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豚骨鍋の徒然なる日記

豚骨鍋による日々の生活とか社会情勢についてだらだらと綴る
その辺によくある特に何の変哲もないブログ

続く円高

2010-10-09 10:52:06 | 経済・金融、マーケット
とうとうドル円81円台突入しました。アルゼンチン戦勝ったところで速報流れてびっくりしました。

今度は政府の為替介入はないんでしょうかね、9月の介入の時に仙石官房長官は83円が防衛ラインだと言ってたのに。
欧米が中国に対し人民元相場の切り上げ迫ってるところだからあんまりやり過ぎると大目玉を食らいかねないということでしばらく静観するんだろうか。
まあどの道今の米国経済事情を考えると、中期的(1年~2年)の円高ドル安傾向は変わらないのではないか。
輸出はある程度伸びてても肝心の雇用や住宅など内需の景気が盛り上がらないからFRBはまだまだ利上げできない、むしろもっと緩和(国債買い増しなどで)する方向。
それに対して日本の中銀も金利下げ幅ないし(ゼロ金利だから)、日銀はFRBより国債買い増しには消極的だ。米国経済の内需(雇用・住宅)が本格的に回復する(と、市場が判断する)まで米国が利上げすることはない。つまりその時点まで円高傾向は続くということだ。
米国の長期金利(10年債利回り)はまだ2%台であり1%を切ってる日本よりもまだ下げ余地がある。ドル円価値の差がどんどん詰まっているということで、ドルは売られる。

ということで70円台が目前に迫っている。1995年につけた79円が過去最高値であり、市場はこの水準を強く意識するだろう。市場が予測不可能な突発的な事態でも起こらない限り80円前後でしばらく相場は推移するんじゃないだろうか。

日本の長期金利について

2010-07-30 14:51:53 | 経済・金融、マーケット
長期金利とは普通、10年物の国債(実質)利回りのことを指す。国債は国(財務省)が発行しており、2年物から30年物まで期間毎に大量に発行されている。
財務省は税収だけでは歳出に見合う資金を確保できない時、国債という有価証券を発行し、市場から資金を一時的に借りて、足りない分を穴埋めするのである。

その国債を売る対象となるのは基本的に銀行や保険会社、年金資金を運用するファンドなどとにかく金をたくさん持っている企業である。
銀行はあなたがた個人の預金者に対して利子を払わねばならないが、その預金を活用してお金を増やさなければ利子分だけ損を出してしまう。そこで国債など利率は低いものの預金の利子分くらいは利益が出る金融商品に投資して運用しているのである。これを逆から見るなら個人(や企業)が銀行に預金すればするほど、銀行は国債を買う力(購買力)が増大することになる。「将来不安だ」「年金なんてもう破綻する」「いつクビを切られるか分からない」最近このような声は日本だけでなく世界各地どこでも聞かれることであるが、将来を悲観すると目の前のことより先のことを考え、できるだけ資金を蓄えておこうとする。(堅実な人が多い日本では特にそうだ)お金が消費に回らず貯蓄に回り、つまりは銀行に回る。銀行に回った金は次にそれを運用するため国債に回る。何のことはない、政府が借金している相手はつまるところ私たち日本人なのである。

ここに日本の長期金利が上がらない理由が存在する。
日本政府の抱える借金は甚大だ。国・地方合わせ国債債務残高800兆円強というとてつもない額で、国がもつ資産から引いたとしても純債務で500兆円程度である。財政の健全性を示すのによく使われる指標が国債残高対GDP比である。つまりはその国の持つ年間の経済力に対して借金がどれくらいあるかということだ。日本はこの数値が約180%ということで先進国(G7)の中で最悪の水準である。最近財政問題になっているギリシャよりも数値の上から見れば酷い。しかし長期金利の水準はなんと先進国中一番低い。ギリシャは10%の大台に乗せ、アメリカやドイツでさえ3%程度はある。日本の長期金利は現在1.05%ほどであり歴史的な水準であるといえる。
長期金利が低いことには色々なメリット・デメリットがある。メリット、つまり恩恵を受ける側は当然ながらお金を借りる側である。長期金利は民間のさまざまな貸し出し金利の基準になる。個人の自動車ローン・住宅ローン、あるいは企業の設備投資のための貸し出し金利までこの長期金利を目安に変動している。なぜかというと、個人や企業より国の破綻が一番リスクが低いと考えられているからである。国(の財政)に信用があればあるほどいろんな金利が低くなるといえるだろう。だから新興国と比べ先進国の金利は総じて低い。話を戻すと、要するに長期金利が低いと個人や企業がお金を借りて住宅消費や設備投資をしやすいということである。国債を発行し金を借りる国にとっても金利が低いことが望ましい。金利が高いと利払い費が増大して予算を圧迫するし、また新規国債発行もやりにくくなる。資金調達が仕事の財務省にとっては、金利が低くなければ困るのである。

