うふっ、嬉しいことがあったので、
ちょっぴり気をよくしているノエルです。
さて、エンカレッジの先生の新しいメルマガ、
すでにお読みの方もいらっしゃると思いますが、
前回の
「先読み行動をしない」に続き、
ここで、紹介させていただきます。
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さよなら不登校
第10号(2008年9月1日)
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「命令について」
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家族療法では、命令は一般的にはよくない親の言動として捉えられています。子
どもは叱ってはいけないというのもよく言われています。しかし、私は叱ること
は必要であると考えています。子どもは、ルールや常識というものをまだ全て知
りません。やってはいけないこともやってしまいます。いけないと知らないこと
をやってしまい、叱られることで社会の常識やルールを徐々に身につけていくの
だと思います。ですから、叱ることがよくないのではなく、中途半端に叱ること
や、叱らないこと、親の勝手な都合で叱ることがよくないのです。最近は、やさ
しいお父さんが多く、子どもを叱れないといった相談や、叱れると思っていたが
やってみてくださいと言われてやってみると子どもが全然いうことを聞かなかっ
たというケースが多いです。子どもが父親のいうことを聞かないというのは家庭
にとっては大きなマイナスです。ここでしっかり叱り方(命令の仕方)について
しっかり理解してください。
この回では、叱ると命令を聞かせるというのがたくさんでてきます。文脈によっ
て使いやすい方を使っていますので、命令=叱ると考えて読んでください。
まず命令でもっとも重要なことは、命令したら子どもが命令を聞くまで徹底する
ということです。親が命令してそれを子どもが聞かないという状態が一度でも起
こりますと子どもは(逃げきれる)と思ってしまいます。逃げきれることを覚え
てしまうと子どもはそちらにエネルギーを使うようになり、命令がどんどんきか
なくなります。最初は小さな妥協かもしれません。「やめなさい」「もーしょう
がないな~」のようなやり取りが何度か続き今度は、デパートで「買って買って」
が始まります。親は「買わない、帰るぞ」と命令しますが、この頃には子どもは
逃げきれることを学習していますから、命令は聞きません。また親が妥協します。
そして最後は、親「うそをつくな、謝りなさい」子「・・・」親「もういい、知
らん」と結局、親のいうことを聞かない子になってしまいます。これは、子ども
だけに責任があるのではなく、子どもに聞かなくていい、謝らなくていいと学習
させてしまった親の責任でもあるのです。ですから、命令は徹底しなければいけ
ません。ただ、細かいことで、命令ばかりをしていると窮屈になってしまいます。
また、親の勝手な都合で命令しても子どもは納得しませんので注意が必要です。
例えば、春に長ズボンをはいている子どもに暑いから半ズボンをはきなさいと命
令しても子どもは納得しません。それは問題所有の原則で考えれば、子どもの問
題であり、親の価値観の押しつけでもあります。ですから、命令は子どもがこれ
は言われても仕方がないと素直に納得できる内容が望ましいです。わかりやすい
ところでいえば、親に暴言を吐く、嘘をつく、相手を傷つけるなど。このような
命令が聞かせられないということであれば、家庭としては赤信号です。改善には
かなりの根気が必要になります。次に書かれている命令の仕方を参考にがんばっ
てみてください。
命令の仕方。
命令をするときは、なるべく単純な言葉で繰り返すことが有効です。いろいろ理
由をつけて納得させようとすると本来伝えたいことから話がそれたり、その理由
に対して付け込まれたりします。また、命令するときに共感的理解を入れるとそ
のやさしさが仇になります。ですから、「やめなさい」「やめなさい」「やめな
さいといったらやめなさい」と聞くまで徹底します。感情的にならずに伝えるこ
とも大切です。今回も様々な例で見ていきます。
よい例
父「お母さんにその言い方はなんだ、あやまりなさい」
子「だって、お姉ちゃんだっていつも言ってるし」
父「お姉ちゃんは、今関係ない、謝りなさい」
子「なんでぼくばかり~」
父「どんな理由があろうとお母さんにその言い方はするな、あやまりなさい」
子「だって・・」
