首都圏から故郷に戻ってきて、子どもの頃にはなかった風景を見て少し驚いた。
船なのだ。
田園地帯に5、6人(もっとかも)は乗れそうな釣り船が置いてある。
いま知っているだけで、半径1キロに3艘(そう)もある。
船は、おもに土日に利用されている。
車で牽引するか、クレーン付き中型トラックに乗せて、里から海に出かけていく。
初めて見た時は、違和感しかなかった。
しかし、日常的に連中から嫌がらせを受けるようになって、船がある理由がわかってきた。
町内会では、施設や公園の掃除の日がある。
行事は、家族のうち一人が、事実上の強制参加。
欠席すると行事によって3千円か5千円の罰金がある。
そこで、一部の連中がいつも会話をしている。
「昔は、入札価格を教えてくれていたのに、最近はなあ」
「役人を接待しないと商売にならんからなあ」
などと、他人に聞かれてはいけない話?を、普通に話している。
船を所有しているのは、公共事業で生計を立てている連中だった。
私を何かと標的にしている連中でもある。
役人を接待する話を繰り返し聞かされていると、
役人と業者が仲良しなのがよくわかる。
それにしても、その接待、丸ごと違法では?と
里に置いてある船を見るたびに思う。