武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

9月から10月頃の各クラスの様子 久里浜中学部

2024年10月14日 | 稽古日誌
一般部のクラスに編入した中学生が所属するクラスが、中学部です。

現在久里浜中学部の在籍は10名でしたが、残念ながら受験勉強の為、先月に一人が退会することになりました。

残りの9名中、中学三年生の2名は受験勉強の為に休会となっており、現在、稽古に参加しているのは中学二年生以下の7名です。


ところで、大道塾横須賀/湘南支部の子供のクラスは、中学三年生にならなければ黒帯の受験資格が得られません。

他流派の空手団体などでは、小学生の早くから黒帯を取得できる団体もあるようですが、中学生にならなければ黒帯が受験できないのは、柔道などと同じです。

空手の型動作などが上手いだけでは実際の護身における実力があるとはいえません。
審査では現実に即した実力を判定しているということとあわせて、精神的にも安定していることが大切で、少年部といえども、最上位の黒帯を締める資格としは、我々のような武道団体から見て、小学生では不十分であると判断しています。

また、昇段の受験資格に関しては大道塾では支部長の判断により、支部ごとに異なっています。

横須賀/湘南支部での昇段の受験資格が得られる年齢が遅いのは、常設道場お構えておらず、毎日稽古をすることが出来ないことと、素質があるからと言って早々に黒帯を受験させることは、武道家としての学びの上では、団体の黒帯の価値を下げてしまう可能性があるとの判断からです。

また、中学三年生で受験に臨むには、いわゆる文武両道が実践できなければ、そもそも審査会を受験することは出来ません。

逆を言えば、この時期に昇段審査を受験し黒帯になる事が出来るということは、まだ子供ながらにも、十分な文武両道を成し遂げた事になり、ここでやっと、黒帯を締める資格が得られます。

中学生になるといろいろな学校の行事や催し、そしてクラブ活動があり、受験に向けての勉強や塾に通ったりといった忙しい時期を過ごすことになり、体調不良も起こりがちです。

そんな中で黒帯を取得するには、まずは継続的に稽古に参加し、中学部で大人に交じって稽古を行う事で、大人の方々への接し方を学び、学校行事をこなし、クラブ活動も両立し、しっかりと家族や学校など、周りの方々の納得のいく程度に勉強にも勤しんでいく必要があります。

今回、塾の都合で久里浜にも出稽古に来ていた追浜道場のH君が、昇段審査に挑戦しています。

最終的な結果はまだ総本部から届いていませんが、参考試合を除いては負け試合が無ながらも、非常に厳しい10人の連続組手を完遂したことは、他の中学部の子供達にも良い見本になり、とても良い影響を与えたものと思います。


今回、久里浜中学部で今回の審査会を受験した7名の稽古生は、内容的にも十分な活躍が出来ていたと思います。

中学部のクラスは大人と一緒に稽古をしていることもあり、審査後のお楽しみゲーム大会の時間はありませんが、審査会二日後の久里浜の稽古にも、審査で足を痛めた1名を除いて6名全員が、当たり前に元気な表情で稽古に参加しています。

それだけでも、十分な心の成長と言えると思います。


しかし皆さん、とても逞しくなりました!

小学校卒業時期の仲良しクラブ的な雰囲気からは、見違えるほどに大きな成長を見せてくれていいます。


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「勝って驕らず、負けて腐らず!」
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これからも各自の目標に向かって頑張って行きましょう。




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9月から10月頃の各クラスの様子 久里浜少年部

2024年10月14日 | 幼少年部 稽古日誌
現在、支部内の3つの少年部のクラスは全て、とてもまとまりのある良いムードが形成されていますが、中でも久里浜少年部は平均年齢が高いこともあり、充実したクラスになっています。


