写真は、宮崎県産の『きんかん』、
その名も「まるかじりきんかん」です。
砂糖漬けにしても美味しくいただけますが、
こちらは、とくに生食向けに栽培されたもの。
糖度も高く、いわゆる人気の「完熟きんかん」です。
店員さんからも、まだ4~5日は日持ちがするので、
そのままでお召し上がりください、と熱心に勧められました。
きんかん(=金柑)は、柑橘類のなかでも最小品種で、
中国から古く日本へ伝わってきた、伝統のフルーツ。
食味の存在感や栄養価は高く、それはまさしく、
鮮やかなオレンジ色のスーパーボール。
風邪の養生にもよいなどといわれますね。
軽く水洗いして、皮ごとパクッとかじれば、
想像以上のまろやかな甘みが、瞬間に弾けます。
果肉もとってもジューシーで、
種の周りの爽やかな酸味がアクセントに。
しばらく頬張って、モグモグとやりながら、
諸所に散らばる種子を上手に外へ出したら、
ついまた次の一粒に手が伸びる、クセになる味。
ちょうど今頃の時期に最盛期を迎えるので、
最近は、売場でもほぼ見かけることができます。
そういえば昔、若気のいたりで、
虫刺され薬の「キンカン」に柑橘の香りを期待してしまい、
鼻先に小瓶を当て、思い切り吸い込んだ後、
気が遠くなりかけた記憶が…。
その金冠堂が、金柑のど飴を長らく販売しているのも、
名の響きにちなんだご縁でしょうか。
リズミカルで耳にも心地よい、きんかんもまた、
いまだ冬場の常食に加えておきたい果物です。