九電消費者株主の会ブログ

2003年から毎年脱原発の議案を株主総会に提出してきました。株主として、消費者として九州電力に働きかけていきましょう。

株主たちのレポートができました1/5

2011年09月19日 | 2011九電株主総会報告
6月28日 第87回定時株主総会の3時間47分
そこには、確かに3・11以前の世界があった―
           今も福島に向きあうことのない九電取締役会

  九電消費者株主の会・木 村  京 子


東北大震災・福島第一原発事故から4ヶ月半が経ちました。株主の皆さまのなかには、御家族や御友人などで被害を受けられた方もおられるかと思います。心よりお見舞い申し上げます。

今や、東京電力の次に注目される九州電力となりました。
株主総会直後から、立てつづけに「やらせメール」や、佐賀県知事や玄海町長も巻き込んだ「玄海2、3号機運転再開策動」、一転して「ストレステスト導入」と「玄海3、4号機のデータミス発覚」。おそらくこれまでだったら、これらのことは、国・電力会社にとっては当たり前のように行われてきたことでしょうが、社会的には、「原発の安全性」を自ら否定するような一連の事態という意味が、あらわになったということです。
「玄海1号機の原子炉容器の脆化という、急速な老朽化」も、多くの人たちの知るところとなりました。川内原発の根本的な設計・立地の誤りも同様です。玄海の使用済み核燃料の保管の問題も行き詰りました。いわば、九電の原発は、今日の原発を巡る諸問題の集約されたものと言えるでしょう。

今年の各電力会社の株主総会は、福島事故から3カ月半を経ての開催で、かつてない注目を集めました。福島の重大過酷事故が、今だに信じられない衝撃のなかで、しかし次々に露わになる原発の危険性と、放射能被害の深刻さに向き合う人たちの声が、6月中旬の各種世論調査の、「脱原発70%越え」に反映しました。また、同じころ、大手投資助言会社(JPG)が機関投資家や個人投資家に、「脱原発」を助言するなど、脱原発の意思表示が加速してきました。
九電本店真向かいには、4月20日から、「原発とめよう!九電本店前ひろば」のテントが出現し(100日を越え、現在も継続中)、情報発信・交流の場となっていました。九電説明会や申し入れ、サウンドデモ呼び掛けなどが間断なく続き、その中で、株主総会を強いアピールの場にしようという動きが高まり、当日の、福岡市中心部を2往復するトラクターデモや人間の鎖として実りました。後の、歌野敬さんの投稿に報告があります。

