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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事 【4/17】

2022年04月18日 01時29分04秒 | マリーンズ2022
≪4/17≫


背番号「17」の元に仲間たちが駆け寄る。

 レオネス・マーティン外野手もベンチから飛び出すと猛ダッシュをして主役を抱きかかえ、祝福の水をかけた。

「私の人生でこれほど素晴らしい投球をみたことがない。初めての事。ものすごく興奮したよ」

 4月10日のオリックス・バファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)。佐々木朗希投手が28年ぶり、史上16人目の完全試合を達成すると、マーティンは目を潤ませながら、そう話をしてくれた。

ダルビッシュの完全試合未遂

 マーティンはメジャー時代にも“あと1人で完全試合”という体験をしている。

 当時レンジャーズに在籍していた2013年4月2日、マウンドにはチームメートのダルビッシュ有がいた。敵地でのアストロズ戦。スタジアムは回を追うごとに異様な雰囲気に包まれていった。

 9回も簡単に2死を奪い、あと1人――しかし、最後の最後で打球は無情にも中前へと抜けていった。戦況をベンチで祈りながら見守っていたマーティンは、まるで自分の事かの様に天を仰ぎ、悔しがって帽子をベンチに叩きつけた。

「あの時は本当に悔しかったね。あれから月日が流れて日本でこういう瞬間に立ち会えて本当に嬉しいよ。光栄だ」

 頼れる助っ人は遠い昔の事のように当時を振り返り、そして笑った。

 マーティンは佐々木朗希の事を1年目からずっと気にかけてきた。なにかあるたびに声をかけ、話をした。「基本的にはジョークさ」と言うが、メジャーでも実績豊富な男としてプロとしての在り方を伝え続けてきた。

 1年目は「身体が細いぞ。もっと強くならないといけない」と事あるごとに言った。身体が少しずつ大きくなってきた2年目は「もっと下半身を強くしないといけない。まだまだだ」と投手の基本である下半身の強化をアドバイスした。

 よく言い聞かせている言葉がある。

「今日という日を楽しみなさい。一日の中で、なにが起きるかわからないのが人生だけど、だからこそ今のその状況を楽しみなさい。今日なにが出来るかを考えて、今日できることを楽しみなさい」

 佐々木朗希も、ルーキー時代に優しく語り掛けてくれたマーティンの言葉を胸に焼き付けた。だからこそ、日々を大事に一日と向き合っている。ベストコンディションを維持するために一日のスケジュールをしっかりと組み込み、トレーニング、治療に専念する。食事もすべて身体優先。睡眠時間をしっかりと確保するため出来る限り、早い時間帯にベッドに入る。そして新たに自分のためになることはないかと模索し、研究、トライを繰り返すことで日々、進化を続け、最善の努力をして登板日に備えている。

「オレもベテランだからね。自分の人生経験からも言えるし、メジャー時代などに先輩たちが教えてくれた事でもある。教えてもらったことを、次の世代に伝えることは大事なことだと思っている」

「ロウキのストレートは凄いよ」

 佐々木朗希にとって最近でいちばん印象深かったのは、3月27日東北楽天ゴールデンイーグルス戦(楽天生命パーク)で掛けられた言葉だ。今季初先発した試合である。

 悔やまれた場面があった。1点リードで迎えた3回裏の守り。1死一、二塁で西川遥輝外野手を迎えた。2ストライクと追い込んでから投じたのはスライダー。甘く入ってしまった。逆転となる2点適時三塁打。結局、この試合は6回を投げて被安打4、3失点。一時、チームは逆転に成功したが、最後はサヨナラ負けを喫した。

 試合後、マーティンが声を掛けた。

「ロウキのストレートは凄いよ。簡単に打てるボールじゃない。もっと自分の武器に自信を持って」

 佐々木朗希自身も悔やんでいたことであり、どの場面のどのボールを指しているのかはすぐにわかった。自慢のストレートで勝負が出来ず、悩んだ末に投じたスライダーは143キロ。真ん中付近に入り、痛打された。悔やんでも悔やみきれない選択。マーティンは打者の誰もが恐れるストレートに「自信を持て」と励ましてくれた。昨年、27本塁打を放った強打者のアドバイスに目が覚めた。MAX164キロの右腕は原点に戻ることが出来た。

