団子虫ドリーム~若き日の誇り~

愛する団と少年の夢を虫のように追い続ける!合言葉は「ねばねばネバーギブアップ!!」

ポートランド研修

2011-08-02 01:04:34 | 週末学校
米国オレゴン州ポートランドは、行政への市民参加やNPO等との連携が活発で、米国屈指の市民活動が盛んな都市として知られている。研修では地方自治をより広い視野で考えるため、行政やNPO職員との対話、市民公聴会の傍聴などを通じ、市民と行政との協働のあり方、持続可能なまちづくりの取り組みの調査を行った。
824_079
調査を始めるにあたり、まずは海抜1000フィートの高地にあるピトック邸からポートランド市街を眺め戦略を立てる。
824_290
ポートランド市は、人口約57万人、アメリカ合衆国オレゴン州北部、コロンビア川とウィラメット川が合流する地域にあるオレゴン州最大の都市である。豊かな自然と農業、ハイテク等の活力ある地域産業により著しい人口の増加が見られた中で、行政が市民を巻き込んだ都市計画プロセスを導入し、過剰なスプロールをくい止めることに成功した都市としても知られている。
261640_141465299261278_100001934275
ポートランド市を中心とするポートランド都市圏は、ダウンタウンの再生とバスやライトレール等の公共交通の整備、公共交通と連携した土地利用計画や徹底した市民参加と成長管理計画によって、人と環境に優しい都市づくりを進めている。
267383_120828954670321_100002296521
ポートランドは橋が多く架かっていることでも有名であり、約10本もの橋が市の真ん中を走るウィラメット川を跨いでいる。
巨大な橋が一度上がると約15分は船の往来を見守ることとなる。
Photo_2
日本の国際拠点港湾に位置付けられる千葉港とポートランド港は、1980(昭和55)年11月に友好親善並びに文化、社会、経済交流を通じて両港の発展を図るため、姉妹港の提携をしている。
824_229
ポートランド市は、二元代表制でもシティマネージャー制でもないアメリカ国内の大都市において、最後のコミッション制度を取り入れた市である。(コミッション制はアメリカでも少なく、オレゴンではポートランド市のみ)
議会は、市長、4人の市会議員(コミッショナー)と監査役の計6人で構成されている。開会前に市民が3分間自由に意見を述べることができるコミュニケーションの時間がある。(この日意見を述べたブルーマンは歩道を走るスケボー青年をどうにかしてほしいと訴えた。)
※ちなみに、隣町のビーバートン市は市民が傍聴しやすいよう午後6時から議会が開会する。
824_058
公共交通は空港や近隣市を結ぶライトレール、市内を走るストリートカー、公共バスなどがありバリアフリーが徹底されている。
824_096
車いすで一人で自由に移動するのは当たり前の光景となっており、利用者のマナーもとても良い。
824_060
ポートランドの昨年度の交通運営財源は、広域連合事業体が徴収する税収約53%、運賃収入約23%、連邦・州による運営補助約16%その他約8%となっている。(ストリートカーは架線とパンタグラフの離線によるアーク光の発生が目立ち、摩耗の状況が心配である。)
824_034
歩道はとても広くフラットである。自転車のまちとしても有名でとても移動しやすい。
824_343
丘の上にある病院にはトラムで3分20秒ほどで上ることができる。
824_349
総工費5700万ドル、年間運営費200万ドルの高級交通手段であり、これには市民の反対もあり大論争があったようだ。
824_269
ポートランドは日本の富士山に似たマウントフッドなど多くの火山に囲まれたボールのような地形となっている。
824_298
私は、当初ポートランド市が執行権も決定権も併せ持つ5人の議員で、どのように人口55万人もの市を動かしているのか疑問であった。しかし、ポートランドでは市民から湧き上がる強いパワーと、そのパワーに柔軟に対応していく行政の姿勢により、まちのストーリーが意識的につくられ、その成功体験が自信となり、市民が社会を築いていく一つの要因となっていると感じた。
1
日本の自治体とポートランド市では、当然、様々な面で異なるが、まちのストーリーを市民が意識的に創っていくことで、必要な人や組織が自然と集まり、持続性のある社会となっていくという原理はどの地域でも当てはまるのではないかと思う。市民からストーリーを汲み上げ、また、そのストーリーを現実のものにしていくために自治体職員は、地域に直面する問題をしっかり認識し、市民から湧き上がる無限のエネルギーに適応しながら進化していかなければならない。

