hyakunenseis◇ry ∞

リリカルに、コミカルに、フツーに、日常いろ色。

押し花が魅いる

2020-12-18 13:35:00 | art
[ 押し花アート展示中・販売もしています ]

そんなような文言だったろうか。
町を散策中みつけた貼り紙に
興味をそそられ入ったら...

魅了されたの。

それまでは、
ふれあう機会のなかった押し花の世界。
いまだ心に残る押し花のアート...その記憶. ..+ °
*-*-*-*-*
一見して、
押し花作品を展示していようとは
想像だに浮かばない...とあるお店の奥...

ここ何だろね

それだけで
通りすぎてしまいそうな、
店内の端くれに古びた急階段はあった。

段 一 段、息 を 呑 み、上 が る。

床板が抜けそう...
あちこち傷みが激しくて、
自分の体重が気掛かりになるくらい。

(( ... .. . ふうぅ。))

階段を上がるために神経を使うとはね、
ちょっとした冒険をクリアした気分。
上りきった先には扉がなくて...

無造作なほど開けっぴろげ。

そこに、
押し花作家さんの
アトリエはありました。

迎えいれてくれたのも、ご本人ひとり。

展示も兼ねている
アトリエスペースだけに土足厳禁、
靴からスリッパへ履きかえて入ったのです。

壁や棚には作品群が展示され、
作業台には植物の切り屑わんさか。
洒落っけの混じらない本気の制作空間だ。

「ご自由に見ていてくださいね。」

作家さんは
一言そう挨拶すると、
すぐ作業台に向かって制作を続ける。

(( ...では心ゆくまで。))

展示スペースにあらん限りの
押し花アートを丹念に
観て回る...

(( ・・・野菜も!))

驚いた。
まったく予想外の素材。
野菜も、そっか、植物、だもんね。

目から鱗 パ ラッパラ剥げ...おち..る.。

観つづけていた。
いついつまでもいつまでも、
時を知らず忘れるほど惹きこまれて...

...... .. . 。

押し花が納められた額の内側、
その四角いフィールドが全世界よ。

その全世界に
展開する花びらは、葉は、菜は、
再びと命を吹きこまれ輪廻している。
アートとしての新たな活路に導かれて。

こうまで
美事な押し花に、
今の今まで接したことないわ。

魅いられていた

あまり長居したせいか、
実は私のほうも作家さんに
珍しがられ観察されていたなんて...

このとき全く気付けていなかった。

(  ・ヮ・)
「押し花、お好きですか?」
・話しかけられるまで。
Σ  °  o  ° *)!
・「えっ?」
・姿勢も視線もまっすぐと向かってくる。
(^-^ )
・「あなたのように熱心に観てくれる人、
・   少なくてね。うれしいです。
・   だいたいは流して帰るんですよ。」

( *・_・)
・「ぃぇその、こんな手の込んだ
・   押し花みるの初めてで。
・   ...長々とすみません。」
(^▽^ )
「いいんですよ。」

それから、
作家さんは押し花の
制作工程を掻い摘んで話してくれた。 
丁寧に、
時間をかけて
水分をとばし乾かしたこと。
だから、
色褪せることも少なくて
十年は長持ちする作品なんだ、と...

そう言って朗らかに頬笑む。

(( .........丹精、か。))

( .u_u. )

淡い興味から
ふらりと訪ねたアトリエは、
丹精こめて創りだされし押し花の...

新たな息吹が咲き揃うガーデンなのでした。



*-*-*-*-*
〜 LL p.p.s 〜
(2016年 / 十月星日)
関東地方いずこの町にて。
写真は許可を得て撮らせていただきました。
当◇ry「あぢさゐ色の聲」に載せたイメージ絵の原画が、この押し花切り絵です。
(「綺麗な月夜のお晩です」にも )

まごころ天女像

2020-12-04 20:05:00 | art
脳裏に
瞼の裏に
焼きつけて忘れない...ARTの記憶。

もう一度
観にいきたいものです。
畏いけど惹かれる美しさ...神がかり的。

日本橋へ来た

この日のメアテは、

完成までに十年の歳月を架けたという...


超大作「 天女(=まごころ) 


木彫りの匠...

佐藤玄々の手による作よ、

これは是非にも観ておきたかった。


*-*-*-*-*


おぉ...もぅ... .. .