 次回登板となった4月3日の埼玉西武ライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)はストレートを軸に、“打てるものなら打ってみろ”と言わんばかりの強気の投球を見せた。8回、被安打3、1失点、13奪三振の好投で今季初勝利を挙げると、その次の登板で「伝説」を作った。

「オレはこれまでメジャーも経験して色々なピッチャーを見てきている。その中でもロウキは最高のピッチャーの1人だ。本当に今回、こうやって完全試合に立ち会うことが出来たのは誇りだよ」

 マーティンは誰よりも喜び、まくし立てるように令和の怪物を賞賛し続けた。佐々木朗希もまた嬉しそうにそんなマーティンに歩み寄り、「やったよ」とガッツポーズをした。

「基本的には英語で話しかけてくるよね。彼の性格をひと言でいうと『小さな大人』だね。まだ子どもっぽいところが残るけど、素晴らしい大人でもあるという事。彼は素晴らしい才能の使い手。彼の才能にリミットなんてない。ボクはそう信じているよ」

 マーティンと佐々木朗希のロッカールームは同じ並びにある。場所でいうと4人ほど挟んでいる。しかし、暇さえあれば佐々木朗希はマーティンに声を掛け、嬉しそうにしている。

「ほとんどジョークさ」と言いながらクククと笑うマーティンもまた本当に嬉しそうな笑顔を見せる。この2人、まだまだ伝説を作ってくれそうだ。

千葉ロッテマリーンズ取材班 

(Number)

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≪4/17≫


 高卒3年目の佐々木朗希(ロッテ)が、今シーズン3試合目の登板となった4月10日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)で、28年ぶり、史上16人目の完全試合を達成した。

 そればかりか、従来の9連続奪三振を大幅に更新する「13連続奪三振」、1995年の野田浩司(オリックス)に並ぶ日本タイ記録の「1試合19奪三振」もマークするなど、記録づくめの快挙達成だった。

17奪三振以上は過去に5人

 ストレートの平均球速は159.8キロ、最速は自己最速タイの164キロ。フォークでも145キロをマークするなど、異次元のピッチングを見せた。

 奪三振の多い投手は「ドクターK」と呼ばれるが、1試合17奪三振以上を記録した投手は、佐々木を含め5人いる。

■19奪三振
野田浩司(オリックス)/1995年/ロッテ戦(千葉マリンスタジアム)
佐々木朗希(ロッテ)/2022年/オリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)

■18奪三振
田中将大(楽天)/2011年/ソフトバンク戦(Kスタ宮城)

■17奪三振
足立光宏(阪急)/1962年/南海戦(西宮球場)
野茂英雄(近鉄)/1990年/オリックス戦(西宮球場)
野田浩司(オリックス)/1994年/近鉄戦(グリーンスタジアム神戸)

 ちなみにセ・リーグは「1試合16奪三振」が最多で、これまで金田正一(巨人/1967年)、江夏豊(阪神/1968年)、外木場義郎(広島/1968年)、伊藤智仁(ヤクルト/1993年)、今中慎二(中日/1993年)、山田勉(ヤクルト/1993年)、桑田真澄(巨人/1994年)、野口茂樹(中日/2001年)の8人がマークしている。

ZOZOマリンは投手に不利⁉︎

 今回、1試合19奪三振の記録保持者である野田浩司氏に、佐々木朗希の完全試合、1試合19奪三振について聞くことができた。

── 4月10日のオリックス戦でロッテの佐々木朗希投手が28年ぶりの完全試合を達成しましたが、あの日のピッチングは野田さんの目にどう映りましたか。

「最初から最後まで見ていましたが、とにかく圧巻の投球だった。どこがすごいという話ではなく、圧巻でした。これまで16回の完全試合のなかでも、史上最高と言ってもいいと思います。昨年の秋以降、イニング数も奪三振数も増え、かなりのレベルに成長しているのを目の当たりにしてきました。(完全試合を達成した)あの試合はかなり調子がよくて、立ち上がりからいわゆる"ゾーン"に入った状態だったと思います」

