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香港街歩き ~大澳 編

2010年11月27日 22時56分57秒 | -香港-

天気の良い休日。
香港の小さな漁村、大澳(Tai O)という所に行ってきました。


超高層ビルが至る所に建ち並ぶアジア有数の大都市、香港。
そんな現在の香港も、かつては小さな漁村にすぎませんでした。

香港を植民地としたイギリスは、アジアの貿易港として香港を発展させ、
さらに戦後は急激に近代化、都市化を進めました。

そんな中で、ランタオ島の西の端にある大澳は、アクセスの不便さから、香港の近代化から取り残され、
水上家屋が並び、ゆったりとした時間が流れる昔のままの漁村の風景が残りました。

その後、1998年に現在の香港空港ができてランタオ島へのアクセスが格段に便利になり、大澳へのアクセスも改善されましたが、
昔ながらの街並みは今も残り、香港の原風景を求めて多くの観光客が訪れるようになっています。



前々から大澳へ行ってみたいと思っていましたが、以前よりアクセスが改善されたとはいえ、
すぐに行ける場所にあるわけではなく、なかなか行く機会がありませんでした。
でも、あまりの良い天気に誘われ、思い切って行ってみることにしました。


■大澳をめざす

大澳に行くにはまずランタオ島の東涌へ向かいます。
ランタオ島は香港最大の島。東涌は香港国際空港のゲートウェイとなる町です。

東涌へ行くのは簡単。
エアポートエクスプレスと併走するMTR東涌線に乗って青衣駅から20分ほどで東涌駅へ到着。

香港内の交通がこれだけ発達しているにもかかわらず、大澳に行くにはバスに揺られるか、
フェリーに揺られるかして行くしかありません。

東涌からはフェリーとバスどちらでも行けますが、行きはバスで大澳に向かいました。

東涌駅にあるバスターミナルに向かうと、ものすごい長蛇の列が。
どうやら、ランタオ島最大の観光地ランタオ・ピークに向かうロープウェイ、ゴンピン360に乗る人たちの列のようだ。
ロープウェイを降りた山の上には巨大な大仏があります。

うわーこんなに並ぶの大変やなあと横目に見ながら大澳行きのバス乗り場に向かうと、
こちらもかなりの行列が…。


静かな漁村を訪れるはずが、かなり観光地化されているのか、休日だからか。。。

平日は本数の少ないバスですが、週末は増発されて15分に1本のバスがあります。
それでも捌き切れない行列のためか、並んでいる途中から5分に1本ぐらいになり、30分ほど待って
なんとかバスに乗ることができました。

さっそくバスは大澳に向けて出発。

バスはくねくね山道を上り始めます。パワー不足かめちゃめちゃ遅い。。


エンジンの悲鳴にも近い音を聞きながらなんとか山を上りきり、峠を越えると視界が広がり、
南シナ海の海が目の前に広がりました。


ここから下り坂道です。


山を降りたあとは、海岸沿いの道をひたすら走ります。


ここには長沙と呼ばれる香港最大のビーチがあります。
あまりアクセスが良いところではないのでほとんど観光地化されていませんが、
静かなリゾート地として西洋料理のレストランなどがあったりして、自然好きの欧米人たちが訪れているようです。


長い砂浜の長沙ビーチ沿いをひたすら走った後、バスは再び山を上り、下って行きました。


湿地帯沿いをしばらく走り、ついに大澳に到着。

約1時間のバスの旅でした。



■ピンクイルカ・ウォッチングに参加

バスを降りると目の前は海。
のどかな漁村の風景をゆったり眺めようと思っていたけど、ものすごい数の観光客が。。

静かな漁村をイメージしていたけど、観光客だらけにちょっとがっかり…。
平日に行けばあまり観光客は多くないようですが。




さて、大澳の町の入り口にドルフィン・ウォッチングのボートツアーの看板がありました。
その看板の横でおばちゃんが熱心に客引きをしている。


じつは、ランタオ島の沖には希少動物であるピンクイルカが生息しているのだ。
このイルカは「中華白海豚(シナウスイロイルカ)」という正式名称で、大人のイルカは全身が
ピンク色になるためピンクイルカと呼ばれているようです。

香港、そして中国の発展で深刻な海洋汚染の影響を受けて、数がどんどん減っていて、
現在は150頭ほどしか生息していないと聞きます。

野生のイルカが見られるなら見てみたい!とおばちゃんの誘いに乗りイルカ・ウォッチングツアーに参加。
ツアー代金HKD$20(約220円)を払い、さっそく定員10人ほどの小さなボートに乗り込む。

