ヨーロッパで発明された写真術が日本に伝わったのは、幕末の頃。
「前田家土佐守家にのこる幕末明治の写真」展は、新しい写真術と前田家の関係を示すおもしろい展示でした。
卯辰山に研究所を設け、藩で写真技術(化学)の研究に力を入れていたようです。
明治初頭の金沢の写真師による肖像写真が残っていることもすばらしい。
桐の箱入りのアンブロタイプの状態もとてもよかった。
よくを言えば、オリジナルから引き伸ばしたプリントのそばに、オリジナルも一緒に展示するとか、その情報をもっときちんと紹介してくれるとかしてもらえると、写真ファンとしはありがたかったかな。
あと、展示の枚数がとても少なかったけど、あれだけではないと想像。全部で何点あり、なぜ、今回のポートレートものだったか、キューレイトのコンセプトをきちんと説明してほしかった。
明治4年の断髪令が出た後に撮影したと推定される写真には、散髪に刀をさした前田直信と息子のポートレイトがあります。「直信さん、髷はおとせても、刀ははすぜなかったんですか?」お話聞けるといいのにな。