時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

北を目指す旅-21~奥津軽いまべつ駅/津軽二股駅

2016-08-13 10:17:32 | 東北/日本
 本州最北に位置する新幹線の駅である、奥津軽いまべつ駅に到着しました。

 <<北を目指す旅-20>

 間もなく夜の帳が下りようとしていた「最果ての駅」には、人の気配もほとんどなく、独特の哀愁を帯びた空気を纏い、静かに佇んでいました。
 ここから更に青函トンネルを潜り北の大地を目指す、北海道新幹線の列車を待つ少しの時間、並行している在来線のローカル線、津軽線の駅である、津軽二股駅も訪ねてみます。

 <奥津軽いまべつ駅>
 <津軽二股駅>


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 本州最北端の新幹線駅、JR北海道の駅としては最南端にして唯一本州に位置するという、ユニークな駅、奥津軽いまべつ。
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 JR北海道の管轄となる北海道新幹線の起点が、東北新幹線との接続駅である新青森(JR東日本の駅)となっていることから、本州にありながらJR北海道の駅となっています。
 新青森から北海道新幹線となって、最初の駅となります。

 ロータリーの周囲には何もない、寂しい駅前。
 駅へのアプローチの道路が繋がっている、少し離れた県道沿いに、何軒かの家があるのみ。
 こんなにも人の気配のない、静かな新幹線の駅は、初めてです。
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 北海道新幹線の駅である奥津軽いまべつ駅に隣り合うようにして、在来線である津軽線の津軽二股駅があります。
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 画像左端の、黒い柵で囲われた1本のホームだけの、無人駅。
 駅舎はありません。

 正面に見えている、覆いの付いた階段通路は、北海道新幹線の開業前、在来線が青函間の往来を担っていた頃、奥津軽いまべつ駅と同じ場所にあった津軽今別駅のホームへと上がるためのものでした。
 津軽今別駅は、平成28年(2016年)3月の北海道新幹線の開業前日(3月25日)、その役目を奥津軽いまべつ駅に託して廃止されました。
 (平成27年(2015年)8月には、北海道新幹線の工事のため、ホーム等の施設を撤去されて休止となっていました)
 今日では、階段へと至る通路はロープによって遮られ、階段入り口も柵が設けられて施錠されています。



 北海道新幹線(青函トンネルとその前後は、貨物列車が走行する在来線の海峡線との共用区間)が走る築堤を見上げるように、地上を走る津軽線の単線のレールに沿って、津軽二股駅の1本だけのホームが設けられています。
 この先、津軽線は津軽半島先端近くの三厩(みんまや)を、北海道新幹線(と海峡線)は青函トンネルを、それぞれ目指します。

 ホームの背後には、奥津軽いまべつ駅周辺にある唯一の施設といってもいい、「道の駅いまべつ」があります。
 駅の所在地である今別町特産の、「もずくうどん」も賞味できるとのこと!
 再訪の機会があれば、試してみたいですね^^



 津軽二股の、駅名標。

 駅の立地が、小高い山に囲まれた場所なので想像がつきにくいですが、この地はもう北海道を眼前にする、海峡の地であるのですよね…。



 今度は南の、青森方を眺めます。
 駅前ロータリーに聳えていた、奥津軽いまべつ駅の入口棟と画像左側の駅本屋とを繋ぐ連絡通路が、津軽線を跨いでいます。
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 路線の末端近くであるこの区間、津軽線の運行は、1日わずかに5本のみ。
 「本当に列車が来るのか?」と訝る程に、列車の気配も感じることができませんでした。
 この時の時刻は、18時30分頃でしたが、青森方面への最終列車は既に出発済みで、三厩方面の最終列車を約1時間後に迎えるのみの、津軽二股駅です。

 因みに、津軽二股駅を通るこの津軽線、青森から北海道新幹線と並行して路線が延びているのですが、JR東日本の管轄ということで、JR北海道管轄の北海道新幹線とは会社が異なるという理由から、並行在来線扱いを免れました。
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 津軽二股駅から奥津軽いまべつ駅へと、戻ってきました。
 高さ25mの入口棟は、間近から見上げると、迫力満点!
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 いよいよ北海道新幹線に乗車すべく(もちろん、初乗車♪)、真新しい駅へと足を踏み入れます。



 駅コンコースへのアプローチとなる、昇降棟を上ります。

 エレベーターを利用してもよかったのですが、せっかくなので、エレベーターの周囲を螺旋状に取り巻いている階段を上ることに。
 ご丁寧にも、階段の段数を開示してくれている、親切な奥津軽いまべつ駅w
 数字を見て、心が折れかけましたw



 ようやく昇降棟の最上部近くまで、上ってきました!

