今品の十羅刹女という十人の凶暴な女人修行者は、いわゆる敵対に対する始末屋集団なのです。
これら女人修行者たちはグループを組み、その凶暴手段を用いて仏道修行への過酷な妨害に悩む一人一人の法師を守り抜くことを新たな宿命として自主的に編成され、さらにその行為を仏に認められた防衛組織なのです。
仏教においてこのような凶暴手段を用いた防戦を行なってよいのか?と強烈な疑問を生じると思いますが、この必要性を最初に仏に申し出たのは自らの焼身供養を仏に奉じた薬王菩薩でした。
私は近年、地域的な孤立無援による自殺があまりに多発していたことに対し、地域の自殺対策講習会などが開催され、そこへ幾度か参加したことがあります。
その講習会では地域の自殺対策を自主的に興味深く知りたい有志の人々が集まることで結構和気あいあいと様々な質問や意見が交わされていました。
その活発な意見交換は必ず地域のためになることですし、私はとても望ましい対策であると感じていました。
しかし、実際の自殺防止活動となる場合に、その活動組織づくりと運営自体が究極の難しさがあることに気付かされたのです。
どのような難しさがあるかと言いますと、地域としてはこれらの自殺防止対策の講習を精神医学医師へ依頼しているのです。
つまり、今すぐにも必要と考えられる地域自殺防止ネットワークづくりのための皮きりとなるこの講習会ですので、その求められているネットワークは講師の精神医学施設を保持している医師などの学識経験者が中心になる活動組織を意味するようです。
ところで、こういう動きに対し、これとまったく同じような助け合いネットワークづくりとしては、そもそも古くから地域に目指し存在している各寺院とその檀家グループ、その他、地域の神社の氏子崇拝グループが今後も義務的に、かつ有力に手掛けてきていくべきこととも言えるからです。
よって、それら旧来からの地域的な人道保護と助け合いによる住みながらの連携こそをその古くからの習慣として持続させていくべきことであり、その基本体制と心掛けを止めたら地域の寺院も神社も長い歴史に対し遂に幕を閉じるしかなくなることが結論と言えるからです。
長い物には巻かれろと昔から云われますが、その長い物の組織にこそ古くから十羅刹女のような防衛集団が存在しながら見守り、とかく孤立無援となりやすい寺院住職や神社神職の立場を守護してきていた秘密があるからです。
ですから、地域一般の孤立者を平穏に守ってあげるには寺院住職や神社神職との密接な連携と相談関係にないことには自殺防止ネットワークづくりはほぼ成立しないと言っても良いのではないでしょうか。
今日は少し長くなりましたが、陀羅尼品の凶暴な始末屋集団でありながら存在する十羅刹女のお話をさせていただきました。
(ぶっけん 成安田)
⇒ 第7-26日 Vol.194 爾の時に羅刹女等あり 【陀羅尼品第二十六】(四十二~五十行)
これら女人修行者たちはグループを組み、その凶暴手段を用いて仏道修行への過酷な妨害に悩む一人一人の法師を守り抜くことを新たな宿命として自主的に編成され、さらにその行為を仏に認められた防衛組織なのです。
仏教においてこのような凶暴手段を用いた防戦を行なってよいのか?と強烈な疑問を生じると思いますが、この必要性を最初に仏に申し出たのは自らの焼身供養を仏に奉じた薬王菩薩でした。
私は近年、地域的な孤立無援による自殺があまりに多発していたことに対し、地域の自殺対策講習会などが開催され、そこへ幾度か参加したことがあります。
その講習会では地域の自殺対策を自主的に興味深く知りたい有志の人々が集まることで結構和気あいあいと様々な質問や意見が交わされていました。
その活発な意見交換は必ず地域のためになることですし、私はとても望ましい対策であると感じていました。
しかし、実際の自殺防止活動となる場合に、その活動組織づくりと運営自体が究極の難しさがあることに気付かされたのです。
どのような難しさがあるかと言いますと、地域としてはこれらの自殺防止対策の講習を精神医学医師へ依頼しているのです。
つまり、今すぐにも必要と考えられる地域自殺防止ネットワークづくりのための皮きりとなるこの講習会ですので、その求められているネットワークは講師の精神医学施設を保持している医師などの学識経験者が中心になる活動組織を意味するようです。
ところで、こういう動きに対し、これとまったく同じような助け合いネットワークづくりとしては、そもそも古くから地域に目指し存在している各寺院とその檀家グループ、その他、地域の神社の氏子崇拝グループが今後も義務的に、かつ有力に手掛けてきていくべきこととも言えるからです。
よって、それら旧来からの地域的な人道保護と助け合いによる住みながらの連携こそをその古くからの習慣として持続させていくべきことであり、その基本体制と心掛けを止めたら地域の寺院も神社も長い歴史に対し遂に幕を閉じるしかなくなることが結論と言えるからです。
長い物には巻かれろと昔から云われますが、その長い物の組織にこそ古くから十羅刹女のような防衛集団が存在しながら見守り、とかく孤立無援となりやすい寺院住職や神社神職の立場を守護してきていた秘密があるからです。
ですから、地域一般の孤立者を平穏に守ってあげるには寺院住職や神社神職との密接な連携と相談関係にないことには自殺防止ネットワークづくりはほぼ成立しないと言っても良いのではないでしょうか。
今日は少し長くなりましたが、陀羅尼品の凶暴な始末屋集団でありながら存在する十羅刹女のお話をさせていただきました。
(ぶっけん 成安田)
⇒ 第7-26日 Vol.194 爾の時に羅刹女等あり 【陀羅尼品第二十六】(四十二~五十行)