時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

関東きままTRIP-07~皇居西側外周散策 ①

2018-12-02 14:41:57 | 関東/日本
 関東きままTRIP2日目は、皇居の外周西側を内堀沿いに、日比谷公園から九段下近くの田安門まで、散策してみました。

 <<関東きままTRIP-06>

 まずは、日比谷公園から半蔵門までの、約2kmの行程をノンビリ歩きます。
 日比谷公園を出発し、桜田門を経て日本の政治や司法の中枢部をかすめ、皇居の西側に構える半蔵門へ。
 東京ならではの景観と、大都市の都心とは思えない風景とが隣り合う眺めを、絶え間のない皇居ランナーの走列とすれ違いながら、楽しんでいました。

 この記事の画像クリックで、別ウィンドウが開きます。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


 日比谷公園の西にある、雲形池(くもがたいけ)。
 池の周囲に豊かに茂る木々の緑を映す澄んだ水に、癒されます。

 緑豊かな池の景観と、公園を取り囲むように林立している高層ビル群とが、不思議とマッチした眺めです。
 池の周囲は人影も疎らで、落ち着いた静寂感が素敵な、雲形池でした。



 雲形池の中央には、都市公園の噴水としては日本で3番目に古いとされる鶴の噴水が、水飛沫を空へ向けて噴き上げて続けていました。
 優雅に羽を広げた鶴の姿が、とても上品に感じられる噴水です。
 嘴から噴き上げる水も、繊細で細やかな飛沫となって、池の水面を叩く音も、ほとんど聞こえてきません。

 この噴水は、日比谷公園開園から2年後の、明治38年(1905年)に制作されました。
 噴水と台座は、当初は銅製でしたが、台座は戦時中の金属供出により石造りとなりました。




 池の畔には、小さな木橋も架けられていました。
 もっとも、池の縁で水が堰き止められていて、橋の下には、ほとんど水が流れていないような感じでしたが。

 石も巧みに配置して、風情のある雰囲気ですね。



 対岸へ移動し、それまで立っていた場所の眺めを。
 東屋が池の畔に建ち、ゆったりと時間を過ごすことができそうです。

 池には、鯉も泳いでいました。



 木立に囲まれた雲形池の周囲をぐるりと1周してから、日比谷公園を後にします。

 日比谷公園を北へ抜けて、内堀通りを西へと進んでいきます。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


 日比谷公園の雲形池から歩くことおよそ10分程で、皇居の南側にあたる桜田門へ到着。
 地下鉄有楽町線桜田門駅の階段も、内堀通りの歩道に合わせて、緩やかなカーブを描いでいます。

 門より西側の内堀通りから、門をくぐって皇居前広場へと抜けるルートは、皇居の外周を走る皇居ランニングのコースにもなっていて、この日も続々とランナー達が、桜田門へと吸い込まれていくように、走り抜けていました。

 江戸幕末の大老・井伊直弼が、安政七年(1860年)に水戸藩の浪士等に暗殺された「桜田門外の変」は、この門のすぐ外側、内堀通りの桜田門交差点附近で発生し、警視庁の庁舎も交差点に面して建っています。





 桜田門は、内堀を渡った場所にある高麗門と、高麗門を入ってすぐ内側にある渡櫓門の、二重構造となっています。
 せっかくの機会なので、駆け抜けていくランナーの列を追って、高麗門をくぐり、渡櫓門へ。

 地下鉄駅の階段が写っている上の画像で、高麗門の右側に見えている櫓が、渡櫓門となります。

 シンプルな構えの高麗門に対して、渡櫓門はどっしりとした構え。
 いかにも「城門」といった雰囲気を纏って、今日では大勢のランナー達を迎えていました。

 なお、一般的に「桜田門」と呼ばれるこの門は、正式の呼称を「外桜田門」といい、外桜田門をくぐり皇居前広場を北へ進んだ先に、「桔梗門」と呼ばれている「内桜田門」があります。。



 ひとしきり桜田門を眺めてから、桜田門を発ちます。

 桜田門外から、これから進んでゆく西の方向を一望。
 皇居となっている旧江戸城の内堀は、桜田門から西、半蔵門にかけてまでは、「桜田濠」と呼ばれています。
 国会議事堂の、ピラミッド型のドームも見えていますね。



 桜田門を出発して西へ少し進むと、内堀通りは北へ方向を緩やかに変えながら、国会議事堂のすぐ前へと至ります。

 この国会議事堂の界隈が、永田町。
 日本の政治の中枢部ですね。
 国会議事堂の外壁、とても綺麗に磨き上げられているように見受けられましたが、綺麗過ぎて、却って不自然な感じにも見えてしまいます;

 議事堂手前右側の木立となっている前庭の辺りに、彦根藩主・井伊家の上屋敷がありました。
 井伊直弼は、この屋敷から江戸城へ登城しようと、桜田門外に差し掛かったところで、襲撃を受けたのですね。



