午前6時に起床する
寒い! 今日も台所は恐ろしいほどに冷えきっている
こういう時は大鍋にたっぷり湯を沸かして部屋を湯気を満たし温めるのがイチ番だ
いただいた厚木名物のとん漬けの味噌を拭い取りフライパンにアルミホイルを敷いて焼く
スパゲティーを茹でてトマトケチャップとバターで絡めて皿に装い繊切りキャベツを置き
さらにその上に焼いたとん漬けを乗せていただいた柚子の皮を薄く削いだのを飾る
濃厚な赤味噌の味と香りが染み込んだ豚ロース肉の脂身がとてつもなく美味い
茶色く焼けた脂身を齧るとナッツのような香りがしてその後に脂の甘さが舌にまとわりつく
この豚は銘柄豚の高座豚と呼ばれていて高濃度の穀物飼料で育てられているようで
その飼料の穀物の胚芽の香りが筋肉よりも脂肪に染み込んでこういう香りになるのだろう
そういえばイベリコ豚というのはドングリばかりを喰わされて香り高い肉となるとも聞く
それならば蕎麦ばかり喰ってきた私の脂身は蕎麦のような香りがするのだろうか?
蕎麦の香りというのは主に清涼感のある揮発性の香りが主体となっていると思う
異論はあるだろうがこれは私見なので見過ごしていただきたい
蕎麦の実の鬼皮を割って白い中身を嗅ぐとスカッとした青い香りがする
噛み締めるとほんのり甘くて僅かに渋味が感じられる
これをひと粒ひと粒集めて脱穀し喰えるように工夫した先人にはただただ頭が下がるばかりだ
というよりも「何でも喰わねば生きていけない」というのが本当のことで
よく「海鼠を最初に喰った人は・・・」とか「河豚を・・・」と言う人もいるけれど
昔の食料事情はそんな余裕など微塵も無いほど厳しかったのだ
とりあえず口に入れて苦ければ吐き出し甘ければ飲み込んでいたら
腹を壊したり痙攣したり盲しいたり身体不自由になってやがて死んでいたのだ
そういう経験が口伝えに広がり知識が積み重なって我々の「知恵」となったのだ
それでも未だに「縦に裂けるキノコは毒じゃない」とか「茄子と煮ると毒が消える」などという
間違った情報のままのものも多くあることを思うと
今も「我々は世界を知る途上にある」と言わざるを得ない
我々はまだ真理に到達してはいないのだ
だから周囲を良く観察して慎重に生きねばならない
知ったかぶりはきっと壁に突き当たる
せっかちは滅びの道なのだ
早く結論を得たい知りたいと願うのは理性が欠落しているのだと自覚するべきだ
つまり・・・大相撲の問題も隣国のこともそういうことだ
しばし待て
教室用に膠を炊く
今年の仕事もあと少しで終わる
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