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”スローライフ滋賀” 

東近江の木製玩具開発者(東近江市)

 東近江市域の56%を森林が占める東近江市では、地場産木材で玩具を作り、保育施設で子どもたちが触れる「木育(もくいく)」の取り組みが広がる。体験を通じて木に親しんでもらい、環境保全にもつなげる。地域の森林資源を、次世代に引き継ぐ試みだ。

↑写真:滋賀報知新聞より

 触ると滑らかな、手のひら大の角材。くぼみに差し込んだり、引っかけたりすることで、さまざまな立体を作れる。東近江市箕川町の井上慎也さん(45)が考案した積み木「KUMINO(クミノ)」。箕川町内の空き家を活用した工房で、5年前から製造、販売している。

 木材や森林をテーマにした展示会で売り込むと、東近江市内を中心に全国約70の保育施設で、遊具に採用された。材料は、保育施設がある各地の地場産木材。子どもたちに郷土の山への関心を持ってもらうためで、工房に木材を取り寄せて加工することも少なくない。

 昨年は積み木発祥地のドイツと、老舗積み木メーカーのあるフランスで特許を取得した。5年後にも海外展開をもくろむ。国内ITサービス大手とも協力し、積み木をスマートフォンで撮影すると、木材の種類や産地の情報が分かるシステムの開発も視野に入れている。「情報を載せた積み木が、新たな人や地域の交流を生んでくれるはずだ」と期待を込める。
 豊かな緑に恵まれる一方で、町は過疎化が進む。積み木をきっかけにして人を呼び込もうと、古民家を改修した宿泊施設の運営も目指す。「補助金頼みではなく、ビジネスとして自立、持続させることで、森を自分のこととして考える人の輪を広げたい」と語る。

↑写真:滋賀報知新聞より

 400年前から宮大工が活躍していた東近江市今在家町では、大工が木育に力を注ぐ。この道50年の川村克己さん(66)。「子どもの頃の体験は、記憶に残らなくても、感性として残る」が持論だ。
 木造建築の構造にヒントを得た木製ジャングルジムくむんだー」を開発。東近江市内の保育施設に貸し出したり、商業施設などを巡回するイベント「木育ミニパーク」で体験してもらったりして人気を集めている。
 全国植樹祭を「一過性の動きにしたくない」と川村さん。東近江市内の記念植樹の会場「市原にこにこの森」には木育の拠点整備を望む。巨大なハコモノではなく、山小屋のような建物をいくつか配置する。年齢を問わず、木製玩具や大工の技術などに触れられる「木のテーマパーク」として、一帯を周遊してもらう構想だ。
 川村さんは「木は切られた後も、人びとの暮らしの中で生き続ける。木を育てるだけではなく、木に愛着を持ってくれる人を育てたい」と力を込める。

<中日新聞より>
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