今年も、煩雑な「個別株主通知手続き」をしていただいた、70名の株主の方々の48500株で、株主提案権を確保することができました。その4つの議案と100項目に近い事前質問書(福島関連、事故対策、「テロ」攻撃、防災避難対策、損害賠償、廃炉、使用済み核燃料問題、情報公開、需給関連、内部監査、再生可能エネルギー、60年運転問題、送発電分離、電力自由化、発電単価、CO2問題、市民への説明会など)を持って、株主総会に臨みました。100項目の質問は、株主総会の意味(会社の最高意思決定機関)に関心も持つ人たちから、広く寄せられたものもあります。1週間前には、九電に持ち込み、誠意ある回答をするよう求める事前の申し入れも行いました。
当日、1200人を超える株主が出席。いつもは九電のOB風の人が目立つ辺りが、今年は社員風な男性が多い印象。やらせメールに連動していたのですね。
長い事業報告の後、事前質問への一括回答が、担当取締役からなされましたが、場当たり的な「緊急安全津波対策」が誇示されるくらいで、あとは、福島事故の原因究明も検証もされてないにもかかわらず、「地震の影響はなかった」(想定内の強さだったのに、重大事故につながったことを認めたくないため?)と強弁。福島事故に言及するのはこのあたりだけで、あとは九電HPに記載の内容ばかり。
オール電化はさすがに引っ込めて「省エネ快適ライフ」という造語を繰り返すのみ。株主から「オール電化で電気が使えなくなったら、プロパンか何かの代替策を講じてくれるの?」という分かりやすい質問も出ましたが、無視。
提案株主の事前質問や再質問、当日会場内からの質問が間断なく続くが、回答らしいものがないにも関わらず、真部社長(議長)は、「原発以外の質問ありませんか」と臆面もなく言い出す始末。この真摯さのない姿勢が露わなを議事進行ぶりは、歴代社長のなかでも際立っています。
会社提案の「取締役の選任」の一括審議に対しては、「個別の取締役ごとに採決をするべき、議決権数による採決の可否をすべき」との「動議」を出しましたが、否決。九州経済連会長として、「運転再開」を、自らが会長の九電に求めるという「二人羽織」を進める松尾信吾会長と社長にはどうしてもやめていただきたかったのに。
株主提案議案では、5号議案(古い原発からの廃炉、新増設をしない)に対する修正動議を行い、
玄海1号機廃炉を提案しましたが、「動議」としての扱いが無く、否決。他の議案の趣旨説明も制限されるなど、例年以上に、議案審議の態をなさない事態になりました。又、福島から避難してこられた、福島ハイロアクションの、うのさえこさんのメッセージ代読に対しては、いきなりマイクを切るという前代未聞のありさま。
 こうして、3時間47分の総会は終わりました。議案成立は、出席株主の議決権数の3分の2を越えたかどうかに依るのですが、大株主の代理や委任状等でそれらはあらかじめ九電にゆだねられているとはいえ、一切カウントしない採決方法は今年も変わりませんでした。
 先日、総会の「臨時報告書」の一部のコピーを取りました。取締役選任の内容は、松尾会長、真部社長、日名子副社長{企業の社会的責任等担当}は有意な差で低い賛成率でした。提案議案は
「反対率90%で、5%台の賛成率」(当日の賛否の議決権数は大株主以外は反映していない)と言うことらしいのですが、棄権や無効を含めた詳細を示すよう求めてきました。
「脱原発の会社になるなら株主になる」意思表示アクションが、歌野あやさんから提案され、反響がありました(後述の投稿参照)。株主総会への関心は確実に広がっています。9月には「議決権行使書」を閲覧に行きます。株主権数に収れんされない、多彩なコメントを見ることができそうです。株主運動は10数年の助走期間を経て、やっとあたらしいスタート台に立てたと言えるでしょう。これからもどうかよろしくお願い致します。

株主たちのレポートができました2/5

2011年09月19日 | 2011九電株主総会報告
******************************************************************
株主総会を、株主に取り戻すために…………
******************************************************************


九電株主総会に参加して
 福岡・糸島市 環境共育を考える会・松 原   学

 生まれて初めて株主総会と言うものに出席した。
 会場前には、大勢の方が会場を取り囲み、騒然としたものだった。
 会場となるホテルに入り、総会の会場係の方に「今日の資料は?」と聞くと、総会の案内で前もって送ったものがすべてで、特に資料は無いとのことだった。
 そして、社長ほか重役の面々が登場し株主総会が始まった。会場からの質問の場があり、私も反原発の立場から、いくつか問い合わせたいことがあり、手をあげては見るもののなかなか、指名して頂けない。しまいには質問は打ち切りとなってしまった。
 続けて、提案の採決。私の隣に座っていた福岡市東区から来たというおばあちゃんは、「私は九電には恩義がありますもんね」と言い、会社提案はすべて賛成、株主提案はすべて反対の挙手をした。そのとなりの久留米市から来たというおばあちゃんは「原発はいらんのでは」と言いつつ、会社提案はすべて賛成、株主提案はすべて棄権の態度であった。
原発の安全軽視の態度に対する、野次が飛び交う中、予定を大幅に超過して、総会は終わった。終わってみると何にも変わっていない九電の体質が見えてきた。株主総会は最大の決議機関と位置づけられながら、それが完全に骨抜きにされている現状が見えた。これではダメだと思う。これから大手株主に対するアプローチが不可欠ではないだろうか。
 大手株主に対する活動を展開させ、脱原発活動に大株主を誘導していくことが大切ではないかと思われる。
総会の翌日には総会の決定通知書が届いたのを見て唖然とした。このような滑稽としか言いようのない現実からいかにして、生きた株主総会に変えてゆくか、目標ははるかに遠い。株主総会への戦略を練り直す時が来ているのではないだろうか。(2011.07.11)




