今月末でこの別荘を手離されるお向かいさんの話。
10年以上かけて庭や畑を大切に育てて来られたが
もうご高齢(…と言ってもまだ72歳!)ということで
自宅から通って来るのも体力的にきつくなったらしく
残念ながらこのたび手離されることになったようだ。
お向かいさんの庭には見事な花木がいくつもあるが
中でもこの山茶花とキンモクセイの成長は素晴らしい。
特に今を盛りにピンク色の花をたくさん咲かせている
この山茶花…。これほどまでに大きな木を見たことがない。
庭の主が居なくなるのを知っているのだろうか…、
最後の雄姿を見てくれと言わんばかりに咲き誇っている。
このモミジもそう…、手塩にかけて育ててくれた証しだ。
このお向かいさんは私たちにたくさんの置き土産を
残して下さって、この思い出の地を去って行かれる。
この立派なしいたけの成る原木も有難い置き土産…。
全部で50本ぐらいあるだろうか…、全て我が家の庭に
置いて行って下さるということで、お引越しを済ませた。
他にも、毎年春に美味しい実を成らせるイチゴの苗や
まだまだじゅうぶん使える下駄箱、冷蔵庫などの家具。
定年後の余生を自然の中で悠々自適に楽しむために
手に入れた「男の隠れ家」とも言うべきこの別荘地で
ともに過ごしてきた思い出の数々を残して行かれる。
もうこれでお別れ…と思うと、一抹の寂しさがあるが
こうした置き土産を見るたびに、人生のひと時を縁あって
ともに過ごしたお向かいさんのことを思い出すことだろう。