コロナ渦の影響もあり、審査会が行えず、稽古が行えず、また、体育施設の修繕工事で2年近くも体育館の利用に制限が出ていた時期があったにもかかわらず、そのほとんどの稽古生が脱落することもなく、元の活動場所である体育館に戻ってこられたことは、保護者の皆さんのご理解とご協力による力が大きかったことと、子供たちの粘り強さが実を結んだことと思います。

体育館に戻ってきた時の喜びは、皆にとってもとても大きなものがあったと思います。


私自身、2023年に久里浜の稽古をスタートした時点の事を、懐かしく感じ入ることになり、感傷深い思いが胸にこみあげてきました。


復帰したタイミングで一人また一人と幼年部の子の入会があり、現在は幼年部3名、少年部19名の子供クラスです。一般部と一緒に稽古をする中学部の生徒は9名在籍しています。


メインで利用している、横須賀南体育会館が利用できない間、人の出入りの管理が厳しい自衛隊の久里浜駐屯地を利用したり、最寄駅から二駅も離れたコミュニティセンターを利用したり、時には、とても小さい体育施設を利用する為に、少年部を二クラスに分けて利用したものの、それでも入りきれないほどの人数で利用して、施設側から顰蹙を買ったりと、色々な出来事がありました。

過去には施設の利用が出来ずに、屋外稽古として、海岸までランニング、公園で基本稽古と補強運動などをしていた時期もある久里浜少年部です。

皆さんそれは逞しくなるはずですね。

稽古が出来ない時期が多くあったため、技術的には不十分なところもあるものの、小学校の高学年になるに従い、逞しさが増してきたているように感じます。

審査会でもみな、とても活躍が出来ていたように感じています。


審査会後のお楽しみゲームの日は、またそのはじけ方が物凄く大きく、皆しっかりと楽しめたと思いますが、こうしたメリハリが大切だと改めて感じます。

時にはビシッとして、時には悪ふざけをして楽しんで、時にはしっかりと汗を流して大きな声を出し、しっかりと稽古を継続していくことで、これだけの変化がみられるのは、私としてもとても大きな喜びです。


体格が大きい小学6年生のA君は、小学生にして昇段審査の相手を務めました。
稽古中の休憩時間にも型練習に力を入れているとても礼儀正しい女子のAさん。
これまで組手では前に出れなかったO君の組手審査での闘志と切れの良い動き。
同じく組手審査が苦手だった野球少年のS君の頑張り。
細身ながら選手クラスでも稽古を始めたS君も、相手に負けない闘志を見せていい戦いを見せてくれました。

初めて審査を受けた引っ込み思案の女の子のYさんも、無事に審査をし終えることができ、審査後の稽古にもしっかりと参加してくれました。


最年少男子のD君は、まだ自分に対する自信が築けていませんが、同学年や年下の子たちが入会してくると、また本人の気持ちに変化が表れてくると思います。頑張るときに動きには切れがあり、覚えることは比較的早いのですが、ここで稽古を頑張っている自分というものを、認識できるように、自分に自信が持てるように、時間をかけて見守っていきたいです。


少しずつ涼しく過ごせる日が増えてきて、稽古にも身が入ります。

頑張って行きましょう。





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9月から10月頃の各クラスの様子 久里浜幼年部

2024年10月08日 | 幼少年部 稽古日誌
横須賀南体育会館の利用が再開され、1年ぶりに再開した久里浜幼年部。

最近、ひとり入会者が増えて、合計で3人の幼年部となりました。


皆お友達というかお知り合い同士ですが、声を掛け合ってこられた方々ではなく、皆さんそれぞれで、このクラスに見学で来られて、そこで再開された方々です。


我々の道場では、それほど大っぴらに宣伝活動は行っていません。

聞くところによると、学校の前でチラシを配ったり、広報雑誌に宣伝募集の広告を掲載をしたり、町の掲示板に大きく張り出したり、SNSなどで宣伝をしたりと、どこの団体も人集めには必死です。

時にはキャンペーンを大きく宣伝し、入会金を無料にしたり、道着やサポーター類をプレゼントしたりと、金銭面でのお得感をアピールした宣伝活動を行っているところもある様子です。