九電株主集会に参加して
 福岡地区合同労組  R子
        
 6.28にホテルニューオータニで九電株主集会が行われた。
フクシマ原発の爆発を受けて、市民らが立ち上がり人間の輪が出来た。去年とは全く騒々しい最中の株主総会への入場である。去年は私用があって参加出来なかったが、今年参加出来たのは運が良い。
戸惑いながら中に入ると、やはり資本家は金を持ってると実感。会場は豪華である。私には無縁の別世界であった。社長達の乾いたお詫びがあって株主総会が始まった。眠たくなる事業報告を聞き、株主提案が始まった。第5号から8号議案を提案しているのだが、実に良い内容なのに取締役会の意見はふざけている。質疑が行われるのだが、早々に打ちきり宣言や、声はうわずり慌ててる様である。終始落ち着かない様子であった。私は団交の席にいる職制と同じ雰囲気を感じとっていた。一番心に感じたのは必死に訴えかける提案株主達の言葉だ。悲鳴に近い訴えは目頭が熱くなったりもした。畑は違えど、思いは一緒である。労組として参加協力が出来た事は嬉しく思う。九電をかなり追い詰めているが、これからが正念場で持久戦である。応援していきたい。

株主たちのレポートができました5/5

2011年09月19日 | 2011九電株主総会報告
私見:株主総会と6・28行動
五島列島在 歌野  敬

九電テント村を最初に訪ねたのは4月27日。名前は存じ上げていたが初対面の木村・深江両氏に、消費者株主の会の一員でありながら、これまで積極的に関わってこなかった自省を込め、「株主総会を焦点化すべき、(総会の)中のことは任せるから外の行動をどうするか考えよう」と提案してから随分時を経た感覚がある。
6・28までの2ヵ月間、トラクター部隊の編成を含む行動事務局的な機能を担うことになり、闇雲に走り続けた時間密度ゆえなのだろう。
思えば水素爆発直後の夜、生まれて初めて身体の震えが止まらぬ恐怖感を味わった。原発震災の深刻度は私にとっても「想定外」だったことを正直に告白しなければならない。自前の風車を作り、当地で浮上した高レベル放射性廃棄物処分場誘致の動きを1年がかりでつぶし、長らく原子力情報資料室・反原発新聞ほか長年協力してきたことなどが一切無効になったことを自覚せざるを得なかった。この惨劇を前に、原発を止めることができるなら、死を賭しても、と横に眠る孫の顔を見つめながら誓ったものだ。
その夜から、どうすれば実効性ある脱原発が可能か考え、結論として株主総会に照準を当てるべきと決めた。デモや署名活動も重要だが、電力会社の内部から変えるのが最短の方策ではないか。株主総会は経営方針の最高意思決定の場であり、政府と議会の関係同様、経営陣にとって最大の配慮を行う場だ。いつもなら形式的総会に終わっていたとしても、今年は違う。社員の経営陣も原発に対する認識が大きく崩れていることだろうことを考えれば、脱原発の言質でも取ることできるのではないか……。
 トラクターデモを中座し、11時頃会場に入った。入り口で「原発いらない」と背に書いたTシャツを巡り、揉み合い、カメラ陣の前で裸になり裏返しにして入場。しかし、会場の雰囲気は予想外だった。経営陣30人ほどが中央に威圧的に鎮座している。何のことはない。予想された社員株主の動員で、議事は執行部通りに進む。構図そのものが株主を軽視しているという以外にない。もちろん株主の会のメンバーが提出議案を中心に、抵抗発言がなされるものの、答弁する担当役員は予定稿を読むだけ。強引な真部の議事進行と、居並ぶ役員の能面づらに「こいつらのために2ヶ月間がんばってきたのか」と暗澹たる思いに沈んだ。九電、あるいは株主総会に対する判断の甘さを思い知らされた。
 しかしながら、あの能面の裏には自信のなさ、思考停止による判断放棄の実態が浮き彫りにされたように思う。あいつらは局面が変ればすっと靡いていくに違いない。その現実は直後のやらせメール事件で明瞭になった。あの自信たっぷりの真部が、海江田の一言で煮え切らなかった辞任に追い込まれたのだ。
 いま私は(動機はともあれ)、孤軍奮闘している菅首相にエールを、海江田・岡田・枝野に抗議メールを、議員には脱原発に舵を切るよう促すメール・ファックスを、執拗に送っている。九電内部はがたがたのはず。政府と電力会社双方を攻め続けることで、かすかに見えてきた脱原発への舵きりをなんとしても実現させなければならない。