次にデメリットについて考えると、それを被るのは逆に貸す側である。いくら金を持っていて銀行に預けても雀の涙ほどしかない。バブル期には5%や6%の金利であったことを考えると今の金利は詐欺とでもいいたくなる。逆に考えるとこれだけ低いなら預けても意味がない、むしろもっと利回りの高い商品(株や不動産)を買って運用しよう、というインセンティブが働くはずである。しかし、そうはなっていないのが今の日本なのである。海外では銀行がこれほど資金を持っていない。国内にそれほど国債を買える機関がいないため、外国の政府は資金調達ができないため、そこで海外政府は別の海外の投資家にも国債を売る。たとえばアメリカは発行国債の半分以上を日本と中国に買ってもらっている。どれだけ金利が低くてもやはり銀行預金である。この個人貯蓄率の高さこそがこの日本の長期金利の低さと密接に関連しているのである。日本の個人金融資産は総額で1300兆円ともいわれる。

ドル高=株高の時代は終わったのか

2009-09-29 11:31:39 | 経済・金融、マーケット
最近は全体的に円高局面のようである。
ドル円は90円を割り込み89円台、ユーロ円は130円台にまで円高になった。
その原因は主に次の二つだと考えられている。
1.FRBの出口戦略が長引きそうで、量的緩和の解除およびFF金利の正常化は当面行われないと市場が予想しているため。
2.藤井財務大臣が円高を嫌うというよりむしろ歓迎しているため、そこそこの円高になっても政府によるドル買い介入は行われないということ。

1は未だ米国の雇用情勢と住宅市場の軟調が示される統計を考えれば当然の判断であろう。早期に金利正常化をして景気回復の兆しの腰を折ってはいけない。今後も90年代の日本の金融政策の失敗に学び利上げには慎重な態度をとると思われる。
2の意図は良く分からないが、外需に頼って設備投資を増やしてきた昨今の製造メーカーには厳しい態度である。
ところでこの為替の動きで謎なのは株価が下がらないことである。今までならドルが売られることは即世界の株価の暴落につながっていた。しかし最近のダウ平均はドル安に釣られ崩れることなく強さを維持している。日経も10000円を割らずに高値を保っている。最近マーケットを観察しだした自分には不可思議な現象に見えるが、実はドルの強さと世界の株価が連動していたというここ数年の動きの方ががむしろ異常だったのかもしれない。

2009-06-08 17:03:18 | 経済・金融、マーケット
GMが国有化されたとはいえ各国ともども順調に株価は上がってきているようだ。
過去最大規模の額で各国が協調し、ケインズ流の公共事業に打って出たことは今のところ成功しているようだ。

今後注目すべきところは2つ
ひとつは景気対策の結果需要が生まれた原油、好物資源、農産物など一次産品価格が再び上がってきていること。
ガソリンはリッター100円切るか切らないかのところ値を底に現在120円くらいか。
もうひとつはアメリカの長期金利の上昇(つまり米国債が売られている)ことである。
数ヶ月前FRBがゼロ金利政策に打って出た際、米10年債利回りは2.5%をつけたのを覚えているが、そこから3.8%まで上昇した。
アメリカの大型財政出動に必然的に伴う財政赤字の拡大とインフレが懸念され売られているのだ。
長期金利の上昇は企業の設備投資の重しとなる。設備投資需要が頭打ちになればせっかく上向き始めている景気にストップがかかりかねない。その点で個人的には今一番注目しなければならない指標だと思っている。

サブプライム金融危機の実態は誰にとっても明らかになった。今度はアメリカの財政、すべてここが鍵だ。

FOMC

2008-06-25 07:30:17 | 経済・金融、マーケット
市場の予想通り据え置きでしょう。
問題は据え置きを受けて商品相場がどう反応するか。
もうこれ以上流動性が喚起されないのだからコモディティーには資金が流れにくくなると考え利益確定売りをする機関が多いのか、それとも逆に利上げしなかったことを好感しまだまだいけると考え更なる投機に走る機関が多いのか、ここが注目です。
それに商品だけでなく株価の方も注目、去年の8月以降FRBはFOMCが開かれる度必ず金利を下げてきた。下げない会議はなかった。それに呼応するかのように会議の後は株価も下げ止まり何度か上昇を見せてきた。それが今回初めての据え置き。

