アメリカ!編みんぐ_AMING

アメリカ/ 魅了された編み物生活

連弾 / Double keyboard

2006-06-03 15:04:03 | Weblog
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私の職場/感激の一瞬・その1

2006-06-01 11:37:11 | Weblog



おととしの秋、感謝祭も近ずきクリスマスの準備も始まったある日のことである。その日は木枯らしの吹くグルーミー<gloomy>なお天気で,ストアを訪れる客足もさっぱりであった。忙しくもない日は顧客のリストを整理したり、ウイッシュリスト<こんな商品が入荷したら連絡して、こんな色のものを捜してというような顧客の希望をノートしている>を整理したりしていたのだが、ふと、そそくさとフロアを早足に歩き回る、黒のニットのポンチョを着たロングヘアの女性に目が留まった。

普段は当店に来る顧客は大概、ブランド物のハンドバッグに靴、ダイヤの指輪、腕時計、スーツや帽子まで目を見張るような、それこそつま先から頭までざ~~っと100万はくだらない衣装に身を包んでやってくるのでうちのセールスはわ~~~~つとアプローチするのだが、彼女は典型的なシンプルルックのアメリカ人買い物客といったいでたちであったが、以外にも私には気になる人だった。

彼女の歩き振りや様子からなんとなく<Leave me alone/ほっといてくれ!>というオーラを感じたのでしばらく、彼女がバッグやショール、スカーフを両手一杯に抱えて歩きまわるのを見ていたが、最後の商品を棚から取ろうとして手を伸ばした瞬間に、抱えている商品が落っこちそうになったのですばやく、彼女に近ずき<May I help you ?>と声をかけた。<Yes please !ええ、お願い。>私は何点かの商品をレジスターのカウンターに置き<もしもっと商品をお探しのものがあるんでしたら、この商品はここでお預かりしておきますから、自由に見て回ってくださいね。>というと<あちらのフロアでも居るものがあるんだけど、ここに持ってきて一緒に精算できるかしら?><ええ、もちろん、うちのストアは他のフロアの商品も一緒にまとめて精算できるんですよ。>というとほっとしたようにして<じゃあ、他の商品も見たいから、また戻ってくるまで預かっててね。>と言って立ち去った。
小一時間ほどして両手一杯に商品を抱えて彼女が戻って来た。
ざ~~っと合計して3500ドル、約40万くらいの買い物である。これとこれにはギフトの箱をつけてねと指示しながらも、彼女は<ところで、このショールを私のクリスマスプレゼントに主人にしてもらおうと思うんだけど?クリスマス前ころまであるかしら?>とレジーの後ろのラックにあったバーバリーのカシミアのショールを指差した。それはすばらしいカシミアのチェックに黒のフォックスの毛皮のトリミングがある3500ドル、約40万もする豪華なショールだった。たくさんの顧客がため息まじりにさわったり、試着したりしているものだったが、買う顧客は未だいなかったのだ。私は<ええそうですねえ、クリスマスまでまだ一月もありますから、そのころまで必ずあるとは確約できませんけど、ちょっと全米のストアの在庫数を確認しますね?>といってレジーで在庫数とどこの支店に何点あるかを確認した。うちの店の良い点は、レジーがパソコンになっていて、すぐに在庫数や場所、色違いなどの情報を引き出せるようになっている。プリントアウトしてその紙を彼女に見せながら説明した。<全米店舗で5点ありますがそのうちの2点がサンフランシスコ店にあります。ここにスタイル番号からすべてありますから、良かったらご主人にお渡しになって、いつでも電話で注文できるようにしてください。念のため私の名刺をあげますから、万が一当店のショールが売り切れても他のストアで捜すお手伝いはできますよ。>その紙を渡すや、彼女からクレジットカードをもらいレジーで勘定をすませようとしたとき、なんと!<メリンダ ゲイツ>と言う文字が目に留まった。

いや~っ、まさか~っ??ほんまかいな??聞いてもいいかな??
失礼かな?いやこれは聞いたほうがいいぞと心の格闘をしながら、とうとう
<すみませんが、個人的な質問をしても良いでしょうか?>と切り出した。