 ミクシーの日記から

プルサーマル裁判の会 楢崎 清子

今日、初めて株主総会に行った。
会場であるホテルの前には、とてもたくさんの脱原発を願う人々でいっぱいだった。人間の鎖でホテルを一周。トークリレーや繁華街に向けてのデモでみんなにアピール。
 肝心の総会は粛々と進められたが質問になると、結構騒然として、発言する人々は原発に対する危惧を訴えられる人のみ。
 しかし、壇上の経営陣はちっとも福島原発の危機から学んでいないような答えばかり。緊急動議として世界で一番危険と言われている玄海原発1号機の廃炉提案がでた。しかし、当然否決。
 1号機は36年運転されているが、脆性遷移温度が98度と高く、66年運転相当。でも中性子の余計あたる場所に置いている金属片だから、計算し直したら60年運転できるそうな。もうびっくり。
 株主提案は4つあったが一括審議で全て否決。
 それでも新聞報道によると、株主の出席者は多くて、時間もかなり延長したみたい。
 それにしても、電力会社って強いのね。個人株主の事を屁とも思っていないみたい。

以上がミクシーの日記に書いていたものです。
あれから様々なことが起こりました。今は九電・保安院・古川県知事もやらせ問題で窮地に立っているようですが、油断は禁物。
国の原子力政策が変更にならない限り、原発は生き残って行くと思いますので。
これは経済の問題ではありません。未来の人々に対する倫理の問題だととらえています。どうしようもない核のゴミを未来の人々に押しつける事、それは今原発を利用している私たちの倫理の問題なのです。

株主たちのレポートができました4/5

2011年09月19日 | 2011九電株主総会報告
九電株主総会2011年6月28日報告
広報・ブログ担当 歌野 あや

「脱原発なら株を買う」想定脱原発株主の募集についての報告

私は、このたびはじめて株主総会に関わり、九電消費者株主の会の活動は、直接電力会社の決定権を担う人々の中に入り込みながら、その意思決定に関わりながら企業としての姿勢を問う活動であると理解しました。世論と政府に訴えかけて脱原発を目指すデモなどのアクションとは働きかける対象が違います。
無論、原子力は国策ですから世論と政府への働きかけも欠かせないものです。しかし今回は3.11後はじめての電力会社の意思決定の場。この日を世論と株主・経営陣両方に働きかける特別な日としたい、この思いが皆様の中にも強くあったのではないかと思います。
会場の外では、九州でかつてない規模のアクション企画が進行中。では、中でもなにか新しいことを、と、「脱原発なら株を買う人募集!」をブログ上に思いつきで呼びかけたのが20日夕刻、26日に締め切りでしたので、実質5日間で54件の申し込みをいただきました。まとめに間に合わなかった連絡が6件あったので、合計60名の方から消費者株主の会の活動に対し新たに賛同を頂いたことになります。
寄せられた株購入の意思とメッセージは、まとめてレターをつけ、総会前日に九電に参考資料として提出したほか、木村さんのご尽力で、来場した一般株主にも配布しました。
内容に関してはブログ(総会後に名称リニューアルしました)「九電消費者株主の会ブログ」http://blog.goo.ne.jp/nonuke-kabunushi をご覧ください。
この「脱原発なら株を買う運動」には、二つの目的がありました。
ひとつは九電の株主に「脱原発のほうが九電の企業経営にとってもよいことだ」という認識を後押しする意味です。これは総会直前に経営コンサルタントが消費者株主の会提出の議案に賛成するようアドヴァイスしたこともあり、株主総会で呼びかける内容に適していると考えます。
もう一つは、一般的に、私も含めて知られていない株主総会と、それに働きかける消費者株主の会の活動を、世間の(脱原発運動に関わってきた人も含めて)理解してもらうことです。九電消費者株主の会は、ながらく活動を頑張ってこられましたが、この、活動意義を周知するという広報面に関しては非常に発信が弱かったと思います。もったいないです。
残念ながら、九電経営陣はこれを理解しませんでした。あるいは、理解はしても、原発は会社の経営や将来とも別のところにあるのでしょう。非常に問題多き企業体質であること、やらせメール問題を待たずしてもよく分かります。株主に損をさせても、ニヤニヤ笑っていられる社長でつとまる民間企業とはなんなのか、考えさせられた結果でした。
二点目の目的については、前進があったと思います。「脱原発なら」という仮定の呼びかけでしたが、中には「九電を監視したい」「実は脱原発株主だった」「購入したので会に入れて欲しい」という積極的コメントもあり、消費者株主の増加にもつながったようです。それ以外の方にも、「消費者株主の会」の案内をお送りして協力を依頼し、ブログでも引き続き情報発信しながら来年の株主総会に向けて、もう少し会の体力をつけていくことに私もご協力できると思います。

