建築と福祉と宗教

建築士から介護ヘルパーへ急転身。転身したからこそ知った新しい社会。同じ地域で建築士の30年間、私の知らない世界。

列島改造は古い、ジャンクションの時代

2014-02-12 14:22:09 | 社会福祉
 かつて田中角栄元首相の打ちたてた日本列島改造論は、当時子供だった私には強い印象があった。日本全国をやり直させるという発想は田中角栄氏以外誰も考えることのなかった国の再建だったろう。その改造論により全国に高速道路や新幹線がたちまちのうちに張り巡らされた。しかし、国中の地域がつながりのない味気ないものになっていったことは非常に残念であった。とにかく当時の日本にとっては単なる田中氏の超大人物たる威力の発揮や見栄による存在性を見せつけるだけではなかった。本当に日本の大改革が必要だったのだろう。それはそれで田中角栄氏の時代は特別だったはずだ。そしてそれを蔑ろにしてしまってはならない。その時代は何を必要としていたか?本来、当時から人間性の疎外や協力や助け合いがなくなるという社会問題も抱えていたが、それより先に日本を早急に進化させなければならなかった。あとはその後に人間関係をどう復活させていくかは地域や個人的な課題として国民自らに心がけていくだろうと考えていたと思う。それはそれで良いのではないか、人間らしく共存を図るかは国民や地域としての重要な課題なのであろう。
 地域がそれぞれの特色さえ保持して地域だけでやっていければよいということであれば、田中氏の思い切った改造論など何の意味もない無駄なものになってしまうだろう。田中氏の目指した国のあり方は最終的には繋がりある世間づきあいなのであることは間違いない。今、私たちが目指すべきは、国民どうしだけの力で繋がりをとり戻すことだけである。そのために繋がりに障害となっているものが何であるかを取り組んでいかなければならない。しかしながら、問題解決を地域的に取り組んでいくことは今の時代は非常に難しくなってきている、そこでもっとも取り組み易いのはジャンクションを作ることであると思う。交流地点であるジャンクションを大規模に作れば小さな繋がりも自然に付随するだろう。分野と分野、機関と機関、地域と地域、と似たもの同士、似た意見から徐々に繋げていき、その後に別分野を繋げる。例えば、NPO法人は政治活動や宗教活動を主とした事業としては行なってはならない法律上の原則になっている。しかし、それは元からその分野で活動してきている専属の政治家や宗教家、そしてそれらの派閥による問題や混乱を懸念するからに他ならないからだと思う。逆に言えば、両者をミックスさせてしまい、上手く同時に考えていくということは不可欠なのであり、NPOやボランティアの運営にとって、政治や宗教の根本思想は抜かしては成り立たないはずである。つまり、日本国憲法での政教分離の原理とはその分野派閥の言い分の問題に相違ないはずだ。両者を一緒に取り入れることに何等問題はないはずであり、最も望ましいことである。憲法改正の根本理由はこんなことにあるのかもしれない。政治と宗教、歴史と文化などを繋げて、関連付けていくということが今後、最も重要な課題となると思う。

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