時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

鉄旅・青森行-11~寝台特急「日本海」撮影会?!@青森駅

2012-05-27 14:53:00 | 東北/日本
 初めて訪れた青森の街がすこぶる好印象であったために、青森滞在中の記事が当初思っていたよりも遥かに膨れましたが(嬉しい誤算)、(ようやく)これから、この旅行を思い立った理由である、定期運行終了を目前に控えた、寝台特急「日本海」への乗車に関する記事となります。

 私が青森駅のホームへ入場したのは、日本海が出発する約30分前の19時頃でしたが、駅のコンコース、ホームへの跨線橋、日本海が入線するホームや線路を隔てた向かいのホーム…等々、青森駅中がカメラを抱えた老若男女の方々で溢れ(私もその中の1人でしたが(^^;)、さながら一大撮影会場と化していました!

 加えて、青森市の中心駅、青森県の鉄道の要衝でもあるので、発着する列車の乗降客の方々も数多く、青森駅の構内は盛況を呈していました。

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 寝台特急「日本海」が入線する3番線には、19時頃には発車案内が掲示されていました。

 既にホーム上では、多くの方々が行き来しています。



 日本海が入線してきたのは、発車の20分程前の19時10分頃でした。

 3番線や、私がこの時立っていた向かいのホームには、カメラを手にした鈴なりの人垣が、一斉にシャッターを切っていました!
 当然私も、ディーゼル機関車に牽引されて入線する日本海の撮影を試みたのですが、肝心な時にヘタをコくいつものクセがこの時も発動(TT)
 シャッターチャンスを逃して呆然とする私の前を、日本海の客車が静かに通り過ぎていき、やがて停止位置に停車しました。

 こちらは、ディーゼル機関車とは反対側に連結された、これから先頭となって日本海を牽引していく、EF81形電気機関車。

 機関車を撮影するギャラリーの数は、停車している間中減ることもなく、終始大賑わいでした。



 前照灯が灯った、EF81 101号機、青森ベイブリッジを背景にして。
 掲げられたヘッドマークも、誇らしげです!

 昼に見た時もそう思いましたが、ベイブリッジと列車…絵になりますねぇ^^
 連絡船が廃止されて久しい青森駅ですが、新たな魅力的な景観を持っている駅です。



 かなり暗くなりましたが;、この画像がこの辺りの実際の明るさに、一番近いかもしれません。

 客車の乗降扉が開いていることを示す、赤い戸閉表示灯が点々と灯る様子が、「夜汽車(ほとんど死語ですかね…;)」の雰囲気を盛り上げてくれます!



 両端部の車両にも、機関車のヘッドマークと同じ、日本海の波をイメージした図柄の、テールマークがあります。



 青森発日本海の終着駅を示す、行先方向幕。

 関西から遥か離れた、決して活発な交流があるとは言い難い東北地方の青森駅で、「大阪」の行先を目にする…何とも言えない不思議な思いが込み上がります。



 電気機関車とは反対側の、入線時にはディーゼル機関車が連結されていた側で、大阪への運転中は最後部となる電源車。
 この車両にも、テールマークが灯っています。

 機関車が位置している前方のホーム端とは対照的に、撮影する方の数も疎らでホームの照明も落とされていて少し寂しげですが、かえって漂う哀愁が良い感じです。

 青森駅をまたぐ、青森ベイブリッジの底部が見えています。



 シンプルですが、「日本海」という列車のイメージを過不足なく捉えた図柄です。
 寝台特急(ブルートレイン)を表わす左上のマークも、こうしてじっくりと見てみると、味のある素敵なデザインですね。



 最後部である電源車の1両前(10号車、日本海は電源車1両、A寝台1両、B寝台9両の計11両編成)に連結された、A寝台の車両。
 乗降扉の上部に、寝台の種別を示す、このような表示がありました。

 車内は、中央の通路の両側に、進行方向と並行の向き(レールと同じ方向)に並んだ2段式の寝台が並ぶ、開放型のA寝台です。

 定期運行していた当時の日本海は、この開放型A寝台を連結していた最後の列車でした。
 当然ながらチケット入手の難易度も高く、寝台下段の空きは結局最後まで出ませんでした。。。



 車内を移動中、編成の中間部に連結されていた緩急車の貫通扉のテールマーク表示も、「日本海」となっていました!
 この画像が、テールマークを一番綺麗に撮れているかもしれません;



 日本海の編成は、JR東日本の盛岡支社管轄である、青森車両センターの所属であるようですね。



 私が乗車した客車の形式表示。

 日本海は、24系25形客車で編成されています。



 私が乗車したのは3号車、B寝台です。
 表示の左の星3つは、2段式の寝台を表わしています。

 車内は、車両の片側に寄せた通路に面して、進行方向とは直角の向き(枕木と同じ方向)に並んだ2段式の寝台が並ぶ、開放型のB寝台です。
 A寝台と比較して、若干ベッドの幅が狭いです(70cm、A寝台は下段93cm上段88cm)。

 A寝台とB寝台との違いについては、トレたびさんのページに、分かり易く図示されていました。
 なお、日本において開放型A寝台を連結している定期運行の列車は、平成24年5月現在現存しません。