我々も募集方法には少し気を使いますが、そのほとんどが、ホームページを見られたか、体育館(もしくはゴールドジムのクラスではスポーツジムの広告)を見られるか、後はご紹介が多い様子です。

ホームページを見られた方には、支部の指導方針や活動状況がある程度伝わっていることもあり、見学や体験で来られた際の感触がとても良い印象です。


入会される方は、皆さんしっかりと団体を選んでお越しいただいていることもあり、稽古生の継続率が高いのは、何処の空手教室よりも、もしくは他のスポーツ団体と比較しても、とても高いと思います。

幼年部は、習い事を始める上での入り口としての、稽古参加の習慣を身に付けるためのクラスになりますので、それなりに楽しく、時にはちょっと厳しく、同じ技の繰り返しでも飽きないように工夫を凝らし、何よりも ”心が立つ” ような心掛けを行っています。

少年部へ編入するタイミングが早すぎたり、周りの子よりも少し遅れて、小学生の高学年位で入会する場合などは、馴染むまでに少しばかり時間がかかることもありますが、それでも稽古を続けていれば、継続的に習い事に通い続ける心の粘り強さが、少しずつ身に付いてきます。


我々の道場の良さは、子供クラスも大人のクラスも、「誰かを置いてきぼりにしない」というところが大きな特徴だと思います。

昇級のスピードには個人差がありますが、全体での仲間意識の形成を心がけており、たとえ特別に仲良くしている子がいなくとも、一人一人の居場所作りができる環境づくりを目指しています。


現在のこのクラスは、とても覚えの早い一つ年上の女の子と、ちょっぴり物覚えに時間がかかりそうながら、愛嬌のある男の子と、その子と同学年の新しく入会した元気いっぱいの男の子がおり、まずはこの子達でいいムードが出来てくればよいと考えています。

仲間は少しずつ増えてきますので、一つひとつ、楽しみながら身に付けていけるように頑張って行きましょう!






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帯と所属クラスの区分に関して

2024年10月08日 | お知らせ
大道塾では、クラスの区分にわかりにくいところがありますので、ここで一度、細かくご説明申し上げたいと思いますます。


『帯の区分(審査会区分)』と、『大会での区分』と、『参加する稽古のクラスの区分』などで、名称の使われ方が異なりますので、ここで一度整理してご説明いたします。内容は大道塾の公式ルールではなく、一部、支部内で決められたルールとしての説明になります。


1.『帯の区分』

帯の区分としては、大きく少年部と一般部の二つに分かれています。

少年部の帯と一般部の帯は共通ではなく、それぞれに異なっており、少年部から一般部に編入するタイミングで、改めて一般部基準の帯に変更になります。

また近年、中学生の稽古参加者が増えてきたことで、少年部の枠の中に「中学部」という名称を用いることがありますが、大きな括りの中では、中学生は少年部のクラスに区分されます。

また幼児や、小学校低学年の子は、少年部とクラス分けをする場合には、幼年部という名称を用いることがありますが、大きくは少年部の区分にはいります。


中学生以下の稽古生が取得できる帯は、少年部の帯になります。

高校生以上は、一般部での審査受験となるため、帯の区分上は一般部となりますが、高校生までは、U19という括りのジュニアクラスの大会に出場することになるため、大会ではジュニアクラスの区分になります。

また、近年は「シニアクラス」という名称を用いていますが、元々は「ビジネスマンクラス」という名称を用いて、年齢の高い方を区分するために用いていたものです。

シニアクラスは、審査会の組手審査の対戦相手の調整や、大会での出場枠を区分すること、また体に着用するサポーターを手厚くしたり、試合で戦う時間を短くする事で、怪我の危険性を減らし、体の負担の軽減に努めています。

しかし帯としては、シニアクラスも一般部の帯になります。

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<帯の区分>
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 ■一般部 … 一般部(高校生以上)
      … シニアクラス(ビジネスマンクラス)…年齢が高い目の方

