自分の記憶が確かなら、子供の頃の私が最初に手にした漫画は、藤子不二雄の「ドラえもん」の第6巻。巻頭を飾っていた「夜の世界の王様だ」にはじまり、いきなり最終回である「さようならドラえもん」が収録されたこの巻は、初めて出会う漫画としてはクオリティの高すぎる作品でした。
それ以降の小学生時代、私もGペンとインクを手にして、当然のようにストーリー漫画を描き始めることに。おそらく処女作だったと記憶しているのは、「ダメおやじ」に強く影響を受けたと思われるギャグ漫画「ヘン太くん」。初作品にして、はじめてGペンを使用した漫画として、強く印象に残っています。ところがその後も様々な作品を描いていく上で、プロのようにGペンとインクを使用して描くより、鉛筆でスピーディーに仕上げる方が自分にとって楽であることに気づき、70年代後半のアニメの要素を取り入れた「おたふくマン」では、全篇鉛筆描きに逆戻り。高校・大学時代になると、少女漫画のテイストも加わり、よりオリジナリティーな短編を多数制作。この頃には鳥山明氏や江口寿史氏らがサインペンやロットリングを使用した作品を発表され、「漫画はGペンで描かなければならないもの」というひとつの固定概念は崩れて、私自身も好きな画材を使って漫画を描くようになりました。そんな中、1992年に全150話の4コマ漫画として描き上げたのが「タンボーグA」。今から12年程前、ウチのオフィシャルサイトで、毎日1話ずつ更新していたこの作品をご覧になった方も、何人かおられるのではないでしょうか。
18年前のこの作品以来、仕事が忙しくて、自分で漫画を描くことは出来なくなりましたが、変わらず漫画を読むことは大好きです。なかでも3年前に出会った「きょうの猫村さん」は、ネットで毎日1コマずつ更新されるスタイルや、鉛筆描きの作品であるという大胆な作風に大いに共感させられ、お気に入りの作品です。猫村さんの体型が、なんとなく我が家のマロンに似ているのも親しみがわくポイントです。(笑)