遠い昔、まだ、沖縄そば屋の専門店がそれほど多くなく、沖縄そばは定食屋で食べることが多かった時代がありました。そのころ、nobutaはコザ支店で仕事をしていたのですが、「識名霊園近くにすごく美味しい沖縄そば屋ができて人気がある」と風の便りが届き（当時はネットも初期でワープロ末期、PHSが普及し始めた頃で、沖縄情報の地方雑誌もなかった時代）、識名交番前のすーじ道を入ったところにある「てんtoてん」の存在を知りました。まだ、那覇空港に繋がる高速道路は建設中で那覇インターが南部の起点、もちろん、識名トンネルもないので、インターを降りて沖縄支社のある那覇中心部へは識名霊園を通るのが基本だった頃です。通り道にあるので一度だけ訪問したことがあったのですが、観光客がお店の周りに溜まり、唯一ある舗装されていない駐車場は常に満杯というほどの人気だったのを覚えています。
こちらの麺は「木灰そば」という当時にすれば非常に変わり種だったのでインパクトがあったのですが、当時の沖縄ナンバー１の木灰そばは、今はありませんが糸満市北波平のJAおきなわ糸満支店兼城集荷場近くにあった沖縄そば屋さんで、そちらの方が観光客も少なく県民向けで駐車場も余裕があったので、お洒落で観光客ばかり目立つ超絶人気の「てんtoてん」はたった一度だけの訪問で終わったのでした（その沖縄そば屋がなくなった後は那覇市金城に木灰の「とらや」ができたしね）。
そして現在となり、2月半ばの平日のこと。この日は午前中免許証更新で年休を取ったので、妻に会社まで送って貰いながら識名園近くの「いまいパン」に立ち寄った後、懐かしの「てんtoてん」に立ち寄ってみることにしたのです。
午前11時30分過ぎ・・昔と変わらない未舗装の駐車場に車を停めてお店に行きます。
相変わらず外観が素敵（蔦に覆われている）なお店の店内へ。
駐車場に車を停めた際に、他の車両がなかったので驚いたのですが、店内に入るとお客さんがいません。
昔は、通り沿いからも外にあふれるお客さんが見えていたお店なのにがらーんとしています。
1階の広間は窓、壁側に席を並べておりコロナ対策なのかな～と思いながら中地下のテーブル席のある部屋に下りました。
テーブル席も、薬味や箸置きなどが置かれていない状態で、お店の準備がまだなのか、これもコロナ対策なのか？？？ちょっと不思議に感じながら席に座りました。
メニューはカウンターに置いてありましたので、それで確認です。
木灰そば 700円
古代米ごはん 200円
コーヒー 400円
とシンプルな内容です。
昔訪問した時は、セットが存在していて、そばとおにぎりと珈琲で1,000円くらいだったような記憶があります。なぜ、そんな記憶なのかというと、今では沖縄そば専門店として有名な「いしぐふ～」が名護市安部でラーメンと餃子とデザートと珈琲のセットを1,000円ぐらいで提供し始めた頃と重なっていて、お洒落で美味しくて安いセットだな～と感心した思い出があるからです（笑）
さて、この日は、妻と一緒に「木灰そば」を注文。
出てきたのが最初の写真になります。
こちらの沖縄そばは麺に特徴があるのは当たり前ですけど「平打ち麺」であること、そして、恐ろしいくらいにあっさりとした鰹出汁。お肉は昔は2枚乗っていたはずですが、それが1枚になって、サイズが大きくなったような気がします。厚みもあって美味しいお肉ですよ。
ただ、nobutaには全く合いません。昔と比較するというのではなく、nobutaの味覚がだいぶん変わったという点と、木灰そばが珍しくなくなった点や、沖縄そば専門店が爆発的に多くなり、それぞれ特徴があって美味しいお店が筍のように増えたためだと思います。
妻は、この超絶あっさり鰹出汁を気に入ったようで、美味しそうに味わって食べていました。なんと、珍しく出汁をすべて飲み干してましたから、相当、妻にはマッチしたんだと思います。
結局、nobutaたちが帰るまで、入店したのは内地の大学生っぽい青年ら（卒業旅行の様子だった）だけでした。
平日だからなのか、コロナ禍だからなのか、それとも時代が移り変わって人気に陰りがあるのか分かりませんが、シーンとした店内は、広さばかりが目立ち、肌寒さだけを感じました。
ご馳走様でした。
那覇市識名4-5-2