 奥津軽いまべつ駅は、「本州最北の地から北の大地へ 〜津軽海峡の四季が感じられる駅〜」をモチーフにしているとのことで、このガラス張り部分の、ドームをかたどった外壁は、青函トンネルをゲート風にデザインしています。



 先程、津軽二股駅より眺めた、連絡通路です。

 ローカルから最先端へ、世界がガラリと一気に変わっていくような気分でしたw

 私の他には、この通路を歩く人の姿はありません。



 連絡通路から、北の方角を一望。
 眼下には、津軽二股駅や旧津軽今別駅の階段、道の駅いまべつを望み、北海道新幹線が一直線に北を目指している様子が分かります。
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 晴れていれば、画像の右奥に見えている雪避けのシェルター越しに、津軽海峡や北海道までをも望むことができるとのことでしたが、生憎この日は厚い雲で何も見えず。
 それでも、夕暮れ時の広い空を流れる雲が、とても印象的な眺めでした。



 連絡通路の反対側の、南側の眺望。
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 一番右側のレールが津軽線、その左隣に保守基地が広がり、そのさらに左側が在来線の海峡線(奥津軽いまべつ駅のホームを避けるために、奥に見えているシェルターの場所で北海道新幹線との共用区間から分岐、駅の脇を通り、駅の北側にあるシェルター(北の方角を写した画像に写っています)の場所で再び合流、北海道新幹線との共用区間となります)、そのすぐ左の構造物が奥津軽いまべつ駅のホーム部分となります。
 ホーム建屋でここからは見えていませんが、ホーム建屋の向こう側には、海峡線の反対方向へのレールが敷かれています。



 連絡通路を通り、突き当りを右に曲がると、改札口です。
 新幹線の駅としては、とてもこぢんまりとした、コンパクトな改札口。

 JR北海道の駅らしく、北海道のプロ野球球団の選手と一緒の写真が撮れる、記念撮影コーナーが設けられていました。

 ここでも、駅員さんや、改札内に立っていた警備員さんの他には、人影なし。
 同じ位置に存在するだけに、人のいなさ加減では、津軽二股駅と変わらない奥津軽いまべつ駅です。



 改札を入った先に掲げられている、出発の案内。
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 私がこれから乗車するのは、19時1分発の、「はやぶさ25号」新函館北斗行。
 あと10分少々の出発です。

 反対方向への案内に、「TOKYO」の行先が。
 津軽半島の先端近くから、東京へ乗り換えなしで行くことができるという現実…感慨深いです。



 ここでも、エレベーターではなく、階段を選択。

 見知らぬ階段…何だか、ワクワクしませんか(私だけ?!)w



 九十九を折るように、ホームへと続いている階段。

 この、半ば閉じられたような空間に、何故か高揚感が(^^;)



 ホームとの境界には自動ドアが設けられていて、外界と駅舎とを完全に仕切っていました。

 流石にJR北海道の管轄駅。
 本州側の駅とはいえ、防寒対策は万全です!



 ホームへと出ました。
 ホームから改札口への上りエスカレーターも、このとおり、外気完全シャットアウト仕様です。

 既に気分は、北海道w



 ホームに掲げられた、シックな北海道新幹線の駅名標。
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 これから進む方向の次の駅(木古内)は、もう北海道です!!



 駅名標と共にホームに掲げられていた、新幹線開業の喜びを感じる掲示。

 半島の先端近く、北海道よりも「最果て」の雰囲気を色濃く感じるのが、奥津軽の不思議な魅力なのでしょうね。
 惹かれる「何か」を、感じます。



 駅本屋の真下にある、奥津軽いまべつ駅のホーム。
 雪対策なのでしょう、ホームは線路の部分を含め、シェルター状となった構造です。
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 それにしても、ホームが狭い…;
 場所柄、乗降客も多くはないと思われるので問題はないのでしょうが、人一人同士がすれ違うことができる程度の幅しかありません。
 ホームドアによって、実際以上に窮屈に感じたのかもしれません。

 このホームで、ようやく一人か二人位の、他の人の姿を目にしました…。



 青函トンネル、北海道方面を、ホームから望みます。
 ここから6km先は、もう青函トンネルの坑口です!
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 北へと延びていくレールの先は、19時を前に、既に黄昏時を迎えていました。
 黄昏時での北への旅立ち…何とも情感深い雰囲気です!

 この時間帯ならでは、ということもあるのでしょうが、最新の新幹線利用といえども豊かな旅情を抱いてしまう、奥津軽の慕情に微睡んだ気分で、間近に迫った初めての北海道新幹線乗車となる、「はやぶさ25号」の到着を待っていました。

 <北を目指す旅-22>>



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