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日々の移ろいを思いつくまま・・・・徒然に

下鴨神社~河合神社~鴨長明

2012-12-17 | 

下鴨神社の入口近くの西側に河合神社が鎮座していました。
以前訪れたときは土塀に囲まれもう少しひっそりしていた様に思いましたが、
朱塗りの鳥居の内には沢山の女性が訪れていました。
ここに鴨長明の「方丈の庵」が復元してありました。
方丈記800年記念の年ということです。

説明板に
「鴨長明50歳のとき、すべての公職から身を引き大原へ隠遁し、大原から方々を転々として58歳のころに落ち着いた。
各地を移動している間に「庵」として仕上げたのがこの「方丈」である。
移動が便利なように全てが組み立て式になっていて、広さは、一丈(約3m)四方、約2.73坪。畳で五畳半程度。
間口、奥行きとも一丈四方ということから「方丈」の名がついた。
さらにもう一つの特徴が、土台状のものが置かれ、その上に柱が立てられていることである。
これは、建物の移動ということを念頭に柱が構築されるからである。
下鴨神社は年式遷宮により21年毎に本殿が造り替えられる建築様式(土居桁構造)であり、これにヒントを得たものといわれる。」
と有りました。





丁度「方丈記」を読み返していたこともあって興味深く拝見。

「行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
玉敷の都の中に棟を並べ甍をあらそへる、尊(たか)き卑しき人のすまひは、
代々を経てつきせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。
或は去年(こぞ)焼けても今年は造り、あるは大家ほろびて小家となる。
住む人もこれにおなじ。
所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。

朝(あした)に死し、夕(ゆうべ)に生るる ならひ(習い)、ただ水の泡にぞ似たりける。
知らず、生れ死ぬる人、何方(いずかた)より來りて、何方へか去る。
また知らず、假の宿り、誰(た)がために心をなやまし、何によりてか、目を悦ばしむる。
その主人(あるじ)と住家と、無常を争ふさま、いはば、朝顔の露に異ならず。或は、露落ちて花残れり。
残るといへども、朝日に枯れぬ。或は、花は萎みて露なほ消えず。
消えずといへども、夕べを待つことなし」


世の無常をうたった名文はこの時代にも「いかにいきるべきか」を問いかけている。



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