月刊 よもやまツレヅレ・・・

管理栄養士・調理師・野菜ソムリエetc.
転勤族の主婦が食と予防栄養のプロに
転身するまでの奮闘記あれこれ…。

変事の前哨に・・・

2008年11月14日 | ♪学生生活&お食事'07

冬の到来が近くに感じられる陽気となりました。

魚介やお野菜も秋冬のものが出回りはじめ、
いまだ食べることで季節を感じられるありがたさが、
あらためて身に染みます。

調理師学校では、卒業後のことについて、
友人たちと語り合う機会が今までよりも少し増えました。

夜間生の場合は、たんに飲食店への就職だけでなく、
それぞれの趣向や方向性に応じた道が多くあります。

学校近くの居酒屋などで、会社帰りのサラリーマンに混じり、
クラスメートと喋くりあう大切なひととき。

『思い』を声に出すことで、ビジョンが明確になったり、
自分の良いところや足りないところを再認識して、
欠点や弱みの軌道修正につながることも。

同じ空間で泣き笑いを共有する仲間だからこそ、
おたがいを思いやりながら、高め合えるのでしょうね

 

それにしても昨今の懸案は、
エネルギーと食料に次いで訪れた、世界規模の金融危機

日本で前回の大不況が始まった当時、
毎日のようにニュースに登場していた不況ならではの単語の類が、
この数週間にも頻繁に踊り始めて、そのたび記憶の縁へ蘇ります。

熱心な志だけでは抗うことのできない、大きな流れに、
食業界への余波も目前まで迫っていることでしょうか。

…思えば、調理師学校へ入学してからも、
じつにさまざまなことがありました。

「ミシュラン東京」の発刊や、新健診制度の導入といった、
食生活に新たな興味を提供する話題の一方で、
食品偽装、異物混入、食料の高騰、そして不況の訪れ…。

食の世界は、つねに光と影が交錯しながら、
命の源泉が支えられていることを感じます。

たとえ時代の津波にのまれても、ひたすら着地点を目指し、
そこに携わりたいという強い思いを見失わずにい続けること。
濁流のなかでも、前進できるだけの知恵を身につけること。

おそらく暗がりにチャンスを探る半年後、を予感しつつ、
さらに視野を広げることに努めていきたいと願っています。

    

今月は、日本料理や江戸料理に因んだお店を三件ほど。

①神楽坂『今彩』(日本料理&フレンチ)

http://www.konsai.net/index.html
http://www.tokyo-calendar.tv/dining/11986.html
(東西線神楽坂駅下車)

小路を入ったあたりに佇む一軒の家屋の、ガラス扉を開ければ、
手前からダイニングの奥へと縦に広がる大テーブルが印象的。

奥側の席はキッチンに面していて、シェフとの会話も楽しめます。
さらにその向こうには個室に見立てて独立したテーブル席も。

(メニュー)
・いろいろ8種類取り合わせ
  5種のトマト、6種のキノコ、〆鯖と赤キャベツ(ベリービネガー)、等
・コンソメロワイヤル 洋風茶碗蒸し(フォアグラとトリュフ)
・真鯛と緑野菜のサラダ、海草ドレッシング
・オマール海老のニラバター焼き
・和牛の西洋ワサビ風味 地野菜の鉄板焼き(薩摩芋、南瓜、栗、冬瓜)、
  マッシュポテトソース、八丁味噌ソース
・5種のデザート盛り合わせ
・レモングラスなどのハーブティ-
(夜の今彩コース8000円也、サ別)












恵比寿のタイユバンロブションでも経験のある、
れっきとしたフランス料理のシェフ。
諸所でお店の立ち上げにも関わっていらっしゃいます。

お話しを伺えば、
様々な経緯で日本料理との組み合わせが実現したのだとか。
お客様に喜んでもらいたくて、こうなりましたとのこと。

目にも楽しく、色合い鮮やかな数々。
味わいを大切にしてとりいれた季節の野菜使いも印象的

大テーブルでは、
真向かいに他の組のお客様がいらっしゃる特徴的な構図ですが、
みんなで美味しい晩餐のひとときを共有することも、
新しい美食の楽しみ方、かも知れません。

 

②東麻布『野田岩(のだいわ)』(うなぎ)

http://www.geocities.jp/poem_feel/nodaiwa/
(大江戸線赤羽橋駅下車)

東京タワーを右手に見ながら大通りを5分ほど歩くと、
高層マンションの立ち並ぶふもとに現れる土蔵造りの家屋。

創業160年、老舗の鰻屋さんです。

路地の入り口で女将さんや中居さんが出迎えてくれて、
中へ入れば、1階のテーブル席の手前に見える、
意外にも洋館を思わせるような階段空間が縦に広がります。

季節に応じて天然鰻を用意してくれるのが、野田岩の特徴。

今の季節なら白焼きはすべて天然もの、
そしてお重は通常の養殖ものでいただきました。

(メニュー)
・天然鰻の白焼き
・鰻重 萩 (肝吸、新香、大根卸し付)
(白焼き2500円也※4名でシェア、萩の鰻重3500円也 税サ別)





吸物には下蒸しした肝を使用。
肝の甘みとほろ苦さが汁と合って、とっても美味しい。

天然の白焼きは、
川魚独特のほのかなくさみが噛むほどに旨みになり、
ほろほろの油分にも、しっかりとした歯ごたえ。

お重も肉質がしっかりと活きた焼き具合で、
噛むほどに鰻の旨みが味わえます。

大根卸しのひと皿は、思いやりの証。
濃厚な鰻を味わいながら、ほっとひと息の口直し。

なにより、
もしも食べきれなければ、お持ち帰り用に美しく包んでくれます。
野田岩の鰻は冷めても美味しくいただけるとのこと。

夏場は「丑の日」に加え、食欲増進のために、
開店時間から行列ができるとのこと。
鰻登りの商売繁盛を願って来店するお客様も多いそうです。

今回は、秋になりお昼時も予約してすんなりと入れました。

(原産)
・天然…主に、茨城県霞ヶ浦
・養殖…主に、静岡県焼津

 

③新宿御苑『御苑前せお』(そば)

http://www.gyoen-seo.com/
※前回の訪問はコチラ
(丸の内線新宿御苑駅下車)

昨年の夏に訪れた、お蕎麦が美味しい割烹へ、
秋の食材を楽しみに再びでかけました。

以前いただいた冷たい十割蕎麦も、今回は温かくして。

お店は変わらず、
板前さん方のとても丁寧でやわらかな物腰に、
優しいひとときが流れます。

(献立)
・胡桃豆腐の雲丹のせ、あん肝の山椒のせ
・玉子豆腐と白魚の椀
・お造り(鯛、まこがれい、やり烏賊、〆鯖)
・丸大根と穴子の煮物
・温かいお蕎麦
・あんみつ
(ランチコース3500円也)









先付に添えられた春菊や、椀に盛られた小蕪など、
寒い季節の訪れを告げる心配りが随所に。

なんといっても穴子の煮たのは絶品で、
ひと口のなかに甘みと旨みがたっぷりと込められていました。

お蕎麦も相変わらず美味しい

学校の同級生のご縁で、数回ほど蕎麦打ちを勉強しましたが、
十割蕎麦で極細、それでいてほど良いコシが味わえるのは素晴らしい。

そうしたことも感じられるようになれて良かった、
としみじみ思いながら、嬉しくいただきました。
コメント
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