4-7:それぞれのシツラエ(和室-3)
和室は食う寝るを伴うことがある部屋である。
和室で食うことには、お膳もしくは座卓が必要になり、寝ることに関しては布団が必要である。当たり前のことですが、昔の人はその度に片付けては準備をしたのです。その繰り返しが毎日繰り返されたのです(ヤヤコシイイイマワシ)。
和室には、セット(ツキモノ)で押入が必ずあります。これも又、必要だったに違いありません。物をしまうには近い方が何かと便利なものです。
ちゃぶ台は、こんな所で生まれたのかもしれません。移動家具のハシリかも・・・
365日、同じことを繰り返すのは大変です。現代人は多分出来ないくらいの辛抱が必要な労働と思います。何故、昔の人は出来たのでしょう?強じんな忍耐力でしょうか?
床の間に活けた季節の花々、窓辺に見える雪景色、障子に映る夕陽の彩り・・・ヒトの心を時々に癒してくれたのです。だから出来た?と思えるのです。
「シツラエル」というと、何か特別な意匠でもほどこしたようですが、忘れかけている季節感をさり気なく知らせてくれることの様に思います。
和室には、そんなヒントがいっぱいに溢れているのです。