欧州中銀、15兆円緊急供給・サブプライム沈静化狙う
【ベルリン=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)は9日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を契機とした信用不安の発生・拡大を防ぐため、欧州金融市場に約948億ユーロ(約15兆4000億円)を緊急供給した。高リスクのファンドの解約申請や金融株の下落が続く中で、市場不安を緩和するのが狙い。ECBによる大規模な緊急資金供給は2001年の米同時テロで金融市場が世界的に動揺して以来初めて。米国とカナダの金融当局も協調する姿勢を示している。
ECB当局者は緊急措置の目的を「市場のひずみの微調整だ」と説明。サブプライム問題との関連については「コメントできない」と述べた。直接的な言及を避け、市場の不安を緩和する意図とみられる。
ブッシュ米大統領は9日の記者会見で「米市場には十分な流動性が供給されている」と述べ、米金融市場には不安がないとの認識を強調した。一方、カナダ中央銀行は同日、「金融システム安定のため、十分な流動性を供給する用意がある」との声明を発表した。 (01:06)
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0902Y%2009082007&g=MH&d=20070809
FRB、240億ドルの資金供給・信用不安拡大歯止め狙う
【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は9日、傘下のニューヨーク連銀を通じ、米金融市場に総額240億ドル(約2兆8000億円)の資金を供給した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする信用不安の広がりに歯止めをかけるため、通常より厚めの資金供給に踏み切った。
FRBは今回の資金供給を通常の市場操作の一環と位置付けており、2001年9月の米同時テロ後のような緊急措置とは考えていない。1 日当たりの供給量としては4月25日の345億ドル以来、約3カ月半ぶりの高水準となるが、7月以降も200億ドル近くの資金供給を4回(今回は除く)実施している。
欧州中央銀行(ECB)が同日、欧州金融市場に948億ユーロ(約15兆4000億円)の緊急資金を供給したため、FRBも通常操作の枠内で市場の安定に協力したとみられる。カナダ中央銀行も同日、16億4000万カナダドル(約1800億円)の資金供給を実施した。(10:40)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070810AT2M1000O10082007.html
日銀、1兆円供給し公開市場操作・サブプライム問題受け
日銀は10日午前、短期金融市場に即日で1兆円を供給する公開市場操作(オペ)を実施した。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を受け、市場金利が上昇しやすくなっているためだ。前日には欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)が相次いで資金供給を実施しており、これに追随する形となった。
金融機関同士が資金をやり取りする無担保コール翌日物の市場では、取引が始まった直後から日銀の誘導目標(0.5%)を上回る 0.53%前後が取引の中心となっていた。欧米市場でサブプライム問題に絡む信用収縮懸念が広がったことで、外国銀行を中心に資金を多めに手当てする動きが出ている。資金の出し手である国内銀行は運用にやや慎重になっており、金利が上昇しやすくなっている。
これを受けて日銀は即日の供給オペを実施。その後も金利は0.52―0.53%程度で推移している。日銀は「金利上昇を抑えるためのオペで、海外の中央銀行と協調したわけではない」(幹部)としている。(11:02)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070810AT2C1000110082007.html
今朝のダウの大暴落はECBが米のサブプライムローン問題から波及した信用リスクに対応するため緊急的に約15兆円の資金を市場に供給したことが、サブプライム問題の直接の原因であるアメリカのマーケットの不安感を煽ったことが原因のようだ。ダウ平均は-387$と今年2番目の下げ幅を記録し、前日比約3%マイナスの13270$で取引を終えた。またヨーロッパの市場も前日比2%を大きく超える下落となり、その影響でユーロ円は一気に円高に傾き現在161.35円/ユーロとなっている。
また日本時間で午前未明、米FRB・日銀ECBに続いて兆単位の資金を金融市場に供給する公開市場操作に踏み切っている。これはECBが15兆もの大量資金を市場に供給したことで、需給バランスが崩れ長期金利や為替などが一気に急激な変動をするのを防ぐためだと考えられる。
今日の日経平均株価は午前の終値で前日比448円マイナスの16,721.96円。強かった16800円のラインも割り込み底は見えない状態。再び17000円を回復するためにはアメリカ・ヨーロッパ株が安定的に大幅な上昇を持続することが必要だが、最近の傾向としては100・200$、とじわじわ上げた後、少しでも悪材料が出れば300$以上一気に下落をするという極めてセンシティブな状態にあるためあまり期待はできない。
また現在の他の外部環境は以下の通りだ。
為替 118.15/$ 161.40/ユーロ 239.03/£ 100.19/豪$ 88.16/NZ$
CME NIKKEI SEP07 16860.0 +5
原油 07/09 71.54 -0.05 08/10 11:16
原油は過去最高の1バレル78$を記録したところで頭打ちになりこの一週間で大幅に下落した。そのため商社・鉄鋼・海運・非鉄・造船など資源関連株が軒並み下落していて特に商社・海運の下げは強烈。5月あたりから一気に伸びた銘柄は下げるときも最速ですな。アメリカの景気減速とともに資源バブルもここまでか・・・。
今後のキーポイントはやはり今月22日に日銀の利上げがあるかどうかです。この乱高下で不安定な相場の中、果たして日銀が市場の予想通り利上げに踏み切れるか?今日の下げは既に利上げを織り込んでいそうな気もします。だとすれば22日までは円高に振れていく可能性は高いような気もする。