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調査を始めるにあたり、まずは海抜1000フィートの高地にあるピトック邸からポートランド市街を眺め戦略を立てる。
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ポートランド市は、人口約57万人、アメリカ合衆国オレゴン州北部、コロンビア川とウィラメット川が合流する地域にあるオレゴン州最大の都市である。豊かな自然と農業、ハイテク等の活力ある地域産業により著しい人口の増加が見られた中で、行政が市民を巻き込んだ都市計画プロセスを導入し、過剰なスプロールをくい止めることに成功した都市としても知られている。
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ポートランド市を中心とするポートランド都市圏は、ダウンタウンの再生とバスやライトレール等の公共交通の整備、公共交通と連携した土地利用計画や徹底した市民参加と成長管理計画によって、人と環境に優しい都市づくりを進めている。
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ポートランドは橋が多く架かっていることでも有名であり、約10本もの橋が市の真ん中を走るウィラメット川を跨いでいる。
巨大な橋が一度上がると約15分は船の往来を見守ることとなる。
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日本の国際拠点港湾に位置付けられる千葉港とポートランド港は、1980(昭和55)年11月に友好親善並びに文化、社会、経済交流を通じて両港の発展を図るため、姉妹港の提携をしている。
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ポートランド市は、二元代表制でもシティマネージャー制でもないアメリカ国内の大都市において、最後のコミッション制度を取り入れた市である。(コミッション制はアメリカでも少なく、オレゴンではポートランド市のみ)
議会は、市長、4人の市会議員(コミッショナー)と監査役の計6人で構成されている。開会前に市民が3分間自由に意見を述べることができるコミュニケーションの時間がある。(この日意見を述べたブルーマンは歩道を走るスケボー青年をどうにかしてほしいと訴えた。)
※ちなみに、隣町のビーバートン市は市民が傍聴しやすいよう午後6時から議会が開会する。
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公共交通は空港や近隣市を結ぶライトレール、市内を走るストリートカー、公共バスなどがありバリアフリーが徹底されている。
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車いすで一人で自由に移動するのは当たり前の光景となっており、利用者のマナーもとても良い。
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ポートランドの昨年度の交通運営財源は、広域連合事業体が徴収する税収約53%、運賃収入約23%、連邦・州による運営補助約16%その他約8%となっている。(ストリートカーは架線とパンタグラフの離線によるアーク光の発生が目立ち、摩耗の状況が心配である。)
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歩道はとても広くフラットである。自転車のまちとしても有名でとても移動しやすい。
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丘の上にある病院にはトラムで3分20秒ほどで上ることができる。
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総工費5700万ドル、年間運営費200万ドルの高級交通手段であり、これには市民の反対もあり大論争があったようだ。
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ポートランドは日本の富士山に似たマウントフッドなど多くの火山に囲まれたボールのような地形となっている。
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私は、当初ポートランド市が執行権も決定権も併せ持つ5人の議員で、どのように人口55万人もの市を動かしているのか疑問であった。しかし、ポートランドでは市民から湧き上がる強いパワーと、そのパワーに柔軟に対応していく行政の姿勢により、まちのストーリーが意識的につくられ、その成功体験が自信となり、市民が社会を築いていく一つの要因となっていると感じた。
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日本の自治体とポートランド市では、当然、様々な面で異なるが、まちのストーリーを市民が意識的に創っていくことで、必要な人や組織が自然と集まり、持続性のある社会となっていくという原理はどの地域でも当てはまるのではないかと思う。市民からストーリーを汲み上げ、また、そのストーリーを現実のものにしていくために自治体職員は、地域に直面する問題をしっかり認識し、市民から湧き上がる無限のエネルギーに適応しながら進化していかなければならない。
「ポートランドの誇り: 大衆の知恵を生かしたストーリー作り」