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1月17日 松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM)
決意を持ち続ける
指導者にとって大事なことの一つは、志を持つということである。何らかの志、決意というものがあってはじめて、事は成るのである。だから志を立て決意をするということが必要なわけだが、それは一度志を立て、決心すればそれでいいというものではない。むしろ大事なのは、そうした志なり決意を持ち続けることであろう。そのためには、やはり、たえずみずからを刺激し、思いを新たにするようにしなくてはならない。
一度志を立て、決意することによって、非常に偉大なことを成し遂げられるのも人間であるが、その志、決心をなかなか貫き通せない弱さをあわせて持つのも、これまた人間である。
【コラム】筆洗
2014年1月16日 東京新聞TOKYOWeb
▼ダイナマイトを発明して巨万の富を築いたアルフレド・ノーベルは晩年も、新兵器の開発にいそしんだ。彼は、その発明が悲劇を生もうとも科学者には責任はないと考えていたが、科学の進歩と平和に貢献した人たちに賞を贈るべしと遺言した
▼先月、九十四歳で死去したロシアのミハイル・カラシニコフ氏も語っていたという。「私はもうすぐ世を去るが、遺産は人類に貢献する未来の優秀な発明家のために使ってくれ」などと言えたらどんなに幸せだろう、と(『カラシニコフ自伝』)
▼その名を冠した自動小銃は高性能なのに安価で頑丈な銃として世界を席巻し、「人類史上、最も多くの人を殺した武器」とも呼ばれる。今日もシリアなどでは、その銃弾で散っていく命があるだろう
▼カラシニコフ氏は、自分の発明品が悲劇を生み続けることについて繰り返し言っていた。「責められるべきは、平和的に問題を解決できない政治家。私はぐっすり眠れる」
▼しかし安眠はできなかったようだ。ロシア紙によると、彼は昨年の四月、教会にざんげの手紙を書いていた。「私の魂の痛みは耐え難い。私の銃が人々の命を奪ったことは、それがたとえ敵の死であっても、私の罪なのか」
▼彼に銃の特許料は支払われず、賞を創設するような巨万の遺産もない。だが、その最期の告白は、平和のための遺言として記憶されるはずだ。
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