中国政府のチベット虐殺に抗議する意味で、今回の北京五輪の聖火リレーに対して妨害活動が行われている。
ロンドンでは開始直後からリレーを阻もうと沿道から次々と飛び出す人たちを中国からの伴走者や警察官がかわし続ける異様な展開となり、聖火を消そうとしたり奪おうとしたり、自転車で突っ込もうとする人や消火器を持ち出す人がおり、さながら障害物レースの様相を呈した。
パリではロンドンの状況を考慮して、警備態勢はまず聖火ランナーの周りを48台の装甲車が囲み、その周りを100人の警察官がローラースケートを履いて走り、その外側を消防隊員100人が走るという物々しい状態となったが、妨害者を排除するために沿道の人たちが聖火を見ることができないような異常事態となり、平和の祭典の聖火を装甲車が守る異様な風景となった。
しかも途中混乱回避のために聖火トーチの炎を3回にわたって消してトーチを併走するバスに移動させる緊急措置をとった上、最終的にリレーを途中で打ち切ることになった。
サンフランシスコでは、見物客に一切知らせずにリレーコースを直前で変更し、スタート直後ランナー一団は水辺の巨大な倉庫へと消え、1時間後に倉庫から3キロ以上離れた幹線道路に姿を現し、見物客らを驚かせたが、要するにスタートとゴールだけを行ってその途中を完全にないものにして聖火リレーの混乱がなかったように装うという手法である。
ロンドンとパリでの抗議活動に対し、歌手のアグネス・チャンは「なぜ(五輪が)あるか一番最初に戻って考えないといけない。選手が一生懸命練習した生涯の夢をかけて集まって競い合う、人間の美しい姿と努力にみんなで感動するという祭典なので政治的なことは持ち込んでほしくない」と語ったが、中国では国内で行われ日本とのサッカーの試合で尖閣諸島の領有権という政治問題を中国側の観客が声高に叫んでいたが、それは彼女には見聞きできなかったのだろうか?
日本で聖火リレーが行われる長野県では、どういった理由で抗議活動が行われているかを無視して単に面倒な混乱が発生するのがいやだという職員が「バカなことをやってるよなと思いますね」と発言して抗議が殺到する事態が発生した。
個人的には、平和の祭典とされる五輪の開催される国家が国内で一方的な虐殺行為を行っていることに対して、日本と違って本当の意味で人権を擁護するために、その象徴たる聖火をつなぐことに純然と抗議を行っただけであり、ばかげた行為であるとは全く思えない。
正直なところを言えば、フランスでは先の大統領選で人権問題を理由に五輪をボイコットすべきとした候補者ではなく、参加すべきと表明していた候補者を選択したのだから、抗議活動を行うのは多少おかしな話であるとも思えたが、チベットの惨状を目の当たりにしてようやく目が覚めたということなのだろう。
日本では今月26日に行われることになっている聖火リレーであるが、現在予定されている善光寺での一般客の出発式見学が再検討されることになり、下手をすると「見物客はほとんど誰も聖火を見ることのできないままに」リレーが終了し、中国が米国に続き日本でもリレーが成功に終わったと国内での宣伝に利用することになるのではないかとも予想される。
中国国内での政治問題のために日本での聖火リレーが利用されるであろう現状において、中国の「五輪に政治問題を絡めてはならない」などという言い分を聞き入れてやる必要はないだろう。
ロンドンでは開始直後からリレーを阻もうと沿道から次々と飛び出す人たちを中国からの伴走者や警察官がかわし続ける異様な展開となり、聖火を消そうとしたり奪おうとしたり、自転車で突っ込もうとする人や消火器を持ち出す人がおり、さながら障害物レースの様相を呈した。
パリではロンドンの状況を考慮して、警備態勢はまず聖火ランナーの周りを48台の装甲車が囲み、その周りを100人の警察官がローラースケートを履いて走り、その外側を消防隊員100人が走るという物々しい状態となったが、妨害者を排除するために沿道の人たちが聖火を見ることができないような異常事態となり、平和の祭典の聖火を装甲車が守る異様な風景となった。
しかも途中混乱回避のために聖火トーチの炎を3回にわたって消してトーチを併走するバスに移動させる緊急措置をとった上、最終的にリレーを途中で打ち切ることになった。
サンフランシスコでは、見物客に一切知らせずにリレーコースを直前で変更し、スタート直後ランナー一団は水辺の巨大な倉庫へと消え、1時間後に倉庫から3キロ以上離れた幹線道路に姿を現し、見物客らを驚かせたが、要するにスタートとゴールだけを行ってその途中を完全にないものにして聖火リレーの混乱がなかったように装うという手法である。
ロンドンとパリでの抗議活動に対し、歌手のアグネス・チャンは「なぜ(五輪が)あるか一番最初に戻って考えないといけない。選手が一生懸命練習した生涯の夢をかけて集まって競い合う、人間の美しい姿と努力にみんなで感動するという祭典なので政治的なことは持ち込んでほしくない」と語ったが、中国では国内で行われ日本とのサッカーの試合で尖閣諸島の領有権という政治問題を中国側の観客が声高に叫んでいたが、それは彼女には見聞きできなかったのだろうか?
日本で聖火リレーが行われる長野県では、どういった理由で抗議活動が行われているかを無視して単に面倒な混乱が発生するのがいやだという職員が「バカなことをやってるよなと思いますね」と発言して抗議が殺到する事態が発生した。
個人的には、平和の祭典とされる五輪の開催される国家が国内で一方的な虐殺行為を行っていることに対して、日本と違って本当の意味で人権を擁護するために、その象徴たる聖火をつなぐことに純然と抗議を行っただけであり、ばかげた行為であるとは全く思えない。
正直なところを言えば、フランスでは先の大統領選で人権問題を理由に五輪をボイコットすべきとした候補者ではなく、参加すべきと表明していた候補者を選択したのだから、抗議活動を行うのは多少おかしな話であるとも思えたが、チベットの惨状を目の当たりにしてようやく目が覚めたということなのだろう。
日本では今月26日に行われることになっている聖火リレーであるが、現在予定されている善光寺での一般客の出発式見学が再検討されることになり、下手をすると「見物客はほとんど誰も聖火を見ることのできないままに」リレーが終了し、中国が米国に続き日本でもリレーが成功に終わったと国内での宣伝に利用することになるのではないかとも予想される。
中国国内での政治問題のために日本での聖火リレーが利用されるであろう現状において、中国の「五輪に政治問題を絡めてはならない」などという言い分を聞き入れてやる必要はないだろう。