 ■少年部 … 幼年部
      … 少年部
      … 中学部
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2.『大会における区分』

大会における区分としては、「ジュニアクラス」、「一般部」、「シニアクラス」、「女子部」などの区分があります。

通称として「少年部の大会」など、「少年部」という名称が用いられることもありますが、基本的には、高校生までをジュニアクラスとして一般部のクラスとは区分をしており、比較的年齢の近い者同士で対戦できるよう配慮がなされています。

高校生は、大会に出場する場合は少年部(中学部)で取得した帯を着用することが認められていますが、審査会では一般部としての受験になるため、高校生の間は一時的に、少年部(中学部)の帯と一般部の帯の二つの帯(級・段位)を保有することになります。

その為、支部内では少年部(中学部)で黒帯を取得している子は、一般部としての級を保有する者であっても、ジュニアの大会に出場する時や、少年部の行事にスタッフとして協力する場合、また、ジュニア選手クラスの稽古に参加する際には少年部の黒帯を締め、一般部の稽古に参加する場合は、一般部で取得した色帯に締めなおして稽古に参加しています。


何ともややこしい話ですね…


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<大会での区分>
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 ■ジュニアクラス … U9 (小学生で、9歳未満の者)
          … U11(小学生で、11歳未満の者)
          … U13(主に小学生で、13歳未満の者)
          … U16(主に中学生で、16歳未満の者)
          … U19(主に高校生で、19歳未満の者)

※ 他のスポーツの表記と異なり、「U」の表記は「以下」ではなく「未満」を表す点に注意が必要です。

小学生は2学年ごと、中高生は3学年まとめての区分になる事が多いですが、参加される大会に応じて、もしくは出場人数に応じて、より細かく区分されることもあります。         

 ■一般部(高校卒業生以上) … 出場年齢に上限はありません。

 ■シニアクラス(ビジネスマンクラス)… 概ね35歳以上の方。ただし希望に応じて、30代から50代、中には60代の年齢の方でも一般部の大会に挑戦される方もおられます。年齢で厳格に区分されるわけではありません。

 ■女子部 … 高校卒業者以上の年齢(概ね18歳以上)の女性が参加するクラスです。
実力に応じて、高校生が出場する場合もあります。一般的に高校生以下は、女子部のクラスではなく、ジュニアクラスの女子の区分に入ります。
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尚、ジュニアクラスは、大会によってはより細かい年齢で区分されることもあるようです。

大会の中での区分は、出場者の人数に応じて区分けがなされています。



3.『稽古区分』

稽古区分としては、支部内では、幼年部、少年部、一般部(中学部含む)、シニアクラス、ジュニア選手クラスの5つのクラスが存在してます。

幼年部のクラスは、5歳以上で小学2年生くらいまでの子が参加可能です。2年生の前後から少年部のクラスへの昇格が見込めることになりますが、長く稽古を続けていて、集中力が付いてきた子は、早めに少年部へ上がることがあり、一方で、年齢が高くとも、幼年部に在籍して、体と心の調整を行う事もあります。

早く少年部に上がることが良い事ばかりではなく、あまりに幼年部に長居することも、必ずしも良い事とは言えません。本人と保護者の希望を交えながら、指導者側で判断して参ります。

少年部のクラスは、基本的には幼年部から昇格した子たちや、高学年で大道塾に入会された子たちが対象となります。

基礎練習ばかりを行うわけではありませんので、幼年部のクラスを経験していない子は少し大変ですが、考える力の付いてきた子たちであれば時間はかかりますが、少しずつこのクラスの稽古に付いてこられるようになります。

一般部の稽古には、中学生の参加が認められており、一般部の稽古に参加する中学生は「中学部」という扱いになります。尚、まだ自信のない子や体力のない子、まだ技量が足りない子などは、少年部での稽古参加も認めており、その場合は、少年部のクラスに参加する中学生として、審査では「少年部」の区分での受験となります。

