英文論文10本以上
Retraction Watch / 2011.07.25 00:22 / 推薦数 : 2
東京医大整形外科学の撤回論文
を検証します。
朝日新聞の記事によると
東京医大が2重投稿と認定した2本は
04年と09年に海外の専門誌などに載った論文
とありますが、04は03の誤りだと思います。
03年の論文が こちら
09年の論文が こちら で
今回09年論文が2重投稿ということで撤回されたわけです。
実際に両方の論文を読みくらべてみました 。
03論文と09論文は
明らかに同じ内容です。
同じデータを使って
2本の同じ内容の論文を
同じ著者が執筆し
別々の雑誌に発表した
ことになります。
さて、ここで2003年と2009年で6年も離れていることに
違和感を感じた人は、論文撤回ワォッチャーです。
実は09論文は2003年7月に雑誌社に投稿されているのです。
そして論文発表の許可がおりるまで、約1年かかっています。
さらに論文が掲載されたのが2009年ですから、
かなりスローなプロセスです。
一方、雑誌社が03論文の原稿を受理したのが2003年6月で、
論文掲載の許可がおりたのが、2003年の8月となっています。ですから著者らは、わずか1ヶ月の間に同じ内容の2本の論文を投稿したわけです。
朝日新聞の記事によると、
教授に就いたのは04年4月。東京医大の教授になるには「英文論文が10本以上、5本は筆頭筆者」という条件が02年に加わった。
とあります。
教授選挙に向けてさらに1本の論文が早急に必要だったとみるのが理にかなっていると思います。
09論文が投稿から掲載まで、かなりの時間がかかっています。
次回はこの謎を追求します。