 国会前交差点附近から、今度はこれまで進んできた、桜田門方面を眺めます。
 桜田門の白壁が、鮮やかで印象的ですね。
 桜田濠が、大きな川のようにも見えます。
 画像右端の高層建築が、警視庁ですね。

 丸ノ内のビル群が、桜門の背後に聳える景観は、壮観そのもの。
 こうした景観に批判的な向きもあるとは思いますが、自然と新旧の人工物とが織りなす眺めは、個人的には嫌いではありません。




 桜田門とは逆方向の、桜田濠の北方向の眺めです。

 緑の絨毯のような草地と豊かな樹木に覆われた斜面に囲まれる桜田濠の風景は、東京という世界有数の大都市の都心にいることを、忘れさせてしまうような眺めです。
 旧江戸城ひいては江戸幕府や徳川家の威光が、いかに凄いものであったか、今更ながら実感する思いでした!



 国会前を通り過ぎ、緩やかな上り坂を上り続けて、三宅坂へと差し掛かります。
 上り坂で嵩を稼いだ、内堀通りから桜田濠へと落ち込む、緑のビロードのような斜面の美しさが、目に留まり、しばらく見とれていました。
 街路樹の根元にある植え込みの、丸みを帯びた姿形の連なりが、何ともユーモラスですね。

 見えている桜田濠の突き当りを右へ進んだ、画像の右端部に、半蔵門があります。



 三宅坂の辺りで、桜田濠とは反対方向へと視線を向けると、そこには最高裁判所の建物が、個性的な意匠で佇んでいます。
 この変わった形にも、最高裁判所に因んだ意味が込められているのでしょうかね。

 最高裁判所の左側、首都高速道路の高架と並行している通りを進むと、赤坂見附から神宮外苑、表参道から渋谷へと至る青山通りとなります。
 因みに、今回歩いている内堀通りの桜田門~三宅坂の区間からこの通りの神宮外苑までは、1年前(平成29年/2017年)に乗車した、「君の名は。」カフェバス(貸切!)でも、走行しています。



 内堀通りの上り坂は、桜田門から緩やかに続いていますが、国会前の辺りからやや勾配がキツくなっています。
 三宅坂から、振り返った眺めを撮影。

 細かくさざめく桜田濠の水面にも、魅せられます。
 この日は、雲の多い空模様でしたが、幸い雨には降られませんでした。
 歩きの途中で雨に降られると、気持ちも挫けますし、レンズの濡れを気にしながらの撮影も気分の良いものではありませんしね。



 内堀通りの歩道脇にあった、「江戸城跡」の、控え目すぎる石碑。

 すぐ傍の歩道を黙々と通過する皇居ランナーは兎も角、その他の歩道を往く人々すら、足を停める者はほとんどいません。
 足元も雑草で覆われてしまっていて、悲哀を誘う碑でした(T-T)



 間もなく、半蔵門前へ到着です。
 桜田門方向を振り返った眺めも、随分坂を上ってきたことが分かりますね。
 心癒される、潤い溢れる緑豊かな風景です。

 日比谷公園の雲形池の畔を発ってから半蔵門まで、桜田門に立ち寄ったり、都市と自然との不思議なマッチングが印象的な東京ならではの風景を楽しみながら、1時間弱かけて辿った約2kmの道程でした。
 皇居西側外周散策は、まだ続きます。

 <関東きままTRIP-08>>



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タヌ子)
2018-12-07 07:30:02
代々木公園や日比谷公園はまさに都会のオアシスですね。
代々木公園は何度かのんびり散歩した記憶がありますが、日比谷公園は映画を見に行く時に通過しただけで、ゆっくり散策した記憶はなく、雲形池の存在も知りませんでした。
犬の散歩で6キロぐらいは歩いているし、パリでは殆ど交通機関を利用せず徒歩移動なので、東京でも4~5駅間は簡単に歩けそうな気がします。
江戸城跡の石碑、確かに控え目すぎますね。
江戸城跡に天皇家が居を構えているというのもなんだか不思議な感覚です。
返信する
タヌ子さん。 (taろう)
2018-12-07 23:32:26
大都市の都心部にこうしたまとまった緑地があると、本当に癒やされますよね。
私も、実のところ、日比谷公園に足を踏み入れたのは、今回が初めてでした。
日比谷公園といえば、公会堂位しか思いつかなかったので、雲形池のような、木々に囲まれた静かな一角があると分かったのも、この散策の収穫でした♪
LUKAクンとのお散歩コースの約半分の距離でしたが、変化に富む眺めに心も洗われた、内堀伝いの散策でした。
控えめな石碑、今は皇居となっているので、やはり遠慮しているのでしょうかね(^^;)
確かに、江戸城を皇居としたのは、よくよく考えてみると奇妙な感じにも思えますが、そこは徳川家の居城で、風格的には申し分なかったのでしょうね。
今となっては、これ程街のど真ん中の敷地を贅沢に使った宮殿というのも、とてもユニークだと思います。
返信する

コメントを投稿