ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【4/5】

2021年04月06日 00時07分40秒 | マリーンズ2021
≪2021/4/5≫

ロッテ、チームスローガンを体現した攻撃が光る

 「この1点を、つかみ取る。」

 ロッテは開幕5連敗とスタートダッシュには失敗してしまったが、今季初勝利を挙げた4月1日の楽天戦から打線も爆発し、それに合わせて「この1点を、つかみ取る」というチームスローガンを体現したプレーが増えてきている。


 2月の練習試合、オープン戦から1つ先の塁を狙う走塁を見せてきたが、開幕5連敗中はなかなか出塁することができず、“足”を使った攻撃、1つ先の塁を狙う走塁を見せることができずにいた。

 4月1日の楽天戦では9-3の2回二死二塁から菅原が投じたボールを捕手の下妻が見失い、バックネット方向に転々としている間に二塁走者の菅野剛士が一気にホームイン。同日の楽天戦では10-3の3回無死満塁から中村がライトへ犠牲フライを放つと、三塁走者に続き二塁走者の荻野貴司がタッチアップし、安田尚憲の2点適時二塁打で生還した。さらに適時打を放った安田も3回一死二、三塁からレアードのセンターへの犠飛で、二塁から三塁にタッチアップした。15-4と点差が広がっても6回に先頭の鳥谷敬が二塁打で出塁すると、続く田村龍弘が二ゴロで二塁走者の代走・三木を三塁に進め、藤原恭大の二ゴロの間に三木が16点目のホームを踏んだ。

 翌2日の日本ハム戦も16得点を挙げる猛攻を見せたが、この日も「この1点を、つかみ取る」を体現するような攻撃を見せた。7-0の6回は一死一塁から田村がライトへタイムリー二塁打を放つと、打者走者の田村は送球間に三塁へ陥れる。続く藤原がきっちりとレフトへの犠牲フライで得点を奪った。11-0となった7回は簡単に二死となったが、守備から途中出場していた藤岡裕大がレフトへ二塁打を放ち、田村がセンター前へタイムリー。12-0の8回は無死一、二塁から中村の右中間へのヒットで二塁走者の岡が生還し、一塁走者の和田が三塁へ進塁した。その和田は、安田の二ゴロの間に14点目のホームを踏んだ。さらに14-4の9回は、一死二、三塁から岡がセンター前に放った当たりで三塁走者の藤岡に続き二塁走者の藤原も俊足を飛ばして、一気にホームイン。点差が開いても畳み掛ける攻撃に、1つでも先の塁を狙う走塁で、ファイターズにプレッシャーを与え続けた。

 こういった姿勢が3日の日本ハム戦でも活きた。1-2の7回は簡単に二死となったが鳥谷、田村の連続四球で一、二塁とすると、藤原がレフトへ安打を放つ。レフト・谷口が打球をノーバウンドで捕球しにいこうとスライディングキャッチを試みるも打球を弾き、その間に一塁走者の田村も一気に生還。打った藤原も二塁へ進塁した。さらに荻野の死球、マーティンの四球で満塁と好機が広がり、開幕から打撃好調の3番・中村奨吾が右中間を破る走者一掃の3点適時二塁打を放った。

 開幕のスタートには躓いてしまったが、初勝利後は徐々にマリーンズらしい攻撃を見せている。こういった攻撃を開幕直後に対戦した石川柊太、高橋礼、和田毅、岸孝之、則本昂大といった“エース級”を相手に、できるかどうかが勝ち星、得点力を増やしていくためにもカギとなってくる。6日からの1週間ではオリックスの田嶋大樹、山本由伸、西武の高橋光成といったエース級との対戦が予想される。好投手たちに対しても、「この1点を、つかみ取る。」ような攻撃を展開することができれば、自ずと順位は上がっていくだろう。

文=岩下雄太

(ベースボールキング)

***************************************************

≪2021/4/5≫

【もうすぐ40歳】ロッテ鳥谷敬はどうやって“最年長”開幕スタメンに? 練習も食事も睡眠も「18年後を考えながらやってきた」

 背番号「00」が開幕スタメンに名を連ね、また1つ、記録に名を残した。

 千葉ロッテマリーンズ鳥谷敬内野手が3月26日、福岡・PayPayドームでの福岡ソフトバンクホークスとの開幕戦に7番・遊撃でスタメン出場。遊撃手の39歳9カ月での開幕スタメンは2014年の東北楽天ゴールデンイーグルス・松井稼頭央(38歳5カ月)を上回り、史上最高齢となった。

 自身、開幕スタメン・ショートは16年以来、5年ぶりだった。軽やかな動きと好調な打撃でアピールし、経験の浅い若手選手の多い打線における重要なピースを任された。

 5回1死二塁のチャンスで巡ってきた2打席目では、カウント1-1からホークス先発・石川柊太投手が投じたフォークにバットを合わせると、打球は一、二塁間を抜けていった。これが今季初安打でプロ通算2091安打目となった。しかし、試合後はチームの黒星発進に悔しさを口にした。

「チームとしてなんとか勝ってスタートをしたかった。勝つことが一番。悔しい一日となってしまった」

 記録よりも、自身の結果よりも、チームの勝利に貢献することを第一にしてきた男の脳裏にあるのは負けた悔しさだけだった。メディアは「開幕史上最年長遊撃手スタメン」に注目をしたが、本人はいたってクールに淡々と振り返り、球場を後にした。


