スリランカ津波災害への支援

津波によるスリランカへの災害に関する情報を記載し、支援の輪を広げる事が目的。

1月7日

2005-01-16 12:56:38 | Weblog
5日早朝(夜中)NGO(Green Movement)のスタッフと共に南部のサブオフィスを訪問してきた。
Kalutara, Galle, Matara, Hambantota の各サブオフィスを周る前400Km以上の移動であった。

スタッフは前日仕事を続けそのままの移動である。

道路の復旧は急ピッチに進んでおり、我々が通った道に危険箇所はもうなかった。
コロンボより45キロほど南のカルタラでは避難している人々が、
救援物資を強奪するなどの問題が起きていた。
充分に物資がいきわたっていないのと、今後の不安からくるものらしい。
そのため、警察が警備を始めたのだが、
NGOのメンバーですら建物の中(お寺がサブオフィスとして使われていた)に入れてもらえず、
スタッフが寝るのもできないと言う問題が起きていた。

南部最大の街ゴールでは、街の規模が大きいので被害の規模も大きいように見えた。
現在390体の死体がまだ身元不明として置いてある。
お寺が避難所として使われているがトイレの不足により衛生状態が悪化しているとのこと。
まだ、少しずつ家があるところに戻る家族も増えているが、調理器具がなく料理も出来ないようだ。
子どもがショック状態でどこかに隠れてしまっていると言う報告もある。
女性(男性も)の一部がショックから立ち直れると思い麻薬に手をだしている。

町の中ではまだ水の供給ラインが復旧しておらず、安全な飲み水が慢性的な不足である。

コロンボより160キロ南の街マータラも大きな街である。
雨が降っており避難している人、救援・復興作業している人にとってはきつい状況である。
ぱっと見た感じ比較的片付けは進んでいるように見えた。
まだ、情報が集まっていないのも事実のようだ。5つの学校が全壊。2つの学校が半壊。

ハンバントタでは、災害の翌日新たな命が誕生。
そのお産の手伝いをNGOのスタッフが行なったとの報告があった。
大きな希望であるが、乳幼児には特に厳しい環境となっている。
哺乳瓶・粉ミルクの不足が報じられていたが、もし、清潔な水がなければ
すべてが無駄となってしまう。ふと、犬養道子さんの『人間の大地』を思い出した。
清潔な水が必要!!
病院の不足、清潔な水の不足等お産は非常に困難を強いられている。
(また、ムスリム、タミル、シンハラという宗教の違いも様々な問題を生み出しているようだ。)
家600戸が全壊。

最も悲しい情報は、被災地でレイプ事件が報告されていること。
死体をレイプした言う情報もある・・・。完全に、おかしくなっている。
比較的被害が少なかった(といっても家は全壊など・・・まだ、家族が生き残っていると言う意味で)人で、
女の子とを持つ親はみんな避難所に子どもを置きたくないと訴えている。
ただ、家族がいなくなってしまった人、どこにも行くあてがない人なども多い。

共通して、トイレの不足、飲み水の不足があがっていた。
そのせいで、下痢が流行ってきている。特に、子ども達がひどいようだ。

復興への一歩として、家を再建する場所の選定もなかなか進んでないようだ。

時間が経つにつれて避難している人々へのストレスも非常に高まっている。
我々が瓦礫除去をしていると、「自分の家の近くに瓦礫を捨てるな!!」と怒鳴る人がいた。
「近いうちに市役所から重機がきて片付ける」といって何とか納得してもらった。

支援をしているスタッフ達の疲れも目立ってきている。
NGOでも現場のスタッフ&ボランティアの交代が必要であると現在アレンジ中である。
Green Movementはそれほど大きいNGOではなく常勤のスタッフも少ない。
中心メンバーらは、災害が起こってからほとんど寝る暇もなく働いている。
ぴりぴりした空気がオフィスに張り詰めている。
私は、「あなた達が倒れてしまったら、救援活動に影響を与えるから少しは休んだ方がいいのでは・・・?と言うと、
「今は、緊急支援をやっている段階であり、
これをやらなければさらに被害が拡大する可能性がある。寝ている場合ではないんだ」
とあっさり言われてしまった。「今後、状況が落ち着いたら少し休ませてもらうから・・・」と。

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