袖捕

備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、
※注：本ブログは（た）個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。
SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

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袖捕は、旧･科目表では１級科目で袖抜(龍王拳)に続いて習得した羅漢拳(衣服捕り)の法形です。袖抜は袖を握られた時にそれを解除(リリース)して反撃したり逃げたりする技ですが、袖捕は手首を極めて相手を捕まえる技になります。

科目表では攻撃は「上袖を握り引く」とされています。なので「袖捕」はよく「上袖捕 (ｳﾜｿﾃﾞﾄﾞﾘ)」とも呼ばれます。同様に「袖抜」を「上袖抜 (ｳﾜｿﾃﾞﾇｷ)」、「袖巻」を「上袖巻 (ｳﾜｿﾃﾞﾏｷ)」と呼ぶ事もあります。ただこの点は注意が必要で、教範的には袖捕と袖巻の攻撃は「上袖を掴まれた時」とは書かれていないのです。

どういう事かと言うと、教範には袖捕は「上袖又は下袖を前方より握られた時に行なう」とあるのです。上袖でも下袖でも前側を掴まれた時、としている訳です。後ろ袖であれば袖巻になる訳です。

因みに袖巻の攻撃法は科目表では「後ろ袖を握り引く」なので、袖捕と袖巻の使い分けとしては、上袖を浅く掴まれた時(前袖)は袖捕、上袖を深く掴まれた時(後ろ袖)は袖巻、と一般的には指導されています。

という事で、上前袖への掴みに対しては上袖捕で対処するので間違いないでしょう。問題は「下前袖を掴んでくる攻撃なんてあるのか、それに対して袖捕が出来るのか」です。教範にはその場合も袖捕をせよと書いてある訳ですから、挑戦してみるべきだとは思います。その場合は掛け手の瞬間に<作り>を肘にまで引き寄せる(或いは腕の方を差し入れる)必要があります。

因みに教範初版には「上袖捕」として記載されていたようですから、上袖の技という考えも初期からあったようです。(途中でわざわざ下前袖でも出来る、やれ、という考えが入った事になりますね。。)

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袖捕も旧･２級科目の上膊捕同様に、コの字の攻めで攻者を前傾に倒し制圧します。
上膊捕では攻者は押し込んできたので、その力を一旦鉤手守法で受け止めつつ、引き込んで落としました。袖捕では攻者は引いてくるので、鉤手守法では腰を落として引かれないように食い止めます。引いてくる分、突っ張ってくる上膊捕より攻者の肘は曲がり易いので、コの字にはし易いかも知れませんが、技に入ろうとした瞬間に我の腰が浮くと引き崩されてしまうので、注意しましょう。

掛け手をした際に合掌の力で抱き締めるようにすると、しっかりキャッチ出来る上に重心も安定します。(作りの部分が中心になり攻者にとっては重くなる)

やはり確実な掛け手と、手甲への捻りがpoinになります。

固めた後、当身を入れて間合いを取り、残心するのですが、コの字系での極めの当身はやや要注意である事は、上膊捕の項で既に述べましたので参照願います。