Saxophonist 宮地スグル公式ブログ

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寛容である事は他人のためでもあり自分のためでもある…と思う。

2015年01月14日 03時43分45秒 | Weblog
お昼頃、注文していた「テルマエロマエ」全6巻セットが届いた。いわゆる大人買いと言うやつだ。前から欲しかったのだが、TV番組で古代ローマの素晴らしさを熱く語る著者のヤマザキマリ氏を観てると居ても立ってもおれずネットで注文した。で、半日掛けて全巻読了。いやぁ、漫画も面白かったけど、ローマ文化に関する豆知識やご本人の経験談も読み物として大変面白かった。去年、イタリアを旅して来たばかりで、記憶も鮮明なので余計楽しめた。この本を読んでローマ・ファンになられた方も多いであろう。

さて、これを読んで明確に思い出したのは、海外に行く度に、宗教について考えさせられることだ。逆に言えば、日本ではあまり考える事は無いし、むしろタブーとされている部分も有る。でも歴史上、文化に密接に関わって来た事でもあるし、その文化の一部である音楽に携わっている者として、それを無視する事に僕は日頃から不自然さを感じている。しかしながら、自分はと言えば、宗教嫌いの両親の影響で無宗教というコンセプトに完全に染まってもいる。

既に僕は色んな国を旅することが出来たのだが、自分にフィットするなぁと思った宗教が有った。インドのヒンドゥー教と古代ローマの多神教がそれだ。勿論、今から入信しようとは思わない(古代ローマに至っては完全に無理である。笑)。

古代ローマは周りの国を侵略して行ったわけだが、その国の文化や宗教に対して寛容で、それを維持する事を認めたし、ヒンドゥ教はインドで新しく仏教が生まれてもブッダをヒンドゥの神々の一人に加えちゃう適当さが有った。

これって、日本古来の神道の八百万の神信仰と似てないかい?まず、ポケモンや妖怪ウォッチ同様に神様のキャラが沢山有る。(笑) 自然の森羅万象とも関わりが有り、色んなものに神が宿ると考えたりするのは、日本人の子供なら結構普通に友達同士の会話で出て来るものだ。日本人にとって、実は多神教と言うのは、無意識の中で非常に日常的で何となく自然に土台として有る様な気がする。その上に○○教であったり、あるいは無宗教であったりする…ような。

僕が知る限り、映画とかでキリストを弾圧し死に追いやったローマ帝国は悪役そのものだったけど、実は、古代ローマは当初、キリスト教を認可しており、多神教の中の人々が崇める神の一つとして認めていた。しかし、頑なに一神教を唱えるクリスチャンに散々手を焼き、弾圧に路線を変更したのだと言う。えらい映画とは話が違うじゃないの。まぁ、キリスト教を国教とする国が映画作ってるからねぇ。そのローマもやがてキリスト教が国教になるわけだが。

まぁ、それぞれに言い分が有るのは分かる。エルサレムの話なんてセンシティブ中のセンシティブなお話。遠く離れた無宗教な日本人の僕が浅い自分の意見を言うなんてもってのほかである。

でも、最近の悲しい事件を見るにつけ、お互いを認め合う寛容な社会であって欲しいと強く願う。決して古代ローマやヒンドゥー教がベストだとは思わない。歴史に埋もれた多くの血を伴った惨事も数えきれないくらい有ったに違いない。しかし、策略であったにせよ、人が最も大切にしているモノを根こそぎ奪わなかった事は、少なくとも評価できると思う。その結果、ローマもインドも素晴らしい文化を遺せたわけだ。

まぁ、僕に出来る事と言えば、祈る事(といっても、対象となる特定の神仏も無いので、やはり八百万の神様になると思うのだが)と、まず身近な所から自分自身が他人に対して寛容になる努力をする事くらいだ。

僕にとって分かりやすい所では、他人の音楽に対して寛容であれば、それを吸収して自分のモノにして、自分の音楽が更にしっかりしたものに変えられる。かつてのローマが、そうして文化度を高めたわけで、「テルマエロマエ」では堅物のルシウスが柔軟になる事で新しいアイディアを古代ローマに持ち帰れたって事。他人に対して頑なで、自分の意見しか信じず、取捨選択して受け入れる体制が全く無ければ、自分の意見にもいずれ脆さが生じ、頑強なものを作り上げるのは不可能であろう。寛容である事は他人のためでもあり自分のためでもある。

僕は、イスラム教もキリスト教も、建築物や音楽や文化的な物は全て素晴らしいと思っている。出所は同じなのに、民族性ゆえにあまりにも異なったこの二つの宗教文化の「違い」が堪らなく好きなのだ。なので同化する必要なんてないと思う。だからこそ、認め合って共存しようとするプロセスが、一部の過激派によって妨げられるのを見るのはとても辛い。自分がこれらの文化に再び触れる時、安全であって欲しいとも思うしね。
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2 コメント

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情けは人の為ならず (ひろこ)
2015-01-18 04:52:03
スグルさま
あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
最近私もよく思うのですが、他者を「受け入れる」ということは他でもない自分自身のためでもあるのですよね。
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Re:情けは人の為ならず (noizz382)
2015-01-19 00:30:42
この意味を取り違えてる日本人は多いですね。本来の意味をよくご存知で。有難うございます。
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