父「おかあさんに、あやまりなさい」
父「あやまりなさい」
子「ごめんなさい」
父「お母さんにそんなこと言ったらダメなのはわかるな」
子「うん」
父「わかればいい。次からは気をつけろよ」
子「はい」
父「わかればいい、ご飯にしよう。今日はお前の好きなからあげだぞ」
共感的理解をして失敗するパターン
父「お母さんにその言い方はなんだ、あやまりなさい」
子「だって、お姉ちゃんだっていつも言ってるし」
父「おねえちゃんも言ってるのか?」
子「そうだよ、この間も言ってたもん」
姉「あんた、何言ってんのよ、あんたなんて昨日もその前も言ってたじゃん」
兄弟げんかに発展しよくわからなくなる
何とか理解させようといろいろな説明をしてしつこくなり本来の命令の意味が
わからなくなるパターン
父「お母さんにその言い方はなんだ、あやまりなさい」
子「なんで」
父「なんでってそれは、お母さんは年上でだな~お母さんはおまえたちのご
飯を作ったりしてくれているわけだし~○○○」
子「よくわかんない」
父「よくわかんないっておまえな~そういう問題じゃなくてだな~。」
子「・・・知らない」
父「知らないって、おい」
感情的になって子どもが素直に受け入れられなくなるパターン(母に多い)
母「お母さんにその言い方はやめなさいっていってるでしょ、何べん同じこ
とを言わせるのよ」
子「・・・」
母「ほら、すぐに謝らない。いつからそんな子になったのかしら、小さい頃
は素直だったのに」
子「うっさいんじゃババア」
母「ほら、また言ってる」
また、母親の場合は、下の例のような子どものわがままを止められないこと
も多いのではないでしょうか。命令ではなく制限ですが、止めるという点で
は同じなのでこちらも参考にしてください。
例 子「お母さん、Wii 買って」
母「いくら?」 この時点で受け入れる姿勢を見せているので子どもはい
けると思います。 「買わない」といいます。
子「2万5千円」
母「高いから無理ね」 この答え方だと安ければいいのかと勘違いします。
子(じゃー遊戯王カード買って。150円)
母(・・・) このように答えに困ってしまいます。ですから余計
な言い訳はせず素直に「買わない」を徹底します。
子「お年玉あるよ」
母「お年玉は一万円までの約束よ」
子「お年玉、使いたい」
母「お年玉はたくさん使ってほしくない」 使ってほしくないでは、使えない
わけではないと言っているような
ものです。「お年玉は使わないし
買わない」と徹底しなければいけ
ません。
これではしっかりと子ども要求を抑えることはできません。隙があると子ども
はいろいろな手を使って要求をのませようとします。余計なことは言わず、単
純にはっきりと伝え、それを徹底することが大切です。
今回は、命令について書きましたが、最後に命令の意外なメリットについてお話
ししたいと思います。1つは我慢をするということです。命令を聞かせるという
ことは、ある意味で子どもの気持ちを抑えつけることになります。全て抑えつけ
ればいいという訳ではありませんが、嫌なことでも受け入れなければならないの
で、我慢すること(忍耐力)がつきます。また命令を聞かせるということが緊張
をする経験にもつながる場合もあります。わがままな行動や人に迷惑をかけるこ
となどの行動を起こしたときに、しっかり叱ってあげることで子どもは父親が叱
ると恐いという緊張感をもちます。そのことが他の緊張する場面への免疫になり
緊張に対して慣れるという効果が生まれるのです。最近の子どもたちは、忍耐力
ない子や緊張する場面になるとすぐに逃げてしまう子が多いように思います。も
しかしたら、叱られる経験が少なくそのような免疫がないからなのかもしれませ
ん。
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我が家を含め、子どもをちゃんと叱ることのできない親が、
増えているのでしょうね。
うちは、本当に子どもにあま~い家庭で(両親、祖父母も含め)
娘は、常にお姫様状態。
忍耐力なんて、つくわけがないですね。
支援の中で、子どもに厳しさを教えることも大事だと学びましたが、
いまだに、というか、正しい命令の仕方を教わったものの、
なかなかうまくいかない気がして、考えてしまうことのほうが多いです。
以前は、その場の感情で、怒ってしまっていたんですけどね。
子どもへの対応で、「命令」「叱る」ということが、
いちばん難しいと感じています。
もう1度、改めて、頭に入れなおし、
ここぞという時には、しっかり引き締めていきたいと思います。