6・28 株主総会 報告
                              山中 陽子

 25年前のチェルノブイリ事故をきっかけに、原発について学び、ウラン発掘から、被曝労働者問題、そして始末できない核のゴミと、どこを切っても被曝から逃れられない原発の本質を知ってしまった者は、脱原発に向かうしかありません。そのため、ここ10年は市民共同太陽光発電所を作る手伝いをしてきました。
 チェルノブイリと同じ、レベル7の福島第一原発の震災事故が起きて、原発を抱える電力会社がこの深刻な事態をどのように受け止め、対応しようとしているのか、東電のように株が急降下する原発事故が起きないようにという、株主の真摯な意見をどう受けとめるのか。山ほどの知りたい気持ちで出席した株主総会でしたが、そこは3・11前の空気が流れる別世界でした。
 もちろん、株主からは厳しい意見が飛び交うのですが、それを受け止めるべき社長兼議長は、「適当にこの時間をやり過ごせば任務完了」とばかり、原発関連の質問が4〜5人続いたところで、「原発以外の質問を」と促す暢気さには、呆れを通り越して怒りで血圧が上がりました。
 もうひとつ我慢ならなかったのは、当会が提案した議案に関して保証されている「補足説明」を2度も無視しようとした事。挙手しているのに、「補足説明がないようでしたら次に・・・」と飛ばすのです。大声を上げてなんとか指名させましたが、こんなことは私が九電株主総会に参加して来た10年以上の中でも初めての事。これまでの社長の中で最悪と言わざるを得ません。
 この傍若無人ぶりは、しかし、お墨付きのシナリオがあったからかもしれません。翌日海江田経産相が来佐して玄海原発の対津波対策の妥当性(!)を宣言し、玄海2、3号機の再稼働にゴーサインというお約束。しかし、その後の首相のストレステスト発言で延期、九電やらせメール発覚で当の海江田大臣に社長辞任の引導を渡されることになろうとは想いもよらなかったことでしょう。
 総会は機関株主の協力で九電の意向通りに済ませることができましたが、福島の惨状をみてしまった私たちを意のままに操ることはできません。いち早く省&自然エネルギーへの道へ方向転換して安全な電気を作ってほしいものです。

株主たちのレポートができました3/5

2011年09月19日 | 2011九電株主総会報告
鹿児島から駆けつけました
 鹿児島市議会議員 小川 みさ子

いざ、株主総会へ!遅れたら大変なので朝、参加の元鹿児島大学の橋爪先生、古里さんに電話で起こして頂き、「南方新社」(出版社)の向原さん外、鹿児島勢は午前2:30に出発し集合。私は、睡眠時間2時間という串木野の江藤さんのワゴンで一路、福岡へ。

