力士からタレントになった龍虎。
デブタレントや大食いタレントがいなかった昭和50年代。
元力士ということで大食いを期待されTBSのバラエティ番組「料理天国」に試食人として出演する。
料理界の東大、辻調理師専門学校の講師がつくる高級料理を食べる龍虎。
ただ食べる龍虎。
食べるだけで許される龍虎。
龍虎は東映テレビ朝日の時代劇「暴れん坊将軍」に龍虎という力士役で出演。
龍虎が龍虎を演じる、演じるわけでもなく存在しているだけで重宝されるという厚遇ぶりだった。
昭和ではやたら重宝されていた龍虎だったが平成になると風向きが変わる。
昭和末期から徐々に有能な芸人、タレント、元スポーツ選手が誕生していく。
ただ存在しているだけでも許されていた龍虎が無能に見えてきた。
次第に見かけなくなる龍虎。
千代の富士の連続勝利や若花田/若乃花・貴花田/貴乃花兄弟の出現によって大相撲が注目された平成初期。
しかし龍虎の姿は無い。
大相撲解説者として龍虎は呼ばれない。
昭和では代表的相撲関係者として引っ張りだこだった龍虎なのに平成になって現れない。
相撲以外でも龍虎を見かけない。
平成になって料理バラエティ番組が激増し大食い番組もできたのに龍虎は出演しない。
食べてもリアクションが小さい龍虎に代わって無尽蔵に食いまくる赤坂尊子がサブカル界で注目される。
料理バラエティスターは周富徳が先行し、道場六三郎が遅れて急伸する。
食べるだけ、食べても反応薄の龍虎の居場所が無い。
21世紀に入って龍虎が再び現れる。
しかしそれは深夜2時だった。
テレビ朝日「虎ノ門」という番組の人生相談コーナーだった。
龍虎とコンビを組むのは塩田丸男。
塩田丸男はNHK朝の連続テレビ小説「春よ、来い」を降板した安田成美の降板理由について
「安田さんは在日だから戦前の日本人をやりたくない」
とコメントしたため、
各方面から圧力がかかり干されていた。
干されている塩田丸男とコンビを組まされる龍虎。
干されている人物と見合うと思われてしまった龍虎。
その後、龍虎は相撲界の不祥事の時にコメントを求められる。
龍虎は日本相撲協会から足を洗っていたので本音を言いやすい人物と思われた。
しかし龍虎は日本相撲協会を大批判することはなく日本相撲協会の体質を是認するのでマスコミは龍虎に利用価値を感じなかった。
やはり露出することが無い龍虎。
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