 夜の駅の雰囲気に溶け込むような自然さで馴染んでいる、上品な青をした客車の編成。
 久しく利用していなかった「夜汽車」を前にして、旅情が掻き立てられます♪

 「ブルートレイン」と呼ばれる所以の、この美しい青色が、私はとても好きです。

 出発まであと5分を切りました。
 私も列車に乗り込みます。



 日本海は私が乗車したこの日は無事、19時31分の定刻に、その発車を撮影しようと未だホームに残る大勢の方々に見送られつつ、青森を出発しました。
 ホームの灯りが、ゆっくりと後方へと流れていきます。
 因みに、画像上端の中央部附近に写っている(駅名標の左上部)丸い照明は、窓ガラスに映った車内の照明です。

 年明け後も降雪の多い冬で、2月下旬以降からも雪による運休が頻発していて、この乗車の日まで毎日天候を心配していましたが、きちんと時間どおりに出発してひと安心でした^^

 駆け足で巡った、青森の街ともこれでお別れ、夜汽車での旅立ちということもあって、少しばかり(柄にもなく)センチメンタルな気分に(^^;

 次回に訪れる機会があれば、その時はしっかりと時間に余裕を持たせて、ゆっくりと色々見て回りたいと思った、素敵な青森の街でした!

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 この日に乗車した日本海で特筆すべきは、青森から乗務なさった機関士さんの技量!!
 今までブルートレインはじめ、日本国内でも機関車が牽引する数々の列車に乗車しましたが、その全てと言ってもいい位の確率で、発車時に「ガクン」という大きな衝撃に襲われていたので、今回も発車合図の汽笛を聞いた後にその衝撃があるもの;と、心の準備をして列車が動くのを待っていたのですが、今回はヨーロッパの客車列車のように、いつ動き出したのかも分からない程の、正に「滑り出し」たと言っても過言ではないスムーズな発車であったので、独り心の中で感激して、この機関士さんに感謝していました!
 その後もこの機関士さん、停車駅からの発車の度に素晴らしく滑らかなスタートを披露してくださいました(^o^)

 残念ながら、この幸せな状況は、秋田までの約3時間で終わりを迎えてしまいました…。
 どうやら機関士さんが交代された模様… 秋田を発車する時に、青森発車後ほとんど感じなかった衝撃(それも「ガック~ン!」という位の)に見舞われました(-_-;)
 以後も数時間おきに機関士さんの交代は行なわれているはずですが、秋田より先、滑らかな発車はついぞ再現されませんでした(TT)

 青森~秋田を担当なさった機関士さんの「神業」ぶりがあまりにも際立っていたこともあって(この青森行の記事のシリーズを捧げさせていただきたい位w)、この機関士さんへの敬意と感謝の意を込めて、特に最後に少々記述させていただきました。



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4 コメント

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タヌ子さん。 (taろう)
2012-05-29 13:32:24
確かに、起きていようという気持ちと、せっかくの寝台なのだから…と、ぐっすり眠りたい気持ちがせめぎ合っていましたw
若い頃なら、ずっと起き続けてもいられたのでしょうが、流石に年齢を重ね体力も落ちているので、数時間後には眠りに就いていました(^^;
せっかくの機会なので、A寝台に乗りたかったのですが、考えることは皆さん同じで、キャンセルを待つもタイミングの都合で、結局チケットを取れませんでした。
スペインでのご体験、災難でしたね;
お国柄でしょうか…自動車同様に、何となく豪快に運転するイメージが頭に浮かびます。
列車の適度な揺れは確実な睡眠へといざなってくれるものですが、それにも程度というものがありますよね(ーoー;)
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Unknown (タヌ子)
2012-05-29 08:17:13
寝台車だから眠るのが目的ですが、これが最後だと思うと、眠ってしまうのももったいないような複雑な気分だったのでしょうね。
やっぱり列車には飛行機にはないロマンがありますね。
進行方向と同じ向きの寝台車は乗ったことがあったかしら?
スペインで乗った寝台車、B寝台と同じ向きでしたが、カーブの度に体が滑って、壁に頭をぶつけ、寝台車なのに一睡もできなかった苦い記憶が蘇ってきました。
列車の揺れがあまりにも酷かったので、発車がスムーズだったかどうかまでの記憶はありません。
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プー太郎さん。 (taろう)
2012-05-28 12:56:57
「鉄道員(ぽっぽや)」、原作小説からメディアミックス展開された(実は私はいずれも見ていないのですが;)、話題作でしたね(タイトルをよく目や耳にしてはいました)。
青森発車時は、本当にショックもなくスーっと動き出したのが信じられず、この機関士さんの腕前に感嘆、感激したものでした^^
黙々と自らの務めを確実に果たす、職人のプライドのようなものが、きっと相通じていたのでしょうね。
そして、そのストイックな飾り気のなさ(飾る必要もない)が、プー太郎さんが街灯のことを思い出されたのではないか、と思います。
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Unknown (プー太郎)
2012-05-28 05:28:58
先日初めて浅田次郎の本を読みました。短編集の中で一番心に残ったのは「角筈にて」という作品だったのですが他に「鉄道員(ぽっぽや)」という短編もありました。ひたむきに仕事をまっとうする駅長さんのお話です。
青森ー秋田を運転された機関士さんはこの駅長さんとあいつうずるものがあるよな気がしました。
そして何ゆえかtaろうさんが目にされたフランクフルトのカイザー通りに立っていた街灯のことを思い出しました。
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