(ネタバレはないと思う)
岡崎京子ファンの私にとって
天才岡崎さんの手から離れた作品は、蜷川さんのまた違う才能によって別モノとなっている事を祈りながら映画館へ~
実写化と聞いて手放しで喜んでいる原作ファンは少ないと思う。
もう岡崎京子さんの新作を手にする事ができない現実を、
蜷川実花さんがカタチにして残してくれた事には感謝しています。(笑)
最近、北原みのり著「毒婦。」の木嶋香苗と「ヘルタースケルター」のりりこがリンクしてしまう・・・
セラピーでも美しさのステレオタイプってあるけど、
世の中は美しければ何でも許される一方(整形しても見た目のりりこ)
顔や身体がそうでなくても立ち居振る舞いやきれいな声などでオトコを虜にしたオンナ(木嶋香苗)
どちらのオンナも極端な感じがするが、心の闇、落ちかたは同じなのかも。
何かとお騒がせな感の主演女優の方は「りりこ」をちゃんと演じていたけれど、原作の「りりこ」とは「落ちかた」が違っているように思えた。
原作(マンガ)を読んだ後の疲労感はなかったのに、映画を観た後の疲労感は何なんだろう?
映像と色彩と音楽とが同時に入り込んだからなのか。
よかった所
大好きな戸川純の「 蛹化の女」が挿入歌に使われている。(笑)
りりこよりこずえ(水原希子)の方が原作通りに描かれてて演じられていた。
へなちょこオトコをいい感じで演じた綾野剛♡さま。
エリカ様のゴージャスな横で地味でMなオンナ、マネージャー役を上手く演技していた寺島しのぶ。
ママ(社長)役がぴったりの大御所桃井かおり。
検事役がクールな大森南朋。
いつも一人の女の子のことを書こうと思っている。
いつも。
たった一人の。
一人ぼっちの。
一人の女の子の落ちかたというものを。
(岡崎京子)
岡崎京子さんの回復を心から願っています・・・