バーナンキ議長の発言(近いうちに利上げするかも的な)次第で、株も原油も↓に振れることはあり得る。原油も短期的にはいい加減天井だと思うのだけど、今のムードだとあと一段(150ドル)タッチはあってもおかしくない。

景気後退とインフレの狭間で揺れる中央銀行

2008-06-08 09:01:03 | 経済・金融、マーケット
中央銀行の役割はもとより、景気の調節と物価の安定化である。
資金の流動性を緩めることで景気を活発化させ、流動性を引き締めることで過熱感を抑えることが基本的な機能。しかし今の状態はそう教科書通りにはいかない。

例のサブプライムローン焦付きに端を発したクレジットクランチ問題、FRBは去年の夏から事態の深刻さを認識し一貫して利下げに踏み切ってきた。5.25→2.00でこの一年足らずの間に3%もFF金利を引き下げている。資金がじゃぶじゃぶに溢れ流動性が高まったことは、資本を増強し危機を乗り切らなければならない金融機関にとって大いに役立った。一方で金融機関が生きながらえている間、溢れかえった資金はあらゆるところに流れた。原油や穀物・レアメタルなど一次産品、二酸化炭素排出権、そして水資源・・・と、あらゆる投機対象に。食料・エネルギーが投機対象にされ価格がつり上がることは我々の生活に大きく影響する。電気・ガス料金や交通費、食料は生活する上で絶対に必要なもの、どれだけ高くても買うしかない。市場原理が働いて高いなら買わないなんてことは起こらない。賃金が上がらないなら代わりに他の贅沢品を買い控える。エネルギーも食料も他国に依存しきっているわが国の富が大量に産油国や農産物輸出国に流れる。
こうした状況を鑑みたFRBは利下げを打ち止めする方向だ。これ以上の利下げは更なる物価上昇を招く恐れがある。通貨価値の低い国から順番に貧しくなっていくのが今の状況。もう一度言うと、中央銀行の役割は景気の調節と物価の安定化である。こうしたインフレに対応するのはリセッションに対応するのと同じくらい重要である。

もう一度アメリカ経済が息を吹き返し、世界経済が上手く循環するにはアメリカの不動産マーケットにもう一度金が流れなければならない。しかし昨日発表された雇用統計は予想以上にひどいもので、アメリカ国民の消費がますます落ち込むことになるのは間違いない。生活必需品を買うのでさえ苦しくなってきているのに車や家の買い替えなど何を況やだろう。
また所得の問題もそうだが金利の問題もある。FRBの誘導で短期金利は随分下がってきたものの、住宅ローン金利の目安となる長期金利は一向に下がらないのだ。これは高まるインフレ懸念とアメリカ経済の先行きの不透明感から米国債が買われないからだ。FRBが今後利上げをしドル高になるようなことがあっても、国債が大きく買われなければ同じこと。長期金利の低下が新たな景気拡大を生み出すのだ。よって「強いドル」というだけでは景気は回復しない。いま儲かってる中東やロシアが米国債を買えばいいのだが(政治的なカードにもなるわけだし)、どうやらあちらさん方もドルの長期保有はリスクが大きいと考えているのか。

もっとも国内物価抑制(ドルを高くし輸入物価を安くする)のため近いうちに利上げしてくることは大いにあり得る。ECBもBOEも利上げしないではいられなくなる。もしかすると利上げできずにインフレに対応できないのは先進国で日本だけということになるかもしれない。

原油は最後のバブル商品になるのか

2007-11-01 09:15:36 | 経済・金融、マーケット
原油がバカ高い相場となっている。
WTIの原油先物価格はとうとう1バレル当たり瞬間で95ドルを突破した。去年、一昨年の水準では11月頃の価格は60ドル前後。それが今や95ドルを超えてしまっているのだ。前年より50%以上も高い水準でいまだに最高値を更新し続けているのはもはや異常というしかない。当然ながら原油高は私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼす。
特にエネルギーの海外依存率が85%以上の日本経済にとっては、景気悪化の圧力にしかならない。円高ドル安で115円前後の水準なのである程度輸入価格は相殺できているものの、今の水準が長引けば卸売り価格も値上げせざるを得ない。
そしてそれは家計の消費が弱くなりまた企業の収益が悪化することにも繋がる。

