あやめちゃん (その2)

2022-06-05 00:46:10 | 随筆
はてさて、「あやめちゃん(その1)」の記事を書いてからあっという間に3か月以上も経ってしまった。 彼女を初めて食事に招待した時に、広島で食べたお好み焼きがとてもおいしかったというので、その数週間後にでもまた、という約束をしてあの日はお開きとなった。 それから長いことブログをほったらかしにしておいたので、定めし読者の皆様方は呆れたことだろうが、言い訳をすると実は色々あったのだ。 

まずあの直後、ロシアがウクライナへ攻撃を始めた。 ウクライナ国内にいるネオナチ滅僕の為という大義名分を掲げたプーチン大統領の精神状態を疑う。 他国のことだから関係ない、アメリカに住んでいる我々は大丈夫、と言うわけにはいかない。 数国を除いた全世界から総スカンを食らったロシアでは、 ルーブル貨幣の下落や物資不足など様々な不都合が起こり、国民の生活が圧迫され始めた。 

攻撃されたウクライナは、世界有数の小麦生産を誇る。 農業を営む人たちが戦争に駆り出され産地に爆撃を受けたため、今年の小麦生産量は大幅に減った。 その結果、小麦の輸入をこの国に頼る世界のあちらこちらで食品の価格が高騰したのだ。 

またアメリカのみならず、世界中でインフレが横行している。 先日カリフォルニアに住む孫娘がラインを送ってきたが、ガソリンが1ガロン(約 4.5リットル)7ドルである。 我が州、ヴァージニアではまだ5ドル台だが、それでも高い。 アメリカは、サウジアラビアを超える世界一の石油産出国となったが、それでこの値段だ。 ガソリンの値が上がると、何でも上がる。 不動産、食品、医療費、保険、等々。 そろそろ固定資産税の請求が来るはずだが、こんなボロ家に一体いくらよこせと言ってくるのか、戦々恐々としている。 

戦争とは大変だ。 あれやこれやと毎日ニュースに気を取られていると、ボルティモアの義妹、シャーリーンから連絡があった。 今年101歳となった私の姑が亡くなった。 彼女の息子と私は昔離婚をしたので、法律的には親戚ではなくなったが、以後も私のことを「家族」として扱い続けてくれた。 いつお迎えが来てもおかしくない年齢ではあったが、家族を失うというのは、いろいろな面で大ごとである。 

葬式が済んだ後、気が抜けてしばらくぼんやりしていたが、ある日あやめちゃんのことを思い出した。 そうだ、お好み焼きを作る約束をしたのだ。 慌ててラインを送った。 しかしなぜか、2回目の連絡にも返信はなかった。  

どうしたのかな、イスラエルへ帰ったのだろうか? あやめちゃんのお父さんはロシア出身だと聞いたので、もしかしたら親戚の方に何かあったのかもしれない、などと考えた。 二人でお好み焼きを楽しんだ後、「その2」を書こうと思っていたのだが、いまだにそれは果たせていない。 日本語勉強の一環として、私のブログを読みたいと言うので、彼女に情報を渡したのだが。 

あやめちゃん、もしこれを読んだら連絡してね。


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