メリンダいわく<ええ、もちろん>
私 <ひょっとして、ゲイツさんのご家族の方でしょうか?>
メリンダ <ええ、そうですよ。>
私、しつこく突っ込んで <そしたらあなたは、奥様のメリンダさんでしょうか?>
メリンダは私の変ななぞとき質問風の言葉に微笑して<ええ、そうよ。>と答えた。
私は思わず、イエ~~~~イ!やったぜベイビーとまでは叫ばなかったものの
それに近い感動で<いや~~~~~~~~~っ、日本人としてとっても光栄です!!>というと彼女は笑っていた。
彼女はそそくさとショッピングバッグを抱えて、入り口の方へ来たときと同じ足早に消えていった。
おそらく、運転手が外で待っているのだろう。
世界で一番の金持ちにボディーガードもついていない、お忍びのショッピングであった。
世界一の金持ちであるビルゲイツの自宅をご覧あれ。http://www.itmweb.com/f101601.htm

私の職場、その1・

2006-06-01 10:04:56 | Weblog
 

写真はサンフランシスコの歴史的建造物を当社が25年前に買い取って開店した。ドームの天井にはすばらしいステンドグラスがはめ込んである。


私の職場はサンフランシスコにある、アメリカでも創業100年になる老舗の某、超高級ストアである。かの有名なモナコ王妃のグレースケリー&レニエ大公の結婚式のドレスから出席者のためのドレスもご用達したストアで、アメリカの2%の高額所得者を顧客の対象としたコンセプトの商品つくりをしている。平たく言えば、セレブリティ<有名人>や世界の富豪を対象として成長したストアである。サンフランシスコストアは旅行者やアジア人も多いこともあって、そんなにお高い店には見えないがデンバーやダラスなんぞではさすが地元の石油富豪や政治家の家族が徘徊する店である。

先日、日本に帰国した際、親戚と会う機会があり、うちのストアのことを紹介していたが、あまり日本では知名度がないせいか<まあ、アメリカのスーパーの売り子さんするのも大変ねえ~~??>なんていわれて一瞬当惑してしまったものだったが、後、母から電話で<まりこさんからこの前、興奮した電話をもらったのよ。何でもご主人が日経新聞かなんかで森ハナエさんが、大昔、あんたのストアを訪問してそれがきっかけで世界のプレタポルテのデザイナーを目指したと言う記事を読んだそうで、そのストアに勤務ということでびっくりしたそうよ。><まあ、そんなにたいそうに考えてもらわなくってもいいんだけど、まあ世界のファッションのリーディングストアってくらいに理解してもらえればありがたいねえ、、、。>とだけ言いました。

有名なヴォーグ誌もWWDも当社が所有しているので、いかに宣伝力もあるか検討つくと思います。ストアでは早朝に勉強会もあり、最新のパリコレのファッションが紹介され、当社専用のスタイルがシャネルから発注されているとか、ヴァレンティノ、ディオールのイブニングガウンなど何百万円もするドレスや上下で100万くらいのスーツなぞ、ため息のでるようなドレスをモデルさんが着て紹介されるのも当社、独特の光景です。

エリックの家を訪問

2006-05-26 04:16:01 | Weblog



両サイドは私の差し入れコロッケ、真ん中はエリックの一口キッシュ

同僚のエリックの家は1905年に建てられたサンフランシスコの古い住宅である。100年来の時代遅れの電気配線や水周りをグレードアップする必要もあって、昨年から約1年かかって改造をしていた。ここ1年間、職場でも毎日、大理石のキッチンカウンターがどうのこうの、オーダーしたシャンデリアのクリスタルがきにいらないとか、壁のペイントの色がどうのと、業者と電話でしゃべる会話が延々と続いていたし、おまけにパートナーとの趣味や意見の不一致でそれはそれはヒステリカルなストレスを貯めていた。パートナーというのはつまり、、、、彼の弁護士をしているご主人である。ここまでいえば周知のとおり、彼らはおかま、ゲイカップルなのである。

