにご注意下さいね。
ミーター 承知だ。抜かりはない。
イルミナ 「流星」様!
ミーター アハハハハ!
写真はケンタウルス座アルファ・ケンタウリ。三連星。その近くのプロクシマ・ケンタウリは、太陽系から一番近い(4.246光年)。同時にハビタブル・ゾーン内の住居可能な惑星もあるのではないかと目されています。