おっちゃんのぼやき

旅と食べる事が、大好きなおっちゃんの独り言です

ゆきちとポンタの珍道中 九州編 3

2009年11月01日 | 日記
ゆきちとポンタは、下関に到着しました。
早速、関門海峡が見渡せる火の山展望台に向かいました。

「ゆきち、この坂きついのう。腹へってくるど」
ポンタは、文句ばっかりです。

「もうちょっとじゃけん、辛抱せえや」
ゆきちの言葉に、ポンタは少しふてくされ気味です。

やっとのことで、展望台に到着しました。
「綺麗な景色じゃのう」
ゆきちが、そう言うと。ポンタが、自慢げに言った。

「ゆきち、昔この海峡で 源平衛(げんべい)の戦いがあったんで」
「げんべい?」
ゆきちは、理解不能

「ポンタ、そりゃあ源平の戦いの間違いじゃろう」
ゆきちが、すかさずそう言うと。

「えっ、げんべいさんが喧嘩したんかと思うとった」
ポンタは、恥ずかしそうにそう言った。
ポンタは、何事も断片的にしか覚えていないのであった。

「わしゃあ、もういらんことは言わんわいや。間違うとったら、ぶり はずいけん のう」

そうそう、それが一番

「よし、河豚を食いに行くど」
ゆきちの言葉に、元気を取り戻したポンタであった。

火の山を降りた所に、綺麗な和風のレストランがあった。

「ポンタ、ここにせんかいや。海を見ながら食べる河豚は、格別じゃけんのう」
「ゆきち、海なら毎日見ようるじゃ。わしやあ、海を見んでも食べれたら最高なん じゃ」

ホントに、情けないポンタの言葉であった。

二匹の目の前に、綺麗な河豚刺しが出てきた。
ポンタの目の色が変わった。
一目散に、河豚をたいらげた。
薬味もなにも、あったものじゃない。勿論、情緒もない。
ただ単に、ドックフードと化していた。

「ポンタ、河豚ゆうて高あんど。ちいたあ、遠慮して食べや。」

さすがのゆきちも、怒りだした。

ポンタは、少し涙目になって ゆきちに謝った。
「ゆきち、ごめんね」

ゆきちも、ポンタの涙にはかないません。

「まあ、分かったならええわい。へでも、今度からは気いつけよ」

ゆきちに怒られながら、ポンタは店を後にして 関門トンネルの歩道トンネルに
入っていった。