この旅は明日で終わりだがモリアオガエルの森を訪れるのは今日でおしまい
残念で仕方が無いが仕事に支障が出てはいけないので明日は早めに帰宅する予定
ともかく朝飯を喰い素早く身支度を済ませ雲のかかる山に向かってひたすら愛車を駆る
風が強い 雲がちぎれて流れていく
ときおり小雨が降る山道を進む
モリアオガエルはいるかな?
いた! 苔むした枝に伏せて身を隠している いや 隠しているつもり?
こっちの水面にはモリアオガエルのカップルが浮かんでいる
ブクブクと沈んだりプカリと浮いたりしているがちっとも進まない
痩せっぽちのオスがメスををがっちり掴んで離さないのだ
だから木に登りたいのになかなか前に泳ぎ進むことも出来ないでいる
わぁっ!こっちの木では大きなメスが痩せたオスを背負ってよじ登っていくぞ!
ビッグママだ! 頼もしいなぁ~
よじ登って枝先に白い泡の卵塊を作り始めた 動画で撮る
時々ボチャン!とオスが水面に落ちてくる
無事なら良いが怪我でもしたなら・・・ 無数にいるイモリが黙ってはいない
あっという間に集まってカエルの足先を齧り取ろうとする
柔らかい吸盤をイモリに齧られるオスの様子を動画で撮る
残酷だがこれが自然の世界なのだ
強風に揺れるカエルと卵にさよならを言って沼を去る
山を降り海を見下ろす草原に向かう
強い風を受けた風力発電のプロペラがうなりを揚げて回っている
風から逃れたホオジロが柏の木陰にとまった
ピピイピピィと鳴く声も強い風にかき消されている
そのうちホオジロは柏の陰から飛び出して枯れ枝のてっぺんにとまり・・・
天に向かってけたたましくさえずり始めた 動画で撮る
草原の谷間はささやかな湿原になっている
見たことも無い黄色い蘭の花があちらこちらに咲いている
カワトンボは風裏で翅を休めている
草むらの奥ではベニシジミがトラノオの花穂で眠りに就こうとしている
ああ・・・もう午後4時を過ぎていた
宿に帰ろう