≪4/29≫
ロッテの西野勇士は今季ここまで3試合・17回を投げ、0勝2敗、防御率3.71だが、投球を見ていて悪い印象を受けない。
特に昨季苦しんでいたストレートは、オープン戦で「今年は結構いい感じに来ているのかなと思います」と話していたが、シーズンが始まってからも変わらず「いいと思います」と手応えを掴む。それだけに、前回登板の楽天戦でいえば、0-0の2回二死一、三塁で中島大輔に2ボール1ストライクから投じた4球目の144キロストレートをライトスタンドに浴びた一発は非常にもったいなかった。
西野本人も「2ボール1ストライクで、インサイド真っ直ぐのサインが出た。う〜ん、やっぱりカウントを悪くして、3ボールにして上位に1番に回るというところで、こっちとしては平行カウントを保ちたかった。そのぶん、甘くいっちゃったし、せめてコースだけいってくれれば良かったですけど、それが少し浮いちゃったというのもあって、本当に失投ですね。他の球種を選択すれば良かったんじゃないかなとも、後から思ったんですけど、う〜んという感じですね」と反省した。
ストレートだけでなく、フォークも良い。4月20日の楽天戦、0-0の初回先頭の宗山塁をストレートで追い込み1ボール2ストライクから投じた4球目の142キロ空振り三振フォーク、1-3の5回無死三塁の小深田大翔に3ボール2ストライクから空振り三振を奪った6球目の142キロフォークが良かった。
フォークについて西野は「いいですよ。握りを少し変えたんですけど、そのぶん落ちているし、いい感じで投げられているんじゃないかなと思います」と話し、小深田から奪った三振についても「良かったです。調子はいいです」と続けた。
気になるのは今季、奪三振が17イニングを投げて6つと少ないこと。4月9日の西武戦では初回だけで23球を投げ、2回以降はスライダー、カーブを中心に打たせて取る投球をしており、西野が常に口にする“ゲームを作る”ということも奪三振の少なさに関係しているのだろうかーー。
「三振を取れる時は取りたいし、もちろん取りに行こうと思っていますけど、そこまで三振に強いこだわりはないので。それよりはコース投げて、相手の意識と違う球を投げて、こっち有利にカウントを作って、打ち取っていけたらいいなといつも思っています」。
前回登板で言えば、1-3の5回無死三塁で小深田から三振を奪った場面のようなところでは、三振を狙っていきたい考えなのだろうかーー。
「そうです、あそこもそうです。次の浅村はあたっちゃいましたけど、浅村の時もそうですし、西武の時の中村さんのところもそうですし、狙って行ける時は狙っていきたいなと思います」。
去年は調子が良くない中で、3試合の登板を終えた時点で、2勝1敗、防御率0.87と抜群の安定感を誇り、勝ち星がついていた。今季は調子が良いが、白星がつかないことに関してフラストレーションが溜まったりはしないのだろうかーー。
「今のところないですね。とりあえずこの調子だけを落とさないようにしようというのが強いですけど、いい球を投げても結果が出なければ意味がない。どうにか次はいい結果をと切り替えていくしかないと思っています」。
今季は投げている球自体は練習試合からいいだけに、公式戦が始まってからもったいない投球が続いている。本人も「本当にその通りだと思います。僕ももったいないと思います」と話す。
「調子を維持しないといけないし、これで僕は大丈夫だと思っているので、これで結果が出なかったら考えないといけないですけど、調子自体はいいので、このまま引き続きやっていくだけかなと思います」。今日こそ白星を手にしたい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪4/30≫
2025年シーズンのロッテは「ポスト朗希」が一大テーマと言われてきた。昨季10勝5敗でチームに5つの貯金をもたらした佐々木朗希投手(23)が米大リーグ・ドジャースに移籍。投手陣の底上げは急務となっていたが、2人の新星が急成長中。佐々木の穴埋めは、早くもめどがつきつつある。
ポスト朗希の1番手は田中晴也投手(21)だ。新潟・日本文理高出身の3年目右腕はここまで3試合に先発し2勝1敗、防御率2・12の好成績をマーク。
「去年は不安を持ちながら試合に入ってましたけど、シーズンオフから去年出た課題と向き合ってきた。今年は自信を持って戦えていますし、やれるっていう感覚もオープン戦からあるので、そういった意味では絶対成長していると思います」と自信を持ってうなずく。
特筆すべきは奪三振力と制球力の高さだ。7回無失点の好投で今季初勝利を挙げた16日の日本ハム戦では、五回2死満塁のピンチで自己最速を更新する156キロをマーク。直球の質が高く、ストライクゾーン内で勝負できることが強み。一般的に3・00以上で優秀とされる「K/BB(奪三振数÷与四球数)」は実に7・00と出色の数値をたたき出している。チーム方針で中10日以上の間隔を空けながらの登板が続くが、白星を積み重ねていきそうだ。
ポスト朗希の2番手は茨城・霞ケ浦高出身の2年目右腕、木村優人投手(19)だ。ここまで6試合に全てリリーフで登板し、防御率0・82と抜群の安定感。イニングあたりに許した出塁(被安打と四球)を表すWHIPは1・00以下で非常に優秀とされるが、木村は0・36と異次元の領域だ。
入団後に1日5食の食事や筋力トレーニングで体重は入団時の80キロから14キロの増量に成功した。「増やした体重を体の使い方をしっかりと覚えて、体重移動を投球フォームにつなげるということをやってきました。手投げになるんじゃなくて、しっかり下半身を使うことを意識しています」と木村。
建山義紀投手コーチは「木村は先発もできるけど、リリーフの適正も高い。ぜいたくな悩みですよ。しばらくは勝負どころの複数イニングを任せる形になるのかな」と今後の見通しを語る。
田中晴は186センチで木村も184センチ。気の早い話だが2人の大型右腕が、シーズン終盤に新人王を争っていても全く不思議に思わない。(片岡将)
(サンスポ)
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≪4/30≫
ロッテのドラフト5位・廣池康志郎(東海大九州キャンパス)は、ここまで一、二軍ともに公式戦の登板はないが、体づくりは順調だ。
大学4年間で「一番は体重を増やそうと思って大学4年間は頑張って食事を食べるようにして、その食事を一番頑張りました」と体重を70キロから85キロまでアップしたが、プロ入りした現在は4月20日取材時点で体重は2キロ増えて87キロだ。
大学時代は食べることで体を大きくしたが、「プロに入ってから食べる量も大事なんですけど、自分の場合はタンパク質が足りないと言われていたので、もも肉、魚、タンパク質をしっかり摂るようにしています」と教えてくれた。
また、新人合同自主トレ中の取材で体づくりでどのような部分を頑張っていきたいか訊くと、「トレーニングをしていて、小さな筋肉を動かすのが苦手と言われているので、そこの小さな筋肉を動かせるようにトレーニングしていきたいと思っています」と話していたが、苦手な部分とどう向き合っているのだろうかーー。
「そこもトレーナーさんに指示をもらってしっかりトレーニングをこなして、少しずつできているかなと思います」。
投球面では、「アベレージを上げたいと思っています、アベレージは150キロくらい投げられるようにして、マックスは155を目指していきたい」と最速153キロからアップを新人合同自主トレ期間中に目論んでいたが、「まだ試合で投げていないので、ブルペンで球速を計測しているんですけど、大学の時よりかはアベレージも上がってストレートは投げていけている」と好感触。「ストレートの質を上げていきたいと思います」と意気込んだ。
プロではチェンジアップとスプリットを磨いていきたいと話していた変化球は、「プロ入ってチェンジアップの精度がよくなってきているので、そこを磨いていきたいと思います」と明かした。
廣池と同じように、大卒でプロ入りしたドラフト1位・西川史礁(青山学院大)は一軍でプレーし、同じ投手でプロ入りした同3位・一條力真(東洋大)、育成3位・長島幸佑(富士大)は二軍で実戦登板を果たしている。「早く投げたい思いもあるんですけど、焦らず、怪我が一番怖いので、少しずつ実戦の練習をしてから試合で投げられればいいかなと思います」と前を向いた。
実戦に向けて今は、「前回投げたよりいい投球が次の日できるように、練習で投げた動画を見るようにしていて、どこが悪かったかなとか見るようにして、次の練習に活かしたりしています」とのことだ。