── どういうところでゾーンに入っていると感じましたか。

「コントロールはいいし、真っすぐは打ってもファウルにしかならないのでカウントを稼げる。そして追い込んだらフォーク。そのフォークも揺れていて、打者が飛びついて打ちにいくシーンが見られた。とにかく外野に打球が飛んだのは2つだけで、まともな当たりはなかった。打者がまったく対応できていませんでした。三振をとれるべくしてとっている印象
でした」

── 「三振をとって勝つ」というのは、ある意味、難しいのではないですか?

「私が19奪三振をした時は、8回、9回に1個ずつ。佐々木投手は6、7回に1個ずつだったが、完投を目指す投手がもっとも疲れる8回に完璧な内容で3個とった。三振をとるにはそれなりに球数を要する。私が記録をつくった時は、9回で162球を投げました。同点で降板となり、勝ち投手になれませんでした(笑)」

── 野田さんが「1試合19奪三振」を記録したのも、千葉マリンスタジアム(現・ZOZOマリンスタジアム)でした。

「あそこは投手にとって投げやすい球場ではありません。とにかく風が強い。私の時は風速8メートルでした。しかもセンターからバックネット方向に当たった風がマウンドに向かってくる。投手にとっては、完全にアゲインストになるんです。空気抵抗を受けてフォークは落ちるのですが、真っすぐは伸びない。ただ、フォークは揺れるように落ちるから、バッターにとっては難しい球になる。投手も投げづらいですが、バッターにとってもやりづらい球場だと思います」

── 佐々木投手はあの試合、最速164キロをマークするなど、ストレートは常時150キロ台後半でした。

「あれだけのストレートを投げていれば、風とか関係ないのかもしれないですね。それほど影響を受けている感じはしませんでした。とにかく、ストレートで押せたのが一番。お手本のようなピッチングでしたね」

── 今後、佐々木投手がさらに成長するために、あえてアドバイスをするとしたら?

「今回、完全試合を達成した要因は彼の能力。ストレート、フォークの勢いがすばらしい。先発ローテーション投手は、年間約25試合の登板のなかで、絶好調なのは5試合あるかないか。それをあの試合、最高の形にした。今後は経験値によるピッチングの"引き出し"も増えるでしょうし、スライダーやカーブといった緩い球も投げるようになるでしょう。まだ3年目、どれだけ伸びるのか楽しみでなりません」

 衝撃の完全試合から1週間、まだあの興奮は冷めていない。今の佐々木朗希なら、また大記録を達成するのではないか......。そんな期待さえ抱かせる、まさに圧巻のピッチングだった。

文=水道博

(Sportiva)

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≪4/17≫

 
 元ロッテで野球評論家の里崎智也氏(45)が17日、TBSラジオ「日本生命presents石橋貴明のGATE7」(日曜前7・00)に出演。ロッテ・佐々木朗希投手(20)の完全試合達成に言及した。
 10日のオリックス戦で、佐々木投手はプロ野球史上16人目の完全試合を最年少で達成。日本新記録となる13者連続三振に、プロ野球タイ記録の1試合19奪三振と記録づくめだった。

 捕手目線で見ると「キャッチャーに酷。地獄の完全試合でした」。「19奪三振ですから、19個キャッチャーだけが処理しなければいけない。振り逃げも許されない。19個処理は、かなりきついと思う。打ってくれたら処理しなくていいんで」と守備面での負担を考えれば「キャッチャーにとっては地獄の完全試合だったと思います」と話した。

 「エチェバリアと藤岡のゴロの処理はひどかったですね。ここ最近の彼らの守備を見る中で一番ひどかった。ファーストの取り方もひどかった」と内野陣の守備をイジって笑わせつつ「彼らは8回しか守備機会なかったんで。いきなり飛んできたから、怖かったと思いますよ」とフォロー。佐々木投手をリードした松川捕手は「すばらしいと思います」と評し「守ってる野手の成果でもあるから、野手ももっと褒めてあげてほしい。頑張って守っている彼らの心境を考えると」と語った。

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 元ロッテで野球評論家の里崎智也氏(45)が17日、TBSラジオ「日本生命presents石橋貴明のGATE7」(日曜前7・00)に出演。プロ野球人生を振り返り「後悔している一球」を明かした。

 番組では佐々木朗希投手の完全試合を引き出した松川捕手が話題に。里崎氏は、リードしていてノーヒットノーラン達成目前で逃した経験が二度あるといい、投手が古谷拓哉のときは「9回ツーアウトで打たれました。あと一人で」と回想した。

 「ローテーションバリバリじゃなくて、谷間に投げるピッチャーだった。より成果を出させてあげたいなと思って。9回ツーアウトまでいってツーストライクまで追い込んで、最後の一球で終わった。達成させてやりたかった」と悔いが残る試合に。「だから16年間、後悔があるとしたらその一球だけ。フルカウントでスリーベース打たれた。『フォアボールでもいいからな』って一言言えばよかった。16年間で唯一それだけが後悔」と話した

(以上 スポニチ)
 
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ピッチングにも驚き、降板にも驚いた。2試合連続の完全試合に向け、8回を3者連続三振で締めくくった佐々木朗が、9回のマウンドに上がらなかった。
球数は102球。最後に三振に打ち取った真っすぐは163キロ。疲れていないわけではないだろうが、まだ余力があったように感じた。

常人では理解できないし、実行できない“育成プラン”。プロ入り1年目は体作りに徹し、2年目はじっくり間隔を空けて先発させていた。そして今年は中6日で投げてはいるが、100球を超えて次のイニングを投げさせないように、徹底している。

球団の育成プランだろうが、本人も納得しているのだろう。2試合連続の完全試合がかかっていて「どうしても投げたい」と本人が直訴すれば、止められないと思う。自己管理能力というか、自制心も半端な投手ではない。

意志の強さを感じたのは6回2死、9番打者の浅間に対し0-2に追い込んだときだった。捕手のサインに首を振って真っすぐを投げた。ボールになったが、2アウトでカウント0-2。甘いところでなければ、どこに投げてもいい場面だった。例え、自分が納得していない球種のサインであっても、ボールゾーンに投げればいいだけ。しかし自分の投球内容と相手打者の力関係やピッチングの組み立てができているのだろう。サインを出す捕手が年下の松川とはいえ、自分の投球に徹する「強さ」を感じた。

3年目を迎える今季は、技術面でも急成長を遂げている。昨年までは右腕が振り遅れる傾向があった。腕の遅れを取り戻そうとして力み、一塁側に引っかいて投げるような腕の振りになるときがあった。だからシュート回転する真っすぐも多かった。

今試合でも8回2死、野村に1ストライクから投げた真っすぐがシュート回転してライト線にライナーの打球を打たれたが、わずかに球威が勝ってファウルでしのげた。危なかったのは、この球ぐらいだっただろう。

腕の振り遅れが矯正され、制球力もアップ。投げる方向に対し、腕が真っすぐに振れるからシュート回転もしないし、体の開きも抑えられる。

多くの投手はスピードを上げようとして力んでしまうが、制球力を追求していくことで腕も振れるようになるし、打者が球速以上にスピードを感じるボールが投げられる。力む必要がなくなり、登板後の負担も減るし、スタミナにも余裕ができる。

近年、クロスに投げた球がシュート回転する右投手は、一塁側のプレートを踏むようになる。しかし佐々木朗はずっと三塁側のプレートを踏んでいる。あくまでも打者が打ちにくい球を追求する心の強さの表れだろう。

投手として必要な資質をすべて持っている。次回の登板を想像しただけでも、ワクワクさせてくれる投手になった。(日刊スポーツ評論家)

(日刊)


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