例えば代表的な石油製品、一番身近なものはガソリンであろう。以前に記事にも書いたが東京や大阪など都市圏に住む人はいざ知らず、地方で暮らす者にとっては車は絶対的な必需品なのだ。ガソリンはうちの実家では現在リッター約146円だそうだ。全国的にも同水準だろうが1バレル90ドルの状態が長引けば150円そして160円になるのも時間の問題だ。ガソリンは空の状態から満タンまで大体60リットル、ガソリンが1円上がると60円余分に支払わなければならない。一昨年などは今の時期120円かそれ以下だったと記憶している。その頃と比べると約30円違うから、1回ガソリンを満タンにするために1800円も負担が増えたことになる。燃費の悪い車種のユーザーはもっと大変であろう。月に3回ほど入れるなら5400円。2年ほど前に比べて今は年間約65000円も余分に出費している計算になる。
苦しいのは家計だけではない。クロネコヤマトでお馴染みのヤマトホールディングス、ペリカン便の日本通運など郵便事業を営む産業、またバスやタクシー業、あるいは空運業など運輸関連事業も当然ながら原油の精製品であるガソリン代やジェット燃料の価格が上がっているという理由で苦しい。激しい国内の価格競争のため送料や運賃を引き上げられないのにもかかわらずコストは増えるばかりだからだ。
他にも電力会社は、精製品である重油を火力発電の燃料としているため利益率は下がる。企業が原油高を吸収できない状況になれば、当然その影響は家計にも波及する。
現に、東京電力や関西電力などは原油高騰を理由に来年から電気料金を引き上げる予定だ。JALやANAなど空運業もいずれ運賃を値上げせざるを得ない状況になるだろう。

ではいったい何がこの商品インフレを生んでいるのだろう。

世界水準で見た日本の異常な低金利から生まれた円キャリー資金、中国・インドなど新興国への投資から生まれる利益資金、そしてFRBやECBによる資金供給や利下げでじゃぶじゃぶに溢れる資金が今ほとんど原油や穀物などの一次産品に向かっているからだ。この原油への資金のシフトが2005年くらいから続いた過剰流動性相場の最後の投資先になるのかもしれない。
8月に端を発した(潜在的にはそれ以前からあったのだが)サブプライム問題はクレジットクランチを生み、債券の流動性を止めてしまうという事態を招いた。信用不安から取引が成り立たずABX指数でもAAA債などプライム債以外は軒並み値を下げ、AA・A・BBB債の価格は今や8月の水準を下回ってさえいる。このことから債券など信用で成り立っている商品は先行き不透明感が目立つことになった。またCDO債をたくさん抱えているだろうヘッジファンドや投資銀行など金融セクター銘柄は買いにくい。ベアスターンズ(米)、BNPパリバ(仏)、ノーザンロック(英)、野村ホールディングス(日)、メリルリンチ(米)、、、と各国の主要な金融機関が最近軒並み株価を下げているのはそういう理由からだ。

ではどこに資金が集まっているのか、原油や穀物・鉱物など信用とは無関係なものが買われているのだ。(穀物高はバイオエタノールの需要増という理由もある)そして鉄鋼や海運、非鉄、商社など資源に関連した銘柄が買われる展開となっている。
多くのエコノミストは今の原油価格は季節的な要因を含めても実需を反映していない、と言う。
それはそうであろう、先にも書いたように例年の水準は60ドル前後である。新興国の需要が高まっているとはいえ、今はせいぜい70ドルタッチがあるかないかの段階のはずだった。つまり本当に原油が欲しいと思っているから買うのではなく、まだまだ原油が騰がると考え新しい投機先として原油を買う連中が多すぎるのだ。買っているのは、サブプライム債券を上手く売り捌いて既に逃げ切ったヘッジファンドや機関投資家などだろうか。いずれにしても金が有り余ってる会社だろう。

アメリカが金利を下げるたびに資金の流動性が増し、市場に資金が溢れかえることになる。さきほどFRBはまたFF金利を0.25%引き下げたばかりだがこの動きがまた原油が買われる理由になるのだろうか?それとも新たな別の投資先が見つかりそこに資金が流れることになるのだろうか・・・。
世界中にばら撒かれ価値を下げ続けているCDO債の行く末、原油の異常な高騰、そして中国・インド株バブル、、、これらマーケットリスクが今後どこに落ち着くのかはまだまだ不透明だ。