会場(ホテルニューオータニ博多の4F鶴の間)に1272人の株主出席。前列は社員株主関係なのか、しゃんしゃん(数えると約280人)。議長一任の委任状出席の株主が多数で、何を論議しても結果は見えているという空しさの一方、原発に関する質問攻めにあい、おたおたする九電。議長役の眞部利應社長は、3・11後の電力会社の人間とは思えないほどの軽い対応。(あの時、ヤラセ事件が内部告発で発覚するとは予想だにせず・・)こんな人が、私たちの将来の命の鍵を握っているのかと空恐ろしくなりました(>_<)
ちなみに、東電株は1株300円くらい。原発のない沖縄電力は3600円くらい。九電株は1株1300円くらいに値下がり。株に全く無関心な私でも、脱原発しないと株価がこんなに下がるという数字をお金持ちの人たちに示し、原発=損!と訴え、原発反対を呼びかけたくなりました。
 木村京子さん、深江守さん等の尽力で、株主総会の議案に、私たち脱原発派の議案(第5号議案:「古い原発から順次、停止廃炉。新規立地、増設はしない。」、第6号議案:「自然エネルギー発電本部の設置。」、第7号議案:「原発と地震・津波及び火山活動調査検討委員会の設置。」、第8号議案:「、危険なプルサーマル発電を中止する。」)が、盛り込まれ、事前質問81項目の提出者に、自分の名前が呼ばれたのも感動。否決されたものの、大会場で脱原発の意見が続々と轟き!風穴をあける姿に気合が入りました。
 青柳さんたちの「原発とめよう!九電本店前ひろば」座り込み行動の第70日目と重なり、会場を取り囲む「人間の鎖」や「ダイイン」、約700名の反原発派連動のアクションは心強いものでした。一緒に止めましょう。




消費者って誰?
 水俣市 永野 隆文

私が初めて株主総会に出席したのは、1980年頃だったと思います。
一流企業の株主総会と言っても、私たち反原発株主が参加することや、ましてや発言をすること自体がとても勇気のいることでした。何故なら総会屋と呼ばれる人たちや、社員、関連企業の株主たちが発言の妨害をしたり、大声で「議事進行」と唱和してシャンシャン総会をもくろんだり、時には反原発株主を暴力的に排除しようとしたり、今はやりの言葉でいえば、やらせ株主総会でした。九電は昔からこうした「やらせ」をいろんな場面でやってきているので今回のメール問題は驚くことではありませんが、タイミングが悪かった、脱原発に傾いている世論の動向読むことができなかったのでしょう。
 あれから30年、福島原発事故後の総会なので、久しぶりに出席しました。総会は、表面は穏やかに進みましたが、九電側が「消費者株主の会は厄介者」と認識していることは様々な場面で感じました。福島原発事故は、九電の体質を変えることはできませんでした。
 さて、私は質問する機会があったので、聞きました。消費者のニーズを理由に、原発を推進してきたが、福島事故以降、そのニーズはどうなったと受け止めているか。鹿児島県内の自治体が川内原発の稼働を巡って、意見書を出している、私の住んでいる水俣市の議会も近々意見書を出す事態となっている。九電の言う「消費者」とはいったい誰を指すのか、また推進の根拠は何か。今、誰が何のために、電気をどんどん使おうとしているのか。こんなことを質問したつもりでしたが、勿論納得のいく回答はいただけませんでした。

「脱原発なら株買う運動」にご賛同いただいた方へ

2011年07月03日 | 2011九電株主総会報告
みなさま本当にありがとうございました。
54通のメッセージを九電に届け、前日で間に合わなかったものを含めると、5日間で58通もの反応をいただきました。

さて「だつげんぱつなら」という前提はもろくも崩れたのですが、「消費者株主となって九電を監視したい」という方も中にはいらっしゃるかもしれないので、落ち着いたらご報告と消費者株主のご案内を(木村さんに作ってもらって)お送りしたいと思いますので、よろしくお願いします。

いまは、九州のメンバーは「玄海原発再稼働」阻止にフル回転です。
7月11日に最大の山場を迎えるべく緊急アクションを決定しました。
全国の皆様に拡散し、全国のみなさまの参加をお願いします。
これは佐賀だけの、九州だけの問題ではありません。

緊急アクションについてはこちらをご覧ください!