「雰囲気を経験するのが大事」

 安田尚憲内野手、山口航輝外野手がプロ初の開幕スタメンに名を連ねた。緊張する若者たち――ただ、鳥谷にも当然、緊張感はあった。

「開幕はみんな不安。それは何年経っても変わるものではない。(若い選手に)自分がどうこう言うことはないけど、こういう雰囲気を経験するのが大事。そうやって成長をしていくしかない」

 自分の力を出せずにゲームに敗れベンチで悔しがる後輩たちの姿を目にした鳥谷は、そのように口にして優しい視線を投げかけた。

 この悔しさと経験が先に生きる。プロ18年目の大ベテランはそのことを誰よりも知っている。だから前を向くことを促し、自身も次を見据えた。

 阪神タイガースを退団した昨年オフは、マリーンズ入りが決まるまで、自宅横での坂道ダッシュやガレージの壁相手にボールを投げ続けるトレーニングを1人で黙々と積んでいた。2月のキャンプからしっかりとチームの中で体を動かしてきた今季とでは、調整には雲泥の差がある。

 自身も「去年とは全然違う。沢山、試合に出させてもらったし、内野で色々なポジションを守って試合勘を作っていくことが出来た。キャンプでも自分の時間をいただき色々と試しながらやらせてもらえた。しっかりと開幕に照準を合わせて自分なりに感覚を戻すことが出来たし、シーズンに臨む上でのヒントをたくさん見つけることができた」と胸を張る。

 今季、40歳を迎えるベテランの軽快な動きを見た井口資仁監督も「状態は非常にいい。動きは一番いいと思えるぐらい」と目を細めた。

 誰よりも早く球場入りし、入念に体を温め、グラウンドに現れるのも早い。ポジションに向かうときは常に全力ダッシュ。ベンチでも若く大人しい選手の多いマリーンズにあって大きな声を出しチームを鼓舞している。不惑の年を迎える本人も、「ボクは惑わされることはないし悩むこともない」とキッパリと言ってのける頼もしさだ。

 20代の選手たちと同じように練習を行い、同じような動き、もしくはそれ以上のプレーを見せる若さの秘訣とは何だろうか。周囲も気になるところではある。ただ、今、この年齢における体の状態は本人からしてみればこれまでの積み重ねとしての結果。当たり前の“現在”と考えている。


「特別なことは、ない」

「プロに入った時から40歳になってもプレーをすることを目標にしてきた。その時から40歳になっても体が動くためにはどうすればいいかを考え、それに沿って行動をしてきた。だから、いま、なにか特別なことをしているかと言われたら、それはない」

 様々なトレーニング。食事管理。そしてナイターでもデーゲームでも日付が変わる前の23時にはベッドに入り、眠りにつく。いつでも同じリズムを維持し、体の負担を最小限にしようとする努力は、年を重ねて始めたことではなく、変わらぬルーティンとして続けてきたこと。それが積み重なり、今となっている。

「40歳を目前にした39歳になって、さあ体が重くなったからどうしようとかという人はよく見るし、見てきた。ボクは22歳ぐらいの時から18年後を考えながらやってきた。トレーニングにしても食事、調整法にしてもその中で自分に合っているものを見つける作業を繰り返し、困ったときのヒントや引き出しを増やすことを心掛けてきた。それが今は生きている部分はあると思う。だから今、特別にやっていることはなく、これまでもやってきたことを今もやっているというだけ」

 “今”ではなく、“ずっと遠い未来”を見据えて生活をするのは簡単なことではない。誰だって目先のことを考え、楽を選ぶ。その作業は孤独といってもいい。しかし、鳥谷は一貫してスタイルを変えなかった。誰よりも早く体を動かし、誰よりも長く汗を流した結果として今の充実期を迎えているのである。

 振り返ると、井口監督は現役時代に鳥谷と自主トレを共にしたことがあった。

 その時の鳥谷について「自分も沢山、練習をする方だと思っていたけど、トリ(鳥谷)ほど練習をする選手を見たことはない。最初に見た時はビックリした。まだ練習をするのかというほど体を動かしていた」と評した。

「今の自分をずっとイメージしていた。急になにか試すとかというようなことはない」と鳥谷が話すように、今の姿は偶然ではなく必然なのである。


「マリーンズで日本一に」

 昨年は通算350二塁打を達成。遊撃手としての通算試合出場数でNPB最多も更新した。来るべき2021年も、4月3日の日本ハム戦で史上44人目の1000得点を記録するなど、様々な記録を積み重ね、歩を進めていく。

 そして今季、「フォー・ザ・チーム」を第一にする鳥谷の目標は、もちろんリーグ優勝。さらに先には自身、未だ経験のない日本一がある。

「やっぱり2005年にタイガースでリーグ優勝はしたけど、マリーンズに日本シリーズで4連敗したという思い出しかないので、そういう意味で何とか逆に今度はマリーンズで日本一になりたいと思っている」と笑みを浮かべながら、力強く宣言した。

 まだまだ夢の途中。タイガースからマリーンズ、背番号「1」から「00」となり2年目のシーズンが始まった。そして若い頃からイメージしていた「40歳現役」となる今シーズン。鳥谷敬の真骨頂ともいえる1年が始まった。

梶原紀章(千葉ロッテ広報)

(Number)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 備忘録【4/4】 VS 日本ハム ... | トップ | 備忘録【4/5】 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マリーンズ2021」カテゴリの最新記事