また、一般部の稽古には年齢層の高めのシニア世代の方も参加することが出来ます。現在は、横須賀/湘南支部では、60歳代までの方が一般部の稽古に参加されています。


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<稽古区分>
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 ■幼年部 … 5歳以上、小学2年生くらいまで

 ■少年部 … 概ね小学2年生以上、中学生まで。

 ■一般部 … 参加を希望する中学生から、高校生、大学生、社会人、シニア世代を含む

 ■シニアクラス … 概ね45歳以上の方。ただし、初心者の方や体調の悪い方の他、基礎練習を中心に取り組みたい方や、型稽古も行いたい方など、シニアクラスの稽古のペースに合わせられる方であれば、どなたでも参加可能です。

 ■ジュニア選手クラス … 小学5年生以上で、高校生まで。小学4年生は、5年生に上がる直前の1月から参加可能です。
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尚、稽古区分は支部ごとに方針が異なりますので、上記の内容はあくまでの、横須賀・湘南支部の区分になります。


区分に関して、疑問をお持ちの方の参考になれば幸いです。




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我が家の娘について

2024年10月07日 | Weblog
最近の私の娘について、少し思う事を書いてみたいと思います。
(幸い私の妻も娘も、読むのが面倒くさいのか、私のブログはほとんど読んでいないので問題はないと思われますが…)



1.試合には弱い娘。

支部審査会では、少年部の審査でも組手審査の時には、試合形式に審判員を配置して審査を行っています。

審査会での組手ですから、もちろん引き分けありきの判定をしています。


私の娘は、稽古の出席回数が他の子よりもかなり多く、また身長も比較的高いこともあり、基本的には年上帯上の男子と対戦する事が多いです。

時には、年下や帯下の子にあたる場合もありますが、その時でも比較的体格の大きな男子、もしくはとても動きの良い男子の相手をさせることが多いです。

そうなうると、なかなか試合で勝ち星を飾ることが難しく、かといって、体格に差のない年下帯下の子の相手をした場合があったとしても、それでもなかなか試合で勝ち星を得るのが難しいのが我が娘。


私なりに分析してみると、「思いっきり相手にパンチや蹴りを当てる」という行為が苦手で、どうしても無意識的にブレーキがかかってしまっている様子です。

普段の我が家では、冗談ばかり言っている父親の私に無表情で、もしくはムッとした顔をして蹴っとばしてきたり、腹パン(お腹にパンチ)を繰り出すその強さ、また自宅でミットを持ったときに受ける、突き蹴りの技の強さとは異次元の、か弱さを試合では見せてくれます。


「相手を強く叩けない」という感覚。


実は私も若い頃の一時期、そうした感覚を味わったことがありました。


「えっ、本当に強く蹴ってもいいの???}


という不安にも似た、違和感のある気持ちを持っていた時期があります。

私はかなり早くそうした気持ちを解消できましたが、武道の試合は、そうした厳しさも大切な学びの一つだという事が認識が出来る事で、気持ちの整理をしてきたという覚えがあります。

黄帯から緑帯に上がった当初も、ルールが変わることで、上段(頭部)への手技の攻撃(パンチ)が認められる時でも、最初はかなり躊躇しながら相手に攻撃をしていたことを記憶しています。



少し話が飛びますが、大道塾という団体の威信を示すためにと、他団体との交流戦を「WARS(ウォーズ)」という名称の催しを通して行っていた時期がありました。

キックボクシング団体の選手に挑戦した時期があり、その後には、総合格闘技の黎明期に、総合格闘家のプロの選手との対戦をすることが団体として決まり、私が代表選手の一人として選ばれて出場することになりました。

ある総合格闘技団体に所属する当時のプロランカーの1位に君臨していたK選手と、都合2度にわたり対戦をしましたが、タックルに来た相手をひっくり返して、仰向けになっている相手の上から、頭部にパンチを打ち下ろしている自分の姿に、嫌悪感にも似た、実に嫌な感触を味わいながら試合をしていたという思いがあります。