 「ポートランドの誇り: 大衆の知恵を生かしたストーリー作り」



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カイゼン・サミット2011inいわてきたかみ

2011-06-20 04:12:34 | 週末学校
P1050951

 本年3月4日~5日にかけて、週末学校で共に学んだ仲間を応援すべく自治体改善サミットに行ってきました。

 このサミットは自治体業務の改善を目指して全国からやる気ある職員が集結し、カイゼン運動のノウハウの共有化や交流を図るもので、前日のカイゼン万博では北は札幌市から西は大分まで、県から町まで20自治体の様々な事例が北上市さくらホールで観衆500人のもと発表されました。(この万博は今回で5回目の開催で来年は大分市で開催される予定だそうです。)

 万博の内容としては、各自治体が持ち時間6分で発表。
・救急車に手作り足台を搭載し、高齢化に対応(さいたま市)
・ゴーヤ栽培で「緑のカーテン」をつくり、環境に優しく涼しい職場づくりを実践(大阪府柏原市)
・水道料金を全国の郵便局で納付できるよう改め、利便性と収入アップにつなげた(和歌山県有田川町)
など、映像や寸劇を交え楽しく紹介するもので、自治体職員の甲子園のような盛り上がりを感じた。

 また、カイゼンサミットでは関西学院大学の石原俊彦教授の基調講演や業務カイゼンをテーマとしたワールド・カフェ方式のワークショップが行われました。

 事務局として頑張っていた週末学校の仲間の生き生きとした姿に沢山元気をもらいました。

 このカイゼンサミットの1週間後に東日本大震災が発生した。

 みんな下を向くことなく頑張っている。

 きれいごとを言いたいのではないが、自治体職員は、お金ではなく、人のため、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務できる素晴らしい仕事であり、改善をしながら職務を遂行していくことを宣誓している以上、常に自己改革を目指さなければならないと思う。

 何かに疑問を感じ、改善していこうとするとき、はじめは一人の想いからであったとしても、実現するには必ず仲間が必要である。

 いざというときに一番大切なのは人と人のつながりだと思う。
 全国のカイゼン運動の活性化と東北地方の復興を願い自分も頑張っていきたい。
P1050956


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京財団週末学校

2011-05-16 03:54:22 | 週末学校

Dsc03416

 昨年、東京財団週末学校に参加しました。 週末学校とは、日本が元気になるために、自らの頭で考え行動し、地域の活性化に貢献できる人材を育成するための、全国の市区町村職員を対象とした週末を活用した半年間の研修プログラムです。

 研修では、現消費者庁長官の福嶋浩彦校長をはじめ、現総務大臣の片山善博氏など錚々たる講師陣のもと、地方自治や財政、新しい公共などをテーマに全国のやる気ある職員とともに、自立した自治体を目指して切磋琢磨してきました。

  また、政策シンクタンク「構想日本」必殺仕分け人のコーディネートによる公開模擬事業仕分けの実践や、地方自治をより広い視野で考えるため、オレゴン州ポートランドでの市民参加や持続可能なまちづくりの取り組みの調査を行いました。

 「ポートランドの誇り: 大衆の知恵を生かしたストーリー作り」

 この研修で得たことは計り知れず、今後の人生に向けてのかけがえのない貴重な財産となっています。

・「地方分権」は、誰かが進めてくれるわけではない。自分で切り拓かなくては進まない。

・「市」も「議会」も「市民」も変わらなければならない。

・「市長」は、自分が責任を取りたいという自覚を持ち、市民の合意を丁寧に作り出し、その合意に基づいてリーダーシップを発揮していかなければならない。

・「議会」は、決定機関として決定したことを市長や行政の責任にせず、自ら責任を持って周知しなければならない。

・「議員」は、品位を持ち4年間は市民の代理という心構えが必要である。

・「市の職員」は、誰のために何の目的でという使命を持ち、失敗を恐れず地域に飛び込み、市民の対話をコーディネートする力が必要である。これは決して机の上では身につかない。

・「市民」は、自治力をつけなければならない。自治力とは、自ら異なる意見の人たちと対話し、合意を作ること。さもないと陳情政治にしかすぎなくなる。

・「公」とは2人以上が集まるものであるが、オープンなのはどこまでかを考えることが大事である。

・「公益」とは法律学的に見れば不特定多数の人々の利益であるが、不特定とは?多数とは?利益とは?を常に問いかけること。結果として、関係者がプロセスを持って決まるものであり、公務員の大切な要素がこの考えに集約されている。

 自分のまちには何があるのか、外から見た視点で考えなければならない。

 多くのことに気づき、学び、共鳴した半年間でした。 今週からはいよいよ2011年度の週末学校が始まります。 講師陣、事務局のみなさま、全国の意欲ある研修生の先輩や仲間たちに感謝し、日々精進していきたいと思います。 Dsc02081

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする