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八尾 坂のまちアート

2007-10-08 17:26:48 | お出かけ


八尾の旧市街地は坂を上った小高いところにある。この景観を目にしたとき、イタリアの山岳都市、ペルージアへ行ったときのことを思い出した。古い町並みが丘の上にあり、新しい町はその下に広がっていた。



伝統的な町家を生かした町ぐるみのアートイベントが八尾でやっているという。
八尾といえば、越中おわら風の盆で有名。人口2万ほどの町に、20万人以上が訪れ、伝統芸能を生かした地域振興で大成功している。
今回のアートイベントも、秋のお祭りだけでなく、八尾に足を運んでもらおうという町の意欲がみえみえする。どんなもんか、興味がわいた。

感想を先に言うと、その場にいることがとても楽しかった。八尾っていい町だなあと思った。帰るのがおしかった。風の盆に行った知人が、半年ほど余韻に酔いしれたと言っていたが、なんかわかるような気がした。今の私もそんな感覚なのだ。この不思議な魅力(魔力?)は、一体何なんだろうか。

■コンパクトさと連続性
中心地、45カ所に展示がある。歩いて回れる範囲に集約されて、次々とはしごしながらみることのできる便利さ。多からず、少なからずで、飽きさせない。町並みは、よくよく見ると、いろいろな時代のものが混在しているが、不思議と統一感があるように感じてしまう。

■恐るべき町民パワーと財力
一番驚いたことは、個人のお宅や駐車場にも展示されていたこと。なかには展示のために、自宅をリフォームする方もいるとのこと。ちょっとした商業ギャラリーよりもはるかにすばらしい空間だったのには、その財力と意欲にとにかく驚いた。

また条例があるわけでもないのに、家をリフォームするときには、住民の意思で自主的に、町並み保全のために伝統的な町家スタイルにする人が増えてきているというのもすごい。

また作家の展示がない商店では、その店が所有する美術品や古い道具が展示されていたり、民家の前に秋の山野草が活けてあったり。とにかく町民の理解と協力、団結力がすばらしい。

■おもてなしの心
会場にいる作家、お店の人、場を提供している個人の方、みなさん、気さくで、フレンドリーで気軽にお話しできる。来た人にいや~な疎外感を与えず、楽しい気分にさせてくれる。

■町が作品
町家に作品を置くことは、とても素敵なのに、たくさんの展示をみたが、心に強く残る作品はなかった。建築があまりにもすばらしすぎて、どちらかと言うと、家に目がいく。作品はうまく調和したきれいなインテリアに見えた。無機的な白い壁のギャラリーや美術館の方が作品に集中できるのか?それとも、作品自体が弱いのかは、わからない。
でも、つまらないとは、全く思わなかった。むしろ、本当に楽しかったのだ。

これは町をみせるための表現なのかも。作品はその構成要素のひとつにすぎないのかもしれない。空間、作品、そして人の心をあわせて作り出す八尾タウンアート。町には有名な(何を有名と感じているかによるが)作家がいないときいたが、アートへの着眼点、企画力、運営力。人力。すごいPR力と思う。経済効果が気になるなあ。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
行ってみたい♪ (omoni)
2007-10-10 00:27:01
こういった町でのアートイベントは地方ならでは。

気楽に行けないのが本当に残念無念。
コンパクトっていうところも良い。

街の景観を大事にするって日本人が一番欠けているところ。
ずっと守っていって欲しいですねぇ~
※人形が怖い
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来て。 (notonese)
2007-10-10 18:48:51
>コンパクトっていうところも良い。
これが大切な要素だと実感。広範囲にわたって、点々とあったら、結局、各美術館やギャラリーでやるのとかわりない。連続してみるおもしろさ。質より量。

>街の景観を大事にするって日本人が一番欠けているところ。
きれいな建物壊すの大好きだよね。歴史的建造物をリフォームして活用する知恵もっとあってもいいのに。これからに期待?
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