サンフランシスコのゲイ社会は想像を絶するほど大きく、3年前、市長がsame-sex-marriage<同性者どうしの結婚>を合法化して以来、ゲルマン民族の大移動みたいに同性婚を成就せんと全世界から、ゲイカップルがサンフランシスコに集結しているといっても過言ではない。国籍だって様々である。サンフランシスコは東のニューヨークに対して、ロスに続く西の文化啓蒙の都市で世界的に人気のある観光都市だから、ブッシュや共和党政権にとっては、市長の造反は目の上のたんこぶである。が故にいまだ、大統領ブッシュはサンフランシスコに一歩たりとも踏み入れたことがないのだ。
皮肉なことにも、この宣言の直後に行われたカリフォルニアの州知事戦で共和党のシュワルツネガーことシュワちゃんが民主党を破って知事に就任した。デンバーで過ごした私には、サンフランシスコはアメリカではない別な国に見える。

7月4日の独立記念日にはアメリカの国旗のバッジを付けて通勤したりしたものだが、ここではそんなことをしようものなら<ななこは共和党なのか!>と反感を買ったりする。たまたま、象<エレファント/elephant>の柄のスカーフを着ようものなら、政治的意図はなくても共和党だと後ろ指を指される羽目になる。象は共和党のシンボルマークでちなみに、民主党のシンボルマークはろば<donkey>である。だから民主党の牙城であるサンフランシスコは圧倒的なゲイ社会に支援されている。これは単にイデオロギー的な部分だけでなく、経済的にも裏打ちされているのだ。

実際、2年前にはIBMはこれから管理職の雇用で同性者を積極的に採用していくと同時にゲイ社会の市場に向けて参入していくと宣言したから、アメリカのゲイ社会がいかに経済的にも大きい影響を与えているか伺える。
小売業はもちろん、芸術系、エンジニア、弁護士と高額所得者層もさることながら、ヨーロッパ系の旧家やユダヤ系の上流階級出身と多種多様でゲイ社会の進出は目様しい。日本では限られた職業しか与えられず、ゲイというと水商売かポルノくらいにしか理解されず、アンダーグラウンドにちかい世界に押しやられているゲイから比べると、サンフランシスコのゲイ達は、自信をもって大闊歩している。以下のウエブサイトはサンフランシスコ最大のゲイ社会のアドレスでゲイ文化を知るのにはなかなか良いサイトだ。http://www.queery.com/home.php
逆にゲイでない男性がゲイの上役に仕事の後、付き合うようせまられ、彼は結婚もしている人だったので拒否したあげく左遷されたのでその奥さんが、会社に対して告訴したが実際にハラスメントを立証するのはむずかしく敗訴して主人は職を失ったという、唖然とするようなばかばかしい逆差別ケースも事実あるのだ。



長々とゲイ社会の講釈が長くなってしまったが、昨日はエリックの家の改造完成披露とも言うべく職場の同僚と訪れた。



上の写真は、マスターベッドルームの隣にあるテレビルーム。ソファの向かい側の壁にプラズマテレビの大画面がはめ込んである。スタンド照明がなかなかモダンであった。



上の写真は彼らのマスターベッドルーム。小柄じゃあないカップルが2人寝るのにゃあクイーンサイズはちょっと小さすぎるのじゃあ??と聞きと、しがみ付いて毎晩寝るのだということ、まあなんとお熱いこと!!



そしてこれが、エリックのお風呂場とそれに続くウオーキングクローゼット。マスターベッドルームには彼のご主人のお風呂場と2箇所がついている。バスルームはそれぞれのプライバシーを尊重するための重要なスポットなのだそうだ。バスタブ周りと床は真っ白な大理石でクローゼットも真っ白なキャビネットで、少女趣味ぽい。<ちなみに英語で Girly Lookという>



そしてご主人のお風呂場はディープグリーンの大理石でシャワールームにはスティームがあり、サウナにもなる。もちろんクラシックの好きな彼のため音楽も聴けるのだ。クローゼットはエリックと反対で男性的な重厚感のある桜のキャビネット。数え切れないほどのスーツとシャツがどっさり収納されている。シャワールームの好みでどちらが奥様でだんな様なのか一目両断だ。

