戦後合気道群雄伝―“世界の合気道”を創った男たち |
加来耕三氏著による
戦後の合気道家列伝。
南郷継正氏の著書に、
昔、合気道をやっている
少年犯罪者が逃げている
ときに
武装警官を何十人も
繰り出して捕まえた
という逸話が
確か載っていたかと
記憶している。
そういう時代の、
昔の合気道家の逸話など
が多く載ってる。
塩田剛三師範、
望月稔師範、
藤平光一師範
など、
名人、達人として著名な
師範方の話が
合気道界の裏話とともに
書かれているが
最も注目を引くのは、
やはり合気道界最大の
暴れん坊であった
阿部正師範だ。
阿部正師範とは、
分かりやすく言って
しまえば
大山道場(現 極真空手)
における安田英治師範の
合気道版。
阿部師範ほど
合気道をケンカに使った
師範は他にないし、
実際、ケンカには
滅法強かった。
その短気な性格とも
相俟って、
合気道界では、
阿部師範を煙たがるヒト
が多く、
阿部師範が亡くなった
ときには、
内心ほっとした合気道家
や道場生が多かった
のではないか
と言われているくらい
である。
(本書にもあるが、
某やくざの親分に
「あんな恐ろしい
男とは関わり合い
になりたくない」
と言わしめた人物
である。)
何はともあれ、
本書をきっかけに
合気道界が
昔の爪や牙を
思い出してくれるので
あれば
著者も望外の喜びで
あろう。
しかし合気系武術などを実践で使用すれば、敵はその後の人生が激変する惨事になりかねませんね。
いやはや、先達にそのような方がおられたとは、全然知りませんでしたです。
昔読んだ合気道雑誌にはほとんどきれい事しか書いてなかったので、とても参考になりました。