そして、

九電の株の動きには、今後も注意していきましょう。

大株主のランキングも入ったチャート
http://www.ullet.com/9508.html

九電の大株主にはなるべく利益にならないように生きようと、私広報担当は心に決めました。
(もともとですが)
九電の役員が、役員を兼務している企業にも要注意ですね。

玄海再稼働問題も財界の圧力は重要ポイントなのでしょうから…。
それでは皆様、全国の脱原発のさきがけとなるべく九州も頑張ってまいります。


暴力で阻止された「フクシマからの手紙」

2011年06月30日 | 2011九電株主総会報告
この、前の記事で、九電によって不当に阻止され、朗読すら認められなかった福島からの魂の手紙です。この場でご紹介します。

--

九州電力のみなさま
九州電力株主のみなさま


福島原発震災が起きて3ヶ月が経ちました。
被災者のひとりとして、みなさまにお伝えしたいことがあり、筆をとります。


今、日本が、世界が、核エネルギーとどう向き合うか、岐路に立たされています。
それは、九州において原子力発電を行ってきた九州電力においても同じです。


 被災者の一人として、みなさまにお願いしたいことが3つあります。


 第一は、福島原発震災は、どのようにして起こり、何がもたらされ、今後どのように推移するのかということについて、情報を集め、考えていただきたいということです。わからないまま、人に判断を委ねたり、従来のやり方を続けたりすることを、絶対にやめていただきたいということです。原子力発電を推進してきた国や電力会社などの情報だけではなく、長年、原発のもつ危険性について懸念し警鐘を鳴らしてきた市民や専門家の人たちの情報も含めて、是非、知り、そして考えてください。今回の原発震災は、当初想定外の大きな津波が原因とされてきましたが、その後地震動による配管等設備の破損の可能性も指摘されています。今後、福島原発事故の原因究明がなされなければなりませんが、こうした真相究明を待たずして、従来の原子力発電を再開することは、許される選択ではありません。


 2つ目は、福島原発震災による放射能汚染がもたらした現実を知っていただきたいということです。津波と地震による深刻な被害に加えて、放射能汚染が複合した原発震災によって、たくさんの生命が救助の手が差し伸べられることなく、失われていきました。原発事故収束のために今も文字通り生命を賭して大量の被ばくを強いられながら働いている方々がいます。何の準備もなく、突然に、家も財産もそれまでの暮らしも、故郷そのものを奪われた人々がいます。チェルノブイリ事故後に強制避難区域となったのと同じレベルの汚染地で、普通の生活をするように求められている人々がいます。子ども達も赤ちゃんも、避難できない大人とともに、被ばくを強いられています。
 たくさんの子ども達、大人達が、体調の異変を感じ始めています。十分な情報も支援もない中、言い知れぬ不安と絶望を感じています。
 取り返しのつかない放射能汚染が広がってしまった福島県では、収束できない原発事故と深刻な放射能汚染地域を抱え、「復興」のビジョンをたてることすらあまりにも困難です。
 九電株主のみなさま、どうぞ私たちの悲嘆と不安と絶望を知ってください。放射能汚染が人々や社会や自然環境にもたらす、破壊的な影響を、知ってください。そして、ひとたび大きな事故が起きてしまえばこうした事態を不可避的に生み出す、原発というものを、発電方法のひとつの選択肢とし続けることの意味に、人として向き合ってください。


 3つ目は、次の原発震災を食い止めるため、できる最大限のことをやっていただきたいということです。地殻活動の活動期に入った日本において、次の巨大地震は、いつの時点かで、いずれかの地域で必ず起こります。地震学の最前線の知見を無視せず、勉強してください。そして、「その日」が来る前に、原子炉を止め、燃料棒を取り出し、使用済み核燃料プールの安全確保など最大限できる対策を国や電力会社、関連企業が行うよう、求めてください。


 以上3つの問題について、また今日、たくさんの人々が投げかけるさまざまな問題の大切さを感じ、そしてそれについて十分に情報や考える時間を持っていないと感じることが一つでもありますならば、ぜひ、無知の上に危険を冒すという過ちを繰り返さないでください。切に、切に、お願いいたします。


 科学は、原爆も原発も作ることができましたが、そこから生み出される放射能を永久に管理したり、解き放たれた放射能を回収したりすることはできません。人々が、放射能被ばくにより様々な被害を受けることを完全に防ぐ手立てもしりません。
 この地震大国日本に、わずか半世紀で54基もの原発を建て、その電力を消費し、膨大な核のゴミを生み出し、そしてついに巨大原発事故を起こしてしまった現実を生きる仲間として、私たちは、今、ひとりひとりが責任と使命を担い、現実から目をそらさず、真に生命を尊重する持続可能な社会にむけて歩む決意を求められています。