母の日、Mother's Day

2006-05-16 07:28:11 | Weblog


今日5月の第2日曜日は<母の日>である。アメリカでもMother's Dayは祭日ではないがイースターの後の賑わう日曜日である。どこも朝からレストランはブランチ<朝食と昼食を兼ねた食事のこと>をとる家族の行列でいっぱい。中には行列に閉口して、母の日には食事に出かけず翌日のディナーにレストランに行くという例年の協定を家族でしているところもあるくらい、アメリカのレストランではどこももうクレージーな混みようなのだ。交差点には花売りが立ち、赤信号で止まっている車に母の日の花束を忙しくドライバーに売っている光景があちこちで見られるのもアメリカならではだろう。

日頃、母の日になんにもしない日本に居る我が子供達のことを情けないとこぼしていたせいか、夜仕事から帰宅すると息子が<お母さん、コンピューターデスクに行ってみて!>というので一体何のトラブルシューティングが起こったのかと心配してデスクトップを見てみた。<お母さんブラウザーを開けてみた?><うん、開けたけど、なんなん??><まだ、わからへんの!>と息子。業を煮やした息子が<ほら!キーボードもマウスもワイヤレスやろう??><ひえ~~~っつ!どうしたん?><母の日のプレゼントだよ、オフィスディポでお母さんのために買ってきたんだ。50ドルだったよ。>息子の機転の利いたプレゼントに2度びっくり。
いままで、息子はプレゼントを買うお金もなく、毎年5ドルで母の日のカードをスーパーのセイフウエーで買ってきては、そーっとテーブルに置いてくれていたものだが、そんなささやかなプレゼントでも私には涙がでるほどとっても嬉しかった。

小学校、中学校のときも大枚5ドルをはたいてくれた母の日のカードはいまでも大事に引き出しの中にしまってある。それから比べると、今年はワイヤレスのキーボードセットをプレゼントにくれ、息子の成長を頼もしく見た思いがする。もちろん、お金の出どころは私だが、日ごろから私がキーボードのワイヤーを<今度は、絶対ワイヤレスを買わなきゃあ!!>と山盛りどなりちらしながら叩いているのを見ていて考えていてくれていたのだろう。

今年は正式に運転免許もとり、もう私が助手席に同乗しなくても、一人で運転できるようになった。ひとり立ちの第一歩である。アメリカでは運転免許証は日本と違い単なる運転免許証ではなく、社会的にも経済的にも個人信用を代表する身分証明書なので非常に大切なものである。日本の戸籍謄本に近い重要なステータスなのだ。
私の解釈ではアメリカの運転免許証を持てたら、やっと成人し、昔言葉では元服したことと同様だ思っている。

それで、今年の春から息子にはひとり立ちの第2歩として、銀行の口座を開設してこう言った。これから毎月5万円を生活費として入金するから、食費や雑費は自分でそこから買い物をするように。これからは息子が生活費の家計を管理し、息子名義の口座の金銭出入りが発生すると自ずから個人信用を積み上げていくことになるから、大学にいくときにも非常に大事なんだよと教えた。そんなわけで、レイジーな母親は手抜きならず、重たい食料を買いに行くことも必要でなくなってきたというわけである。

4月に息子に分担を譲ってから、意外にも彼は、几帳面に冷蔵庫をチェックして<今日は牛乳、オレンジジュース、ジャガイモ、玉ねぎがいる>とこまめに買い足してくれるようになった。今日などは、<お母さん卵ケースが1ケース買うともうひとつ1ケースタダになったよ!>と興奮している。英語では<Buy one Get one more free>といって、スーパーでは良くあるセールである。こんなことはやはり自分で買い物を経験しないと興奮しないものだ。また、男性に特有の買い物したがらないケチ症候群があるので、私みたいに<あっ、ちょっとこの調味料も買ってみようか?>なんて言う衝動買いがないので結構、良い家計のアシスタントだなあと感心したりしている今日この頃である。



母の日には私たちの住んでいる市ではストリートフェアといって、歩行者天国のようにテントのマーケットが立つ。息子によると前日から始まったようで、もうとっくに友達と露天の食べ歩きをしたそうだ。今日は朝から一人でストリートフェアを見に行った。ハンドクラフトショップやホットドッグ、かきのフライやイカリング、フライドポテトと子供連れの家族が繰り出し盛況だった。下の写真は即席の動物園で急騰した温度に黒豚ちゃんもすっかり蒸し豚になった気分だ。今日は久しぶりの汗ばむカリフォルニア陽気の母の日だった。