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復活の「彦根りんご」、小ぶりの実を今年も収穫

 戦後復活した「彦根りんご」の収穫祭が8月8日(日)、滋賀県彦根市中藪町の「彦根りんご芹川農園」で行われた。「彦根りんご保存会」が実施し、今回で15回目。早朝から地元の親子連れを中心に約200人がピンポン球級の小ぶりの和りんごを袋に集めた。

↑写真:京都新聞より

 「彦根りんご」は中国から伝わり日本化した和種リンゴで、江戸時代は1785年彦根藩から将軍家や1748年朝鮮通信使に献上されるなど重宝された。

 1816年(文化13年)には彦根藩士が200本の苗木を購入し、農園を開いて彦根市内で本格的な栽培に取り組んだという。
 明治時代以降は、中山道筋で販売され、収穫がお盆の頃だったことで、お供え物として人気もあったが、西洋リンゴが出回ると1955年(昭和30年)頃途絶えた

 復活のきっかけは、彦根りんごに関心をもつ彦根市民がルーツを探して保存会の現代表、八木原俊長さんを訪ねたこと。
復活への強い思いを知った八木原さんは「小学生の頃、祖父は多くの人に彦根りんごを育ててもらいたい、と接ぎ木をしていた。私も手伝った記憶があり、祖父が願っていたことに挑戦したい」とメンバーに加わった。
 
 彦根りんごの木は、害虫にやられてすでに枯れてしまっており、八木原さんらは復活に向け、彦根りんごにもっとも近い和リンゴを探すことから始めた。
2003年に全国の研究機関や農業試験場を訪ね、保存された数100種類から50種類を絞り込み、形や大きさ、色、味覚などから石川県の加賀藩種にたどりついた。
 
 2004年、「彦根りんごを復活させる会」を設立し、選んだ品種を接ぎ木して平成彦根りんごとして復活させ、2006年から彦根市有地約2500㎡を借りて栽培を始めた。
 現在、会の名称は彦根りんご保存会に改称し、芹川の沿岸自治会らで組織する「芹川を美しくする会」と連携して10本を無農薬で栽培。
草刈りや剪定、手作業で害虫駆除も定期的にし毎年、彦根市の文化遺産として次世代に伝えようと現地で収穫祭も開く。

↑写真:中日新聞より

 彦根りんご保存会の約10人のボランティアが草抜きや虫の駆除などを行っている。保存会の八木原俊長会長は「今年は暑さで昨年に比べて甘みが高い」と胸を張った。
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