「原油が100ドルを超えてしまったら、アメリカ国民はろくにエアコンを付けることもテレビを見ることもできなくなる。」
アメリカの人気ドラマ「24 TWENTY FOUR SEASON5」の劇中でローガン大統領はマーサ夫人になぜテロに加担したかの理由を問われ、こう答えた。大統領は将来今よりさらに高まるであろうエネルギー需要の高まりを見据え、中東の石油利権を得て安定的に自国にエネルギーが供給されなければならない。そのためにはテロ組織の言うとおりに陰謀に加担するしかないと考えたのだ。
もちろん100ドルを超えても現実には生活が多少苦しくなるだけで普通に暮らすことはできるだろう。あくまで映画の中での設定だ。しかしこのまま各国がエネルギーの問題に胡坐をかいてエネルギーを原油に依存し続けて原油価格が120、130ドル、、、と上がっていけば大統領の話もフィクションではなくなる。
原油・石炭・天然ガスなど化石燃料に変わる新しいエネルギー、、、風力・波力・ソーラーなどクリーンな発電もいいが今のスピードの時代には合わないだろう。
効率の良い原子力発電の設置や核融合発電の研究開発に真剣に取り組まなければならない。
特に原子力を除けば90%以上も海外資源にエネルギーを依存している日本は他国以上にエネルギー安全保障について論議しなければならないと思う。

少し

2007-08-18 14:43:59 | 経済・金融、マーケット
~今回の経緯~

【格付け会社】
|格付け評価

↓   (リスク分散のためプライムもサブプライムも混ぜこぜにした債券'CDO'開発)
【CDO】←【住宅ローン会社】←(証券化商品=MBS)=======【高所得者ローン】【中低所得者ローン】

|(金融機関・ヘッジファンドに売る)

高利回りの商品のため世界中の金融機関・ヘッジファンドが挙って購入(日本も例外ではない)

金融機関・ヘッジファンドは証券化商品市場でCDOを高レバレッジで売買

サブプライムローンの焦げ付きが表面化、住宅価格も下落方向に

米住宅ローン会社ベア・スターンズが元本保証ができないほど損失が膨らんでいたことが分かる

S&P・ムーディーズがベアスターンズの格付けを下げる

金融機関・ヘッジファンドがCDO市場から撤退を試みる

しかしCDOの中身を見ると色んな商品が組み合わされていて正確な価値が分からないため売るに売れない

債券市場は信用で成り立っていた市場なだけに混乱して市場が疑心暗鬼になる

信用収縮のため証券化商品の流動性がなくなり、そうしている間にますます損失は拡大する

その影響で金融市場は安定感を失いマーケットは混乱する

仏銀行大手BNPパリバの傘下のヘッジファンドが多額の損失を抱え運営の凍結を宣言

市場に安心感を与えるため中央銀行が動く(FRB・ECBによる何十兆もの資金の投入)

逆にネガティブに受け取られ、事態の深刻さを悟った他のファンドも投げ売りしてますます混乱が広がる

FF金利の引き下げも視野に入れたFRBによる公定歩合の緊急引き下げで再び市場の不安心理払拭を狙う

とうとう

2007-08-18 14:11:48 | 経済・金融、マーケット
FRBが動きましたね。今日の新聞一面にも書いてある通り公定歩合を0.5%緊急利下げ。つい先日までインフレを警戒して利下げをしてこなかったFRBがここにきて素早い対応をしたのは事が深刻だからに他ならない。
でも今回下げたのは公定歩合であって銀行間のコール市場の誘導目標であるFF金利ではない。下げてこなかったのは未だインフレを警戒しているからでしょう。これが市場に安心感を与え発表直後上げ渋ったものの終値は前日比223ドル高の13079ドル。FRBの思惑通り最悪の事態はなんとか脱したというところか。
しかしこれは資金の流動性が確保されただけで問題の解決には至っていない。大病の発作に鎮静剤を打ったようなもの。金利を下げるだけでは今後もCDO債の大幅な含み損を抱えたファンドの破綻の連鎖は止まらない。なぜなら今の金融市場の信用収縮でレバレッジをかけたCDO債の損失は時間の経過とともに拡大していくからだ。ファンド破綻の連鎖を食い止めて世界経済の病を治せる、少なくとも軽微の犠牲で抑えることができるのはもはやFRB、ECBなど中央銀行の手腕しかない。