野球応援

阪神タイガースを中心に野球の記録と記憶を徒然なるままに書きつづってみます。

江夏-田淵 黄金バッテリー巨人撃破

2011年08月23日 | タイガースの今昔
1969年5月10日(土)

5万観衆わかす"黄金バッテリー"

「田淵4号2ラン 江夏完封」
  
  阪神宿敵巨人を連破
  

「やった!!田淵 価値ある一発」
 狙っていた"外角" 感激のファンが土下座


 大きなストライドでゆっくりダイヤモンドを回る田淵の姿を目に映しながら、"わっ"とわけのわからぬ声をはりあげ、両手を差し上げながらファンは田淵の"とりこ"になっていく自分を感じていたに違いない。
 熱狂したファンが一人グランドに飛び出し土下座して田淵を迎えた。
 このユーモラスな光景に田淵を熱愛するファンのハダカの姿があった。
 「僕は巨人戦で打つことだけを考えてやってきた。そりゃぁいろいろ苦しいつらいこともあった。だが今日のホームランでそれがすべてむくわれました」



「江夏、38イニング無失点」
 底知れぬ"力"秘む
 奪三振10 巨人を連続完封


「カーブとストレートだけで押した」江夏が言うように単調な球種だった。それでいて江夏は10三振を奪い連続完封。
「キャッチャーがよかったからだ。ブチやんがうまいことリードしてくれた」若い二人のぴったりあった呼吸が好配球となって巨人を苦しめた。
「オーバーに言えないけど肩が痛い。タブソールをたっぷり塗った。いまでもすごく熱がある」いかにも痛そう。
それにしても巨人の連続完封を入れて。3試合連続完封。自己最高の38イニング無失点と、やはり江夏は底知れぬ力を秘めた男であり、阪神ファンの希望をかなえてくれる投手でもある。

 阪神 4 - 0 巨人 2回戦=阪神2勝
   巨人 000 000 000 = 0
   阪神 000 004 00x = 4

  勝 江夏3勝1敗
  負 堀内3勝2敗
  本塁打 田淵4号2ラン(6回堀内)
  甲子園球場



田淵、入団一年目の甲子園で迎える巨人戦


南海監督だった鶴岡一人さんの記事より
えろう入ったもんや。巨人戦では甲子園が一杯になると聞いていたが、まさかこれだけギッシリ詰まるとは思わなかった。
昭和30年から3,4年は「南海vs西鉄」の試合はいつも超満員やった。そのころは甲子園で巨人戦をやっていると聞いてもぜんぜん怖くなかった。どんなもんだい。って感じだった
しかし、それにしても恐ろしい人気や。それでなくてもキップがいつも売り切れてしまうというのに、今年はここに田淵が一枚加わりよった。ピッチャーも江夏とくりゃ、そりゃ人気は当然。


オーデオメーターで"巨人-阪神の激突"をはかる

トンネルを抜けるとそこは雪国だった。 とは川端康成の"雪国"の一説だが、通路を抜けるとそこはもう人、人、人の波だった。
甲子園球場のマンモススタンドを埋めた観衆がざっと5万人。試合開始前からムンムンするような熱気に包まれている。
公平を期してオーデオメーターを中央スタンドの最前列にすえる。

スタメン発表。「一番レフト高田」80ホーン。路面電車の車内と同じぐらい(路面電車を知っていて乗ったことある人いるかな?)
王の登場で84ホーン、長島の登場で86ホーン
どっときたのが先発堀内。巨人側スタンドから拍手と歓声、阪神側スタンドからため息の87ホーン
(当時はまだ三塁側は巨人ファンが多かった)
阪神のメンバー発表
藤田平84ホーン、カークランド83ホーン、田淵90ホーン

やっかみの歓声は2回
87ホーンの歓声で打席に入った田淵のショートゴロ併殺打で巨人側から92ホーン

6回のON対決
王、再度三振で90ホーン
長島、レフト前ヒットで92ホーン

6回裏の田淵の2ランホームラン107ホーン
藤田のタイムリー105ホーン
一塁側スタンドは、阿波踊りと安来節を一緒に演じているようなお祭り騒ぎ

8回ONが見せ場
王のヒット94ホーン、長島の2塁打93ホーン
吉田の超ファインプレーで97ホーン

最終回
最後の打者土井の三振で97ホーン

オーデオメーターも阪神用にすえつけたようなものだった