武道団体の大道塾では、倒れている相手に「極めの動作」(相手に直接当てないで、突きの動作をする)ことでポイントとなり、倒れている相手を直接加撃する事はありませんが、総合格闘技の試合では、相手が戦意を喪失するかレフリーが止めない限り、相手が顔中に流血をしていても、無情にパンチを振り下ろすことになります。

「どうして自分は今、こんなことをしているのだろうか?」

「こんなことをするために大道塾という武道団体に入ったのか?」

などと、当時は言葉では表現できない大きな違和感を抱きながら戦っていたという思いがあります。

現在、総合格闘技が広く行われておりますが、大道塾も格闘技の要素を多く備えた実践的な組手スタイルを持っていることもあり、団体の強さを示す一環として必要な試みだったのかもしれま。

しかし、それでもそうした経験も私の心の中で、一般的な格闘技とは一線を画する、道場の確立を目指す一つのきっかけになったことを思い出します。

そんな思いもあり、総合格闘技のプロ選手に勝利した後ても、他団体の競技には気持ちがぶれることはなく、その後も団体主催の競技に専念する選手生活を送っていました。

大道塾の支部の責任者として稽古指導に当たる日々を過ごしている私ですが、実は戦うこと自体には心から喜びを得られる性格ではないのかもしれません。

ではなぜこの団体で指導者をしているのか?

それは、技術的な攻防じたいは楽しく、少しずつ時間をかけて自分の技を磨いていくことには喜びを感じるという事。

そして人が優しさを行使するには、精神的にも肉体的にも強さが必要であるという認識と、必死に自己修養に努め、礼儀正しく、礼節を通して身を守る術を得ることの大切さを、心の深い部分で感じている為です。

娘の戦いにおける弱さはというのは、何だか私に似た部分があるのかもしれまない…。


話は戻りますが、、



2.人前で自分が出せない娘。


自宅でこれだけ活発に、自由奔放に過ごしている娘が、いざ学校や、友達の前や、稽古に参加する時には借りてきた猫のように大人しくなってしまう。

習い事に出向いた時も、その大人しさが際立っており、良く笑顔を見せてはいるものの、実に物静かな姿が見られます。



3.ある意味で、自分を持っている娘。

幼稚園の年中さんの終わり頃から支部の稽古に参加するようになり、幼年部から少年部、そして中学部と進み、現在中学一年生となる娘は、日曜日の選手クラスにも参加しています。

争いを好まない子ですが、真面目に技術を事自体は、楽しい様です。

横須賀支部の稽古の時には、家族で稽古場所まで向かう為、ごく当たり前に、横須賀支部ほぼすべての稽古に参加しています。

時には稽古に行くのが嫌になりそうなものですが、今現在、辞めたいという話は一度も聞いたことがなく、習い事として通っているバイオリンも、幼児の頃から今まで長く続いています。

こちらの習い事も、辞めたいという思いは無さそうですが、どちらもそれほど意欲的なわけでもなく、かといって、サボってばかりというわけでもないのですが、楽器系の習い事は自宅練習が欠かせず、家での練習に身が入らないことを母親にはきつく怒られながらも、それでもそれなりに、楽しみながら続けています。


大道塾もバイオリンも、7年ほど続けており、バイオリンに至っては、数年前から練習を始めた私など足元にも及ばないほどに、上達をしています。


学校では特定の友達とつるむことなく、最近は専ら読書に専念し、友達に流されるという事はなく、現在、通学時には女の子ながら、今年から認められるようになったズボンを履いて中学校に通学をしています。

大人しいながらも、学校の役員などには積極的に参加して、何かと忙しく過ごしている様子です。

学校帰りに、迎えに行った車に乗って、横須賀の追浜や久里浜の稽古、もしくはバイオリンのレッスンにそのまま向かう娘には、家でまったりとする時間はあまりありませんが、気に病むことはなく、当たり前の日常として受け入れている様子です。