ボートの席がすべて埋まったところでツアー開始。


まずボートは大澳の水上家屋が並ぶ水路をゆっくり進みます。


この水上家屋は「棚屋」と呼ばれるもので、水上に張り出した家屋を頼りない木の柱で支えている漁民たちの住居です。


かつて香港の多くの漁村で見ることができた水上家屋ですが、現在は香港政府の方針で取り壊しが進み、
大澳ほか、わずかな場所でしか見ることができなくなりました。




ちょうど1年前に自宅からフェリーで15分のところにある馬湾という小さな島に行った時に、
取り壊し予定の水上家屋の小さな漁村を訪れてブログに載せましたが、大澳もいずれは同じ運命をたどるのだろうか…。

馬湾のブログ記事はこちら → http://blog.goo.ne.jp/new-beatle1978/e/4fe93496042ec094a2c95db7606cc5e6

ゆっくり棚屋の並ぶ水路を進んでいくと、我ら観光客を気にすることなく淡々と生活をする住民たちの様子が見え、
香港の昔ながらの漁村風景が垣間見えたようで、やっと大澳に来たことを実感できました。


漁をする漁師さんたち。


「香港のベネチア」という変テコな呼ばれ方もする大澳のベネチアとはまったく違う風景をボートからゆっくり堪能しました。


大澳の水上家屋群をひと通り回り、港の入り口へ戻ってきたボートは一気に加速。


ピンクイルカの生息する大澳の沖へと向かいました。

途中、大澳の名所のひとつ「将軍石」と呼ばれる岩壁を海上から眺める。


ボートは加速しさらに沖へ。


水面に反射する太陽の光がとてもきれい。


ボートはしばらくするとゆっくりと進み出します。
この辺りがイルカ生息エリアのようだ。

みんな真剣にイルカを探します。


遠くに大型貨物船が。


こんな場所にイルカが生息しているとは信じられない気もするけど、大型船が行き来するこの場所で
イルカが安心して暮らすことは難しいだろう。数が減っているのは当然なのかも。

沖から見た大澳とランタオ島の山々。


天気がホントに良い。


イルカ探しを忘れてきれいな海と景色をひたすら撮影してました。

で、結局イルカは現れず。
他の客もイルカのことは忘れて記念撮影大会となっていた。


実際に見ることができたという体験談も聞くので、次機会があればまた参加したいな。



ボートは再び加速し大澳の港へと戻った。


船着場横にあるマングローブの沼地と山々。



■大澳の町を歩く

船を下りて、さっそく大澳の町を散策しました。

バスターミナルから町に入るとまずは永安街という細い路地があります。
この路地沿いには、港町ならではの海産物を扱う商店が並んでいます。




魚の浮き袋の乾物。


山積みの干し蝦。


さまざまな海産物のニオイが混ざり、路地には港町独特のニオイが漂います。




新鮮な魚介類も。






細い路地を歩いていきます。


商売繁盛のお札。



大澳は大きく分けて3つのエリアに分かれています。
それぞれのエリアは水路で分かれていて、ハネ橋でつながっています。


以前は橋が架かっていなかったため小船に乗って行き来していたそうです。

ハネ橋を渡って吉慶街界隈を歩きました。


魚がたくさん干されていました。




道沿いに干された魚が並ぶ。漁村って感じだなあ。


貝類も天日干し。


笑顔でテキパキと魚をさばくおばちゃん。


観光地化されてしまった大澳にはお土産屋もあります。
ハリセンボン。


お菓子屋さんも。


港町といえばネコ。


観光客向けの食べ歩きができる小食のお店も並んでいて、いいニオイが漂います。




アヒルの卵の塩干し。


しばらく道なりに歩いていくと、水上家屋が並ぶ住宅街に着きました。


水上家屋の陸側の入り口はこんなかんじ。




港のオヤジたちは昼間っから酒飲んで楽しそう。


すっかり静かな住宅街になってしまいました。


ここでとりあえずもと来た道を引き返しました。


南国の雰囲気がある大澳郊外。




途中、関帝古廟という500年以上の歴史がある古い廟を訪れました。




日がだいぶ傾いてきました。



■帰りはフェリーで東涌へ

夕方5時前。
そろそろ帰る時間です。

帰りはフェリーで東涌へ戻ることにしました。

このおばちゃんたち、観光客たちの目線をまったく気にせず道端でずーっと麻雀してました。


夕日に照らされる大澳の町。




永安街の商店街はまだまだ賑やかです。




この山の向こう側には香港国際空港があります。時折飛行機が飛び立っていくのが見えました。


小型のフェリーが岸壁に到着。
早速乗り込みます。


夕日を眺めながら東涌までのフェリーの旅。


30分後、フェリーは東涌に到着。
港の目の前は空港です。



東涌から再びMTRに乗り、ノスタルジー大澳の小旅行は終了したのでした。


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終わりに…。

高層ビルが林立する香港の市街地から比較的近い場所に残る香港の原風景。
香港に来た際は、いつもの香港と違った一面が見ることができる大澳を訪れることをオススメします!


(終わり)


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