圧巻...圧倒... "  " ... 圧の力だ。

気圧されるほどの凄みすら

放つよ。


ドキドキ動悸する、

心臓が早く拍ちすぎて

胸ぐるしいくらい...あたし.. .



興奮してる。



すぅうふうぅー・・・深   

落ちつけ 落ちつこ、

観よう。




その基は鉄骨造り、

樹齢は五百歳にもなる檜の

木彫り像だという...木...木彫り!


海の

底の底より乙姫様の

御浮上のようでいて.....天女。


背に

たち昇るは青い炎か

渦巻く怒涛のようでいて.....瑞雲。


その真は、

めでたき

兆しを纏いながら、

飛翔する鳥を幾羽も伴いつつ...

大輪の花芯に舞い降りた刹那の御姿。




動いてでもいらしゃるようでしょう。

静止している "  " なのにね。

命が吹きこんであるからか...



なんとも凄まじきは天女



女神カーリーに

引けを取らぬ恐ろしさをも、

内々に兼ね具えておられるのでは 。。。



絢爛たる魔界を覗いたようよ



だのに近くで観ると、

ほほ笑みを湛えた忿怒相の

明王とも重なってきて...眩暈がしたわ。



天・神・仏・魔



すべて

込められし集大成なの?

完成に十年かけたのは伊達じゃない。




観る者を

震えあがらせるほど

驚きや感動をもたらすのは...


作者さんの執念的祈りとも、

集中力に宿った途切れぬ

熱情ともが...


入魂されているからにちがいなくて。


細部にまで凝らされた、

おぞましいまでの

装飾も...


極めついて絶佳なる。




どこまでも

上昇していく気流の動きが

想像される雲ね...穏やかならざる...


このような瑞雲を表した作品も稀なのでは。


この日 、人生で初めて 、しかと観た。

ドスの効いた彫刻芸術を...

景、壮観。


*-*-*-*-*

 LL  p.p.s 

( 2017 / 夢月星日の◇ryより )


この天女様は、

三越日本橋本店の

中央ホールにおわします。


...美術館じゃなくて百貨店なのょ。


天女と書いて " まごころ "  読ませる...

それは三越の基本理念が

真心だからだそう。


今なお

異彩を放ちながら、

眼下に集まる人々をその真心で...


包みこんでくれているのでしょう。




凄い尽くしのあとでは

昂った胸が撫でおろされて、

ほっとするお人形さんなのでした。


*-*-*-*-*


ガラス彫りの綾

2020-11-30 19:08:00 | art
きらきらし...綾ね、
切子が彫りは菊紋様。
鏡がえしに映ゆる細工の綾なす影が...


幻の糸花網なのだわ


さても
極楽蜘蛛の編みこめし、
金糸や紅糸ぢゃ御座ゐませぬか。


                           キメ
彫りこまれた線の緻こまやかなこと


ちぃさな bijouを 散りばめたげな
虹色の輝きつぶても、
きらきらし...珠ね。





*-*-*-*-*

銀河の器

2020-11-16 21:40:00 | art

もう1つある

◇ry blog から、

ガラス工芸を観たときの

感動をこちらにも再掲します. . .。+ °


*-*-*-*-*


これは、

キリコガラス...

銀河や天体の輝きが彫りこまれた器。



銀河と聞いて、

あなたなら どんな 宇宙に

思いが馳せってゆきますか。

わたしは、

銀河鉄道の夜や

七夕伝説かな. . .めくるめく巡る。

° ・∵・.


太陽も地球も

この天の川に浮かぶ

小石のやうなもの


.・∴・°




...なら。



さしずめ、

わたし達は宇宙を流れる

天の川水に棲みし. . .みんな人魚。



二股に

分かれた鰭が足に化けた、

人魚なのかもです. . . ?・





*-*-*-*-*

 LL p.p.s 

( 2016 / 5月星日の◇ryより )


この頃はよく切子ガラスを観るために、

電車を乗り継ぎ工芸館へ足しげく

通いつめたものです。°


ショーケース越しの切子ガラス


観ている間ばかりは、

俗世から遊離して五体ごと眼になれる。

我をも忘れ去れる自由な時間. . .それは、


我思う故に我あり " とは真反対で。


この銀河の器のどこかにも

砂の一粒のような地球は、

あるかしら。


*-*-*-*-*