学校への通学では、発達の遅れのある学級に通う女の子が、若菜を迎えに来ます。

小学校の通学の時もそうでしたが、低学年の頃は、休憩時間になると支援級のクラスに遊びに行っていた様子で、どうもそうした子達に好かれている様子。


家ではいつも、ノホホンとして過ごしている娘ですが、学校などで、相手の気持ちを上手く汲めなかったり、クラスに馴染めない子たちがイジメに似た行為にあうのを見聞きすると、家で一人、プリプリと怒っていたりします。



4.素質的にやや問題があるが、とても逞しいところがある、私に似た要素のある娘。


物事のコツを覚えるのが苦手で、かなり時間をかけて、やっとのことで色々なコツを身に付ける娘は、皆に遅れても、それほど焦ることもなく、得意な分野でも有頂天になって自慢をすることもなく、日々、ほんのりとした気持ちで毎日を過ごしている。


物覚えが悪いのは、残念ながら父親の私に似たところがあるようです。。。



5.独特な感性を持つ我が娘。


家庭にいるときには時にボクサー宜しく、シュッ!シュッ!と綺麗なパンチのシャドーなどをニコニコしながら楽しそうにしていて、それがなかなか様になっていたりする。

車の中では、色々なクラシック音楽に交じって、新しい曲から古い曲まで色々なジャンルの音楽を聞いている。

友達とカラオケに行った時など、演歌などを歌って、友達から「わー、おとな~」などとからかわれていたりする。

バイオリンのクラシックの曲は数多く聞いているが、「ココ! ココ!」、「ここのところが良いんだよね~」と、目を閉じて感傷に浸り、自分の特等席となっている車の助手席に座って、同じ曲を何度も聴いている娘。

因みに、私自身は子供の頃、歌謡曲化アニメソングが専らで、クラシックなどは聞いたことがありません。


学校では木琴を担当したり、授業で習う縦笛を、稽古に向かう車の中で大きな音で吹き鳴らして練習していたり、また、学校で学ぶ合唱の歌を、車の中で大きな声で熱唱したりして、色々なものに関心を向けている娘。


妻の影響でNHKドラマを見たり、難しい心理的な番組や込み入った話の小説を読んだり(最近は、ダニエル・キイス著『アルジャーノンに花束を』など)、親に同じ本を読むようにせがんでは感想を求めてくる、、、。

読む速度が遅い私には、わずかな時間を見つけて全てを読破するのはなかなか大変なのだが。。。

広島の原爆ドームや資料館を見たいと言うので、家族で広島まで旅行をしたかと思えば、今度は「プリキュアの新しい映画が出た!」と言って、中学一年生にしてアニメのプリキュアの映画を見に行くこともあります。


もともと関西育ちであるの私の影響もあるのか、私が撮りためた録画番組の中から、お笑いの「よしもと新喜劇」の番組を自分で勝手に再生して見ていて、腹を抱えて、ひとりで大笑いをしていたり…


一体全体、将来はどんな大人になるのだろうか,、、

時に不安になったりする今日この頃です。



最後に、

審査会で激しく戦った後の翌週に行われた、音楽の発表会での様子の映像をご紹介します。
(後日、娘に見つかって本人からの反対があったりすれば、映像を削除しますので、その時はあしからず・・・)

家ではあまり練習に熱が入らず、あくまでも趣味で続けているという娘が、なかなか感傷的な曲をとても上手く弾いているように感じます。





プロの目線で見れば、まだまだ未熟なのかもしれませんが、普段から遊び半分? で練習しているにしてはなかなかの雰囲気で弾けているように思います。


久しぶりの発表会に、


私はすっかり感心して、聞き入ってしまったひと時でした…。




この記事は、審査会の組手審査で、いつも十分な結果が得られず、少し伸び悩んでいるように見える娘のフォローを兼ねて、この記事を書いています…




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