「先発として投げたいので、二軍で経験を積んで、今年1回でもいいので一軍で登板できればいいなと思います」。今季中の一軍デビューを目標に一歩一歩階段を上がっていく。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪5/1≫
ロッテの八木彬が4月30日のオリックス戦で今季初登板を果たした。
先発・種市篤暉の後を受けてマウンドに上がった八木は、先頭の野口智哉を1ボール2ストライクから143キロのフォークで空振り三振、続く若月健矢をインコースの151キロツーシームで見逃し三振。麦谷祐介にライト前に運ばれたが、廣岡大志をインコースのツーシームで左飛に打ち取り、今季初登板は1回・12球を投げ、1被安打、2奪三振、無失点というピッチングだった。
◆ ストレート
八木は昨季途中からツーシーム主体の投球にモデルチェンジし、今季初実戦となった2月16日の楽天モンキーズ戦では「しっかり力を抜けて投げられている感じがあったので、これを継続していきたいと思います」と1回・14球を投げ、0被安打、2奪三振、無失点と最高のスタートを切った。
「引き続きゾーン内でしっかりラインを出してツーシームを投げていけば、ゴロアウトだったりが増えていくと思うので、その確率を上げてアピールしていきたいと思います」と意気込み、2月24日の巨人とのオープン戦は3回無失点に抑えたが、3月2日のソフトバンクとの練習試合は2回3失点、3月8日のソフトバンクとのオープン戦は3回2失点とピリッとしなかった。
3月16日の広島とのオープン戦で1回を無失点に抑えたが、開幕は二軍スタート。「出力が全然出ていなくて、ゾーン内に投げても外野に良い打球が飛ばされていて、たまたま正面に飛んでいるだけだった。コントロールもあまりできていなかった。点は取られましたけど、たまたま抑えられていたという感じでしたね」と振り返る。
シーズン開幕してからファームの映像を見ていて、気になったのはストレートを再び投げるようになったこと。3月30日のヤクルトとの二軍戦では、1-0の8回二死一塁で内山壮真を1ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた4球目の外角154キロストレートが非常に良かった。
昨年8月20日の取材で「自分の前の真っ直ぐは怖さがないというか、強さがあるけど怖さがない」という理由でツーシームを覚え、昨年秋の時点で「(ストレートを)投げる予定は今のところないですね」と話していた中、なぜ再びストレートを投げるようになったのかーー。
開幕直後の4月4日の取材で「ツーシームを投げすぎて、体が開き気味になっていたので、それを戻すのに真っ直ぐを投げている感じです。強い真っ直ぐというところがあってのツーシームというところだと思ったので、まずは真っ直ぐをやっていました」と説明した。
それはツーシームを磨いてきた弊害により体が開き、ストレートを投げた方がいいなという考えになったのだろうかーー。
「そうですね。それもありますし、弊害というか、副作用とかあるんやなと自分でも思いましたし、真っ直ぐを強くしていけば。ツーシームも投げられる。練習ではストレートを多めに投げたり、工夫したりしていかないといけないなと思います」。
3月の練習試合、オープン戦では打たれる試合もあった。「キャッチボールでもそうですし、開いているなというのがずっとあった。ストレートが弱くなっている分、ツーシームを投げている時に変化量を求めて、体が開いてしまった。まずは真っ直ぐが良ければ、ツーシームが良くなるので、そこですね」。
「まずは強い真っ直ぐを出していくことが今の課題だと思います。ゾーンに強い真っ直ぐを投げてゴロアウト、簡単に抑えられるような投球をしていきたいと思います」と話していた中で、取材直後の4月4日のDeNA二軍戦で失点したが、4月11日の西武二軍戦以降、4試合・7イニングを投げ無失点、防御率0.00で4月30日に一軍昇格を果たした。
ストレート、ツーシーム、そこに武器であるフォーク、スライダー、カーブを駆使して、一軍の打者を抑えていきたい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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