 原発は、エネルギー問題である前に、いのちの問題、人間の尊厳の問題です。
 原発という存在は、本質的に、いのちに対する脅威です。
 私たちの社会は、私たちのこどもたち、そして未来の世代の人々のために、今、原発と決別しなければなりません。


 九州電力株主のみなさん、そして九州電力のみなさん、今、世界の転換点において、みなさんは大きな責任と使命を負うめぐりあわせとなりました。
 みなさまひとりひとりの、人間としての賢明さと倫理と勇気を信頼し、筆を置きます。


2011年6月28日 福島県福島市 うのさえこ

九電株主総会速報(と言っても遅くなりました)

2011年06月29日 | 2011九電株主総会報告
政府東電並みの遅い「速報」で申し訳ありません。
海江田大臣の緊急(不要不急の要件のような気がしますが)佐賀入りの抗議にそのまま移動して、本日帰って来たため、ブログの更新が遅くなりました。

株主の会の、まとめは後日届き次第掲載するとして、総会内部に入っていた消費者株主の所感をご紹介します。


--

■九電総会参加報告

海江田安全宣言を受けてか、今日の九電株主総会は原発推進まっしぐら総会でした。
国からお墨付きを頂いた原発だからという開き直りでした。
反原発株主の意見は、軽く笑い事にしたり(真面目にやってよと思いました)、

たくさんの人が手を上げているにも拘らず、「あと一人にします」と切り捨てたり、
話の途中で打ち切ったり酷い司会でした。 ・・・司会は眞部社長!です。

3.11後の東電と同じ電力会社の初の総会とは到底思えませんでした。
私は、株主として出席し「修正動議」を提案しました。(木村さんから依頼で)

「1号機の廃炉を求める動議」を出しました。
しかし、私が総会の進行のやり方をよく理解していなかったせいもあり、司会者(社長)
が、それをいいことにはぐらかされてしまいました。

木村さんから「あれはあれでよかった。来ている人に、1号機のことを広報できたこと。
こういう積み重ねでこれからも行きましょうね」と言っていただき、少しほっとしました。
心の広い方です。

 また、最後の頃に女性の方が手を上げて、「福島の方からのメールを読み上げます」
と言って、その文を読み始めました。
数分も立たないうちに司会者から「株主で無い人の意見は止めて下さい」と言うのです。

するとその方は「私が株主ですから読みます。」と言って続けられました。
司会者・・忠告します。株主でないのは認めません。
女性・・読み続ける。

司会者・・2回目の忠告します。
まだ読み続ける。・・

そして「3回目の忠告です。止めなければマイクを取り上げます。」と司会者が言うと、
あっという間にその方の周りを5、6人の男性が取り囲み、マイクを取り上げました。

酷いです。
そして女性なので、女子のガードマンも2名やって来てその方は、まさに違法者扱いでした。

何度か他の会社の総会には出た事がありますが、こんな酷い総会は初めてでした。

いくら国策と言っても、3.11以降の総会です。
原発ありき・・何の学習もしないこの国は一体国民をどうしようというのでしょうか。

国民の事など何も考えていないとしか思えません。
自分達も怖くはないのでしょうか?

福岡は、明日から福島からの・・写真展ですね。
今日、準備お疲れ様でした。

--

内部はこのように、あくまで九電の懐ですので旧態依然(それが信じ難いのは当然ですが)で、消費者株主たちの怒りもいつまでも収まらないほどでした。

でも、外の応援デモは大盛り上がりでした。
あんくるトム工房さんのブログを紹介させていただきます。

--

集会 スピーチ 人間の鎖 デモ などの
写真を 4本に分けて 掲載しました。
株主総会に向けて  http://yaplog.jp/uncle-tom-28/archive/1350
人間の鎖       http://yaplog.jp/uncle-tom-28/archive/1349 
天神デモ        http://yaplog.jp/uncle-tom-28/archive/1348
株主総会の報告    http://yaplog.jp/uncle-tom-28/archive/1347  
     どうぞ ご覧ください。

--

また、デモの様子は自遊報道協会の岩上チャンネルでUstream中継されたそうです。
また、フリーのディレクターや記録映画の監督による撮影もあり、作品ができ次第案内していただけると思いますので、また分かり次第こちらでご案内します。