徳川家康が1601年、大津市の湖岸に築かせ、明治維新で廃城となった「膳所城」を、VR(仮想現実)でよみがえらせようという計画が進んでいる。
中心となっているのは、大津市のCAD(コンピューター利用設計)会社社長と、草津市の立命館大理工学部の学生たち。大勢の人にクラウドファンディングで資金集めに協力してもらうため、まずは往事の姿を再現したCGアニメーションを近く公開するという。
↑写真:読売新聞より
膳所城
大津市街の東部に位置し、相模川河口付近にあった膳所崎と呼ばれる琵琶湖に突き出た土地に築かれた水城であり、日本三大湖城の一つに数えられ、また大津城、坂本城、瀬田城と並ぶ「琵琶湖の浮城」の一つである。
陸続きの部分に三の丸を配し、二の丸・北の丸・本丸が琵琶湖に突出する梯郭式の縄張りであった。本丸には4重4階の天守が上げられ、水面に映える姿は里謡に「瀬田の唐橋、唐金擬宝珠(からかねぎぼし)、水に浮かぶは膳所の城」と謡われていた。
慶長5年(1600年)関ヶ原の戦いに勝利し名実共に天下人となった徳川家康は、翌、慶長6年(1601年)東海道の押さえとして、大津城を廃し膳所崎に城を築かせた。膳所城は江戸城、大坂城、名古屋城など天下普請として江戸幕府が諸大名に号令し築いた城の第一号である。縄張りは城造りの名手と言われた藤堂高虎に計画させた。湖の中に石垣を築き、本丸西隅に4重4階の天守が築かれた。家康がこの地を選んだ理由として、昔より「瀬田の唐橋を征するものは天下を征する」と言われた瀬田の唐橋に近い場所であったからであると言われる。
慶長5年(1600年)関ヶ原の戦いに勝利し名実共に天下人となった徳川家康は、翌、慶長6年(1601年)東海道の押さえとして、大津城を廃し膳所崎に城を築かせた。膳所城は江戸城、大坂城、名古屋城など天下普請として江戸幕府が諸大名に号令し築いた城の第一号である。縄張りは城造りの名手と言われた藤堂高虎に計画させた。湖の中に石垣を築き、本丸西隅に4重4階の天守が築かれた。家康がこの地を選んだ理由として、昔より「瀬田の唐橋を征するものは天下を征する」と言われた瀬田の唐橋に近い場所であったからであると言われる。
<Wikipediaより>
「膳所城」は、関ヶ原の戦いの後、家康が大坂攻めに向けた態勢固めで大津市本丸町一帯に築き、「築城の名手」と言われた「藤堂高虎」が設計したとされる。
【滋賀・近江の先人第41回】城造りの名人/一土豪から遂に大名に・藤堂高虎(滋賀県甲良町)
https://blog.goo.ne.jp/ntt000012/e/2f762f58973a7f1f34db470d3283e1b9
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1662年の大地震で天守が傾くなど損壊した。本丸跡は今、膳所城跡公園の名で市民の憩いの場になっている。
VRによる膳所城の復元は、「大河ドラマや城郭、社寺建築が好きで、全国各地を歩いてきた」というCAD会社社長の山本奈美さんが知人らと構想を温めてきた。
山本さんは2017年に立命館大理工学部の非常勤講師に就任し、CADの演習で学生を指導するなか、参加を呼びかけ、2020年に学内に産学連携の「膳所城VR Lab.(ラボ) 」を発足。学生は現在、学部の1~4年生9人と大学院生1人が所属する。
ラボは、城跡に近い膳所市民センター内の「膳所歴史資料室」運営協議会会長、寺田智次さんと連携。古い地図や 鳥瞰(ちょうかん) 図などを見ながら、城の外観を類推し制作しているが、寺田さんは「天守の中がどうなっていたか、見た人はおらず作業は難航している」という。
それでも、膳所地域の随所に残る城門や水門などの遺構や、愛媛県大洲市に復元された大洲城天守などを参考に制作を進めている。
↑写真:読売新聞より
大洲城は明治時代に天守が解体されたが、江戸時代の木組み模型や明治時代の古写真を基に木造で復元されており、同城の内部構造などを基に描く。
「将来、VR復元した城の中を歩き回り、天井裏に上がったり、探検したり。シャチホコの上に乗って、周囲を眺める疑似体験など、ゲーム感覚で子どもが楽しみながら、歴史を学べる内容にしたい」と山本さん。
今年度は膳所城のCGアニメーション映像を作って機運を盛り上げ、VR化に向けて近くクラウドファンディングを始める方針だ。
メンバーで、4年の長沢謙太さんは「膳所は歴史ある街だが、その象徴がなくなっており、VRで象徴をつくることで、地元の地域愛の醸成や地域貢献に加わることができれば」と期待する。大津市出身の2年、辻井 大翔(ひろと) さんは「膳所城が担った重要な役割を小中学生にも知ってもらいたい」と話した。
大津市の湖岸には坂本城、大津城、膳所城と、「水城」と呼ばれる城があった。山本さんは「膳所城の認知度をもっと高め、全国から大津市を訪ねてほしい。VRが観光資源の一つになるよう学生たちと仕上げたい」